台湾旅行記(彰化 / 八卦山、南天宮)

彰化滞在2日目。この日は八卦山と南天宮を7年ぶりに再訪し、午後に特急列車で高雄へ移動することにしている。

八卦山と南天宮は2005年と2016年に訪問したことがあり、今回が3回目。どちらも久しぶりに見ることができるのが楽しみ。


朝7時半に起床。宿泊しているゲストハウスは朝食付きだったので、8時半に朝食。

9時半にチェックアウトし、午後まで荷物を預かってもらうことにしていったん彰化駅へ。駅の窓口で、前日の夜に予約しておいた特急列車「自強号」のチケットを受け取った。決済はサイト上で済ませてあり、窓口ではパスポートを見せるだけでいいので、かなり便利なシステム。

彰化駅前にはレンタル自転車がたくさん並んでいた。これが使えたら八卦山への移動も楽になるのだが、外国人には使いにくいシステムに変わってしまったのが残念。

駅から歩いて八卦山へ。この門を見るのも久しぶりなので、なんだか懐かしい。

この門の先で車道を離れ、坂道を上がっていったところに八卦山がある。

八卦山

車道の喧騒が次第に聞こえなくなり、林の中の静かな道を歩いていくと八卦山の大仏が見えてきた。7年ぶりの対面。

この仏陀の手を模したオブジェは、見た記憶がないので前回はなかったはず。

展望所から眺めた彰化の町並み。八卦山が高台にあるので、景色はきれい。

大仏のほうへ歩いてみた。蓮台は2005年がピンク色、2016年が金色だったが、今回は金色のまま。大仏の姿も前回と変わっていない。

参道の両側に並ぶ狛犬(?)とも久しぶりの再会。

前述の通り、この姿を見るのは3回目。何度見ても、黒光りして頭がちょっと大きい大仏の姿は面白い。高さは21.6メートル。

大仏の内部には各階に釈迦の生涯を再現したジオラマが作られていて、もちろん最上階まで上がってきた。どれもよく作られていて楽しめる。

大仏の胎内めぐりを終え、外に出て背後から眺めた大仏の姿。

大仏の背後にあるのが、こちらの大仏殿。かなり大きな建物。

大仏の胎内に続いて、大仏殿の各階を参拝。どの部屋も朱色が鮮やか。

台湾の寺院ではおなじみの十八羅漢像も並んでいた。

十八羅漢像といえば、もちろんこの姿を探さないわけにはいかない。眉毛が異常に長い「長眉羅漢」さん。

この姿は台湾の寺院でよく見かけるが、何度見ても毎回感動する。本当に、よくこんな姿になったものだ。

大仏殿の中を歩いていると、テーブルの上に書籍が並んでいた。最初は販売品だろうと思っていたが、よく見てみるとすべて無償で提供されているものだった。

これだけの本が無料というのが驚き。持ち帰りたい本は何冊もあったものの、荷物が重くなってしまうため、ここでは「天堂遊記」と「因果図鑑」の2冊だけを選ぶことに。

「天堂遊記」は坊さんが子供たちに仏教の教義を教えている場面が漫画で表現されたもので、全328ページという分厚さ。漢字を見ていると、大まかな意味は分かる。

「因果図鑑」は著者が「江逸子」、サブタイトルが「地獄変相図 釋文」で、第一殿の秦廣王から大十殿の転輪王までの十王の紹介(ちなみに第五殿が有名な閻魔大王)、いろんな罪の説明、さらに地獄風景が描かれたもの。フルカラーで全215ページという豪華版。

下に載せているのは、その中の「刀山地獄」。どの地獄風景画もかなり稠密で素晴らしい。

他にも「剣葉地獄」「餓鬼地獄」「糞尿地獄」「腰斬地獄」「吊舌地獄」「剥皮地獄」「射眼地獄」「火牛地獄」「油釜地獄」「蜂蠍地獄」など、それはそれはたくさんの地獄風景が描かれている。

全ページがカラーだし、購入したら数千円はしそうな本が無料とは驚かされた。地獄マニアなら、この「因果図鑑」は絶対に入手するべき。発行元が「財団法人台湾省台中聖賢堂」なので、おそらく台中市の寺院で入手できると思う。私も、この2冊は宝物として大切に保存しておきます。

予想外の豪華本を入手でき、満足しながら外を眺めてみた。

次の目的地は南天宮だが、いったんゲストハウスに戻って本を置いてくることにした。重いのもあるが、何より2冊の豪華本を持ち歩いているうちに汚したくない。

ゲストハウスで荷物の中に本を大切にしまい、再び八卦山へ。

南天宮

八卦山の近く、この坂道を下ったところにあるのが南天宮という寺院。

さらに階段を下り、市街地の中にある南天宮に到着。

いやー、懐かしい。八卦山と同じく、こちらも7年ぶりの再訪。

この南天宮の名物は、過去2回とも激しく感動した電動地獄風景。今回も暇そうに世間話をしていたお爺さんに50元を払い、早速「十八地獄」の中に入ってみる。

最初にあるのが「奈何秤」という通路(3番目の漢字は秤だと思うが、違うかもしれない)。

ここを通るときに一瞬だけ通路がガタンと下がるので、おそらく罪の重さを表現しているはず。

奈何秤を過ぎると、続いていろんな地獄風景が並んでいる。どれもリアルで素晴らしい出来栄え。

先ほどの奈何秤もそうだが、これだけの電動アトラクションが故障せずに動いていることに感動する。最初にここへ来たのが2005年なので、18年に渡ってメンテナンスが続けられていることになる。電動ギミックに関わったことのある人ならわかると思うが、これはなかなかすごいこと。

長い舌が特徴的な謝将軍とも再会。

釜茹での刑は明らかに大きさが釣り合っていないのが面白い。

前回来たときも思ったが、この眺めを逆にすると笠を被った人が踊っているように見えてしまう。

地獄のロードローラーも健在。音を立てて前後に動いていた。

「孟婆亭」の前にいた地獄の給仕さんとも再会。

しかしこの給仕さん、何度見ても顔が怖い。

地獄風景の動画については、このページの下のほうに載せている。

十八地獄を堪能した後、続いて魔界怪談へ。こちらは完全なお化け屋敷。

薄暗いのであまりきれいな写真は撮れないが、しかし子供のころに戻ったようで楽しい。

いいですねえ、こういうトラディショナルな風景。

懐かしのキョンシーとも再会。香港映画でよく見ていたのが、私が高校生のころ。

キョンシー映画の代表作といえば「霊幻道士」というのが一般的な認識だと思う。この旅行を機に久しぶりに U-NEXT で見てみたが、いやー面白い。しかし調べてみたらラム・チェンインやリッキー・ホイはすでに亡くなられていたんですね。ティンティン役のムーン・リーも、その後いろいろあったようで…

魔界怪譚の最後にあるのが、亡者が次の転生先を伝えられる場面(多分)。ちょっと立ち止まって向きを変え、しばらくしてまた動き出すシーンは本当によくできている。地獄マニアだけでなく機械好きの人も必見。

魔界怪談を出て、最後にこちらのジオラマが並んでいるエリアへ。

ここでは西遊記などの場面が再現されている。美女軍団に誘惑される猪八戒とも久しぶりの再会。

では、南天宮の十八地獄、魔界怪談、西遊記の動画を載せておく。

やはり、南天宮の電動アトラクション地獄は素晴らしい。しかも、しっかりとメンテナンスされていて故障せずに動いているのがすごい。ぜひ多くの人に見てほしいし、私もまた再訪したい。


南天宮を後にして、再び八卦山へ。参道に並ぶ石像たちとも再会。

少し歩き疲れたので、こちらのカフェで休憩。

このカフェを選んだのは、もちろん大佛珈琲(60元)が目的。2016年の訪問のときもここに入ったので、このコーヒーとも7年ぶりの再会。

ただ、前回はちゃんとした 陶器製のカップ だったのだが、今回は紙コップ。名前と似合わないチープさになってしまったのが残念。

カフェを出て、続いてこちらの露店のソーセージが美味しそうだったので買ってみた。しかし焼き台の横にパチンコが置いてあるのはどうしてだろう。

2種類あったので、それぞれ1本ずつ買ってみた(計60元)。1本は普通のソーセージで、白いほうは中にもち米が入っているのか、かなり独特の食感だった。味は十分うまい。

さらに周囲を歩いていると「八卦山大佛風景区・天空歩道」という表示があったので、そちらへ行ってみた。

名前の通り空中に作られている通路で、案内書きを見るとそれなりに距離は長い。しかし、今はメンテナンス中だったのか、歩いていくとすぐに通行禁止になっていた。

ここで引き返し、木陰でしばらく休憩。

2016年に来たとき、ここに地元のミュージシャンらしい人がいて演奏を披露していた(「浪花節だよ人生は」「好きになった人」「涙そうそう」など日本の曲も多数)。

その人たちは今回も健在で、いろんな曲を演奏していた。縁日みたいな雰囲気で楽しい。


そろそろ列車の時刻が近づいてきたので、これで八卦山を後にして彰化駅方面へ。途中、孔子廟の前を通ると、こういう飾り付けが設置されていた。何か祭りが行われるんだろうか。

ゲストハウスに立ち寄って荷物を受け取り、彰化駅へ。

定刻は14時31分発だが、7分遅れで到着した特急列車「自強号」に乗り、次の目的地の高雄へ出発。

自強号は全席指定で、移動は快適。列車内は最初は少し空席もあったが、途中の台南あたりで満員になった。しかし改めて、日本だと新幹線が開通すると並行在来線の特急列車は廃止されることがほとんどだというのに、台湾では在来線特急がそのまま運行されていることに驚く。

高雄到着後については、次のページで。