今回の台湾滞在では、基隆に宿泊することにしていた。基隆は台湾北部の港湾都市で、海運関係者には台北よりも有名な町だと思う。台湾の主要都市だが、今まで訪れたことがなく、今回が初滞在になった。
金爪石を出発してちょうど1時間で基隆に到着した。終点のバス停は港に面した大通り沿い。
盆の時期なので、「基隆中元祭」と書かれたオブジェが並んでいた。この旅行当時(2019年)は亥年なので、モチーフは豚。亥は日本ではイノシシだが、本来は豚なので中華圏ではこういうオブジェを見る機会が多い。
日本で亥がイノシシになったのは、中国から十二支が伝わった時代に豚が普及しておらず「珍しい動物」扱いだったことと、狩猟でイノシシを狩るのが一般的だったためらしい。
後ろに停泊している大型客船は、スタークルーズの「スーパースター アクエリアス」という全長230mの船。豪華客船での船旅に憧れる人も多いはずだが、私はおそらく利用することはないと思う。なんだか退屈しそうな気がするためで、自分には町から町へ忙しく移動を続ける旅があっている。
基隆での宿泊先は「インペリアルホテル」というところを予約してある。名前は立派だが宿泊料金は約3,800円の中級ホテル。
港沿いの大通りを渡り、路地を歩いて行くとホテルがあった。
チェックインし、部屋へ移動すると「インペリアル」の名前に負けない快適さだった。
ただ、廊下やエレベーターなどが古く、建物自体は老朽化しているという感じだった。だから宿泊料金が安いのかもしれない。
部屋で少し休憩し、夕食のため外出。台湾の夜といえばもちろん夜市で、基隆にも「廟口夜市」という大きな夜市がある。ホテルのすぐ近くに、夜市の入口があった。
さすが大都市の夜市だけあって、写真からわかる通りの賑わいぶり。まっすぐに歩けないほど。
台湾の夜市好きとしては、こういう雰囲気は本当に楽しい。
日本人旅行者向けの表示もあるが、ときどき面白いものがあるのが笑える。写真の店は「ぎゆにくりょり」「こちゃジュス」「オワンジーパパイヤジュース」。しかし「レ」と「ワ」を間違えるのは斬新。
あと、面白かった店がこちらの「章魚の足ばかり」。章魚とはタコのことだそうで、たしかにタコ足の料理ばかり並んでいた。
ちなみに「ゲソ」はイカの足のことで、タコの足はゲソとは言わない。理由を知りたい人はネット検索してみて。
何か食べる前に夜市を一通り見てみることにして、歩いていると「奠濟宮」という寺院があった。
旅行後に調べてみたら、この寺院(廟)の入口という意味で廟口夜市と呼ばれるようになったということだった。つまりここが夜市の由来になった場所。
本堂の前には、立派な騎馬像があった。
寺院を出て、歩いて行くと夜市の反対側の入口に着いた。いったん夜市を出て、大通り沿いを歩いてみる。赤い提灯の列がきれい。
龍と鶏のオブジェもカラフルに光っていてきれいだった。本当によくできている。
こちらは光のトンネル。「恋人たちのトンネル」みたいなイメージなんでしょうかね。
バスで到着したときに見た基隆中元祭のオブジェもライトアップされていた。龍の体がきれい。
豚の顔はピンク色になっていて、なんだか発情上気しているみたい。
さらに歩いて行くとバスターミナルがあった。Easy Card の残高が少なくなってきていたので、ここで500元をチャージ。
翌日は海沿いに基隆~金山~石門~淡水とバスで移動する予定で、金山方面のバス乗り場を調べておいた。バスターミナルではなく道路沿いのバス乗り場に金山の文字が見つかり、一安心。
ここから夜市へ戻り、いろいろと食べ歩いてみることにした。最初はサイコロステーキ(100元)。
続いて、こちらの屋台で魯肉飯(20元)とウナギのスープ(80元)。台湾では魯肉飯(ルーロウファン)は外せない。
紅焼と書かれたウナギのスープが濃厚だったので、次は少し軽めのものということでビーフンのヌードル(25元)。
食事の合間に、楊桃汁というジュース(25元)で休憩。
最後にメインという感じで油飯(60元)とカニのスープ(30元)。油飯は台湾風おこわのことで、チャーハンよりは少し硬め。
カニの看板が目立っていたので入ってみたが、この2品は本当においしかった。この夜市ではおすすめの店。
最後に、この店でフルーツを買ってからホテルへ。
夜食としてホテルの部屋で食べてみたが、普通のカットフルーツではなく砂糖漬けみたいな感じだった。甘くてうまい。
台湾の屋台で少しずつ食べ歩くのって、本当に楽しい。台湾の人たちは家ではあまり料理せず外食が多いと聞くが、夜市がこれだけ発達していたらそうなるはず。
翌日は旅行最終日。この日は0時半に就寝。