グアム旅行記(2006年12月)

ここ数年の海外旅行で ANA のマイレージが3万マイル以上貯まり、そのうちの2万マイルほどが年末で期限切れになるため、使わないともったいないのでここで特典航空券と交換することにした。

2万マイル以内で行けるのは北アジア(韓国、台湾、中国)とグアムになっている。この中から行き先を検討した結果、まだ行ったことのないグアムへ行くことにした。年末で忙しい時期なので、旅行期間は12月7~10日のわずか4日間。かなり慌しい旅行になるが、航空券がただなのだから文句は言えない。


行き先は決まったものの、予約しようとしたらすでに満席だったため空席待ちということになった。いろいろと調べてみたら、最近は飛行機に乗らずにクレジットカードなどでマイルを貯める「陸マイラー」という人たちが増えていること、割引チケットの増加によって特典航空券の座席が減っている(あくまで噂)ことから、特典航空券の入手はかなり難しくなっているらしい。飛行機に乗らずにマイルを貯めるのは邪道という気がするが、そういう人は予想以上に多そう。

このときも、特典航空券が入手できるかどうかはかなり微妙なところだった。まあ、2万マイルで3万円分の ANA 利用券と交換できるので、グアムが無理だったらこれを旅費の足しにして翌年に北海道にでも行くことにしよう。などと考えていたら、旅行の2週間ほど前、11月末になって座席が用意できたというメールが来た。ほぼ諦めかけていたために何の準備もしていなかったので、急いで宿泊先等の予約を行うことになった。

ホテルの予約に利用したのは前年のチュニジア旅行のときにも利用したオクトパストラベル(※)で、せっかく航空券がただなのだからちょっといいホテルに泊まろうと思ってタモンビーチに面した「ホリデーリゾート」を選んだ。宿泊料金は1泊10,300円で、私にしてみればかなり高いホテルになる。いくら航空券がただといっても、さすがにハイアットリージェンシーやヒルトンホテルに泊まるほど贅沢をしようとは思わない。

(※)オクトパストラベルは2012年に業務を終了している。

あとは、この年の夏に買った度つきのゴーグルとビーチサンダルを用意し、グアムへ向かうことにした。


夕方の便で福岡から関西空港へ移動し、夜9時40分にANA913便でグアムへ。3時間半のフライトで深夜2時すぎにグアム国際空港に到着した。日本とグアムには1時間の時差がある。

なぜこんな時間に到着したのかというと、この時間しか便がないため。帰国便は午前4時にグアムを出発して早朝6時半ごろ関西空港に帰着となる。グアム路線は CA さんたちの間では「夜這い便」などと呼ばれているらしい。

これだと「金曜の夜に仕事を終えてからグアムへ行き、月曜の早朝に帰国してそのまま会社に向かう」という強行スケジュールも可能になるわけだが、いくら時間を最大限使えるといってもこういうのはかなりきついと思う。本当にこういうケースを考えて飛行機の時間が設定されているのかどうかは知らないが、おかげで今回グアムに滞在できるのは50時間ほどしかない。

ほぼ同時刻に成田からのJAL便が到着したこともあり、パスポートコントロールには日本人の長蛇の列ができている。今回はなぜか指紋の採取と虹彩の写真撮影はされずにグアムに入り(この年の9月にアメリカ本土に入国したときの記録が残っていたためか?)、タクシーでホテルに到着したのが午前3時ごろ。風呂に入ってから寝たのは4時ごろだった。

ホテル “Holiday Resort Guam”

翌日、疲れていたので遅くまで部屋で寝ていた。11時ごろに起き、あらためて部屋を見てみると、さすがにかなりいい部屋。浴室等もかなりきれいで、今までの海外旅行で宿泊したホテルの中でも最高の部類といっていい。

このホテルはグアムで一番有名なタモンビーチに面していて「客室の90%がオーシャンビュー」というのが宣伝文句になっている。というわけで、下の写真がホテルの部屋からの眺め。

残り10%の部屋だ…

まあ、通常料金が「129ドル~」となっているホテルを10,300円で予約しているわけだからある程度は予想していたことだし、短い滞在なのだからそんなに気にすることもない。

タモンビーチ

昼ごろ、ホテルを出てビーチへ行ってみた。

さすがにグアムの海はきれいだねえ。予想以上に青く光っている海に感動した。

この日の午後は、ビーチで泳いだり、疲れたら砂浜で寝たりしてすごした。ビーチはちょっと閑散としていたが、このときは年末休みの直前ということで日本人観光客が少ない時期だったらしい。おかげで、ちょっとしたプライベートビーチ気分を味わうことができた。

下の写真に写っているのが今回宿泊した “Holiday Resort Guam”。

泳いでいる途中、光の反射がかなりきれいに感じたので写真を撮ってみた(下の写真)。これはカメラを濡らさないように注意しながら海の中へ入っていって撮ったもの。自分でもちょっとお気に入りの写真といえる。

潜水して上を見上げた景色もかなりきれいだったのだが、残念ながら防水カメラを持っていなかったので、この写真は撮れなかった。次回グアムへ来るときはカメラの防水ハウジングを忘れずに持ってくることにする。

日が傾いてきた頃、波打ち際で自分の影が写るように写真を撮ってみた。

4時半ごろ、ホテルへ戻って少し休むことにした。それにしても海は本当にきれいだし、砂浜に寝ているだけでも十分にリフレッシュ効果があるので、グアムへ来て本当に良かったと思えた。日本で生活に疲れている人は、しばらくグアムに滞在してみてはいかがだろうか。

マイクロネシアモール

到着日の夜と翌日の昼間は、土産物等の買い物をしながらグアム中心部を散策してみた。グアムでは「DFSギャラリア」というショッピングモールが有名だそうだが、中に入っているのはブランド品の店がほとんど。ブランド品に興味のない私としてはあまり楽しめる場所ではなかった。

そのかわり、気に入ったのがグアム最大級のショッピングモールという「マイクロネシアモール」で、土産物の大半はここで購入した。

下の写真はマイクロネシアモールの中心にある広場で、すでにクリスマス風の飾りつけが行われていた。

ここには広いフードコートがあり、夕食は2回ともここで取った。料理の種類もかなり豊富なので、食事のためだけでも訪れる価値はある。

グレイハウンドパーク

グアム滞在2日目の夜はグレイハウンドパーク(ドッグレース場)へ行ってみた。個人的には競馬は大好きだがカジノなどのギャンブルにはあまり興味はない。ドッグレースは動物が走るレースとして競馬に通じるものがあり、以前から興味があったので訪れることにした。

夜7時すぎにグアム中心街からやや外れたところにあるグレイハウンドパークに到着し、入場料の8ドル(高っ!)を払って中に入った。

スタンドはそれほど広くはなく、一般席と追加料金が必要な特別席に分かれている。特別席はテーブル付きだが、それほど観客が多いわけではないので、このまま一般席にいることにした。なお、観客のほとんどは日本人のようだった。

コースは1周400メートルで、スタンド前は明るいものの向こう正面はちょっと薄暗い。コースの内ラチ沿いに設置してあるレール上をウサギの模型が移動し、それを追いかけて犬たちが疾走することになる。

競馬のようなパドックはないが、レース前に出走する犬たちが観客席の前で紹介される。当然ながらフラッシュを使った写真撮影は禁止なので、シャッタースピード2秒の夜景モードで撮ってみた(この旅行当時はフィルムカメラを使っていた)。

犬券は、単勝、2連複、3連複などの他、6着までを着順通りに当てる「スーパーフェクタ」がある。最低購入金額は犬券により異なり、2連複では3ドル以上、3連複は6ドル以上(高っ!)になっている。なぜ1ドルから購入できないのか不思議。

場内に置いてあった日本語の解説付きの購入ガイドと出走表を読みながら検討しているうちに第1レースが近づいてきた。最初はレースの雰囲気を見るために犬券は買わずに眺めることにした。

出走する犬たちが犬小屋のようなゲートに収まると、ファンファーレが鳴って4コーナー付近からウサギの模型が動き出す。このウサギがゲート付近まで来たときに扉が開き、犬たちがいっせいに飛び出していく。コースをほぼ1周したところにゴールがある。

下の写真はゴール付近でレースを眺める観客たち。明るく光っているところがゴールラインになっている。

犬たちはコースを30秒ほどで1周するので、レース自体はあっという間に終わってしまう。スピード感は十分だが、当然ながら先行した犬が圧倒的に有利なようなので、競馬のような最後の直線での攻防と比較するとちょっとあっけないという気もする。

それから、レースは20分間隔程度で次々と行われるので、さっさと購入しないとすぐに窓口が閉まってしまう。これではじっくりと検討する時間はなく、おかげで2レース目は犬券を買いそびれてしまった。

犬券成績はというと、購入した6レースのうち2レースで2連複が的中したものの、収支はマイナスだった。最終第8レースは3連複4頭ボックスの24ドル勝負をしたところ、見事に外れ。まあ、データが出走表しかないわけだし、これで儲けるほうが無理というものだろう。

競馬と比較するとちょっと迫力に欠けるところはあるが、しかしまあ日本では見られないものだし面白かった。次回来るときは事前に攻略法を調べておくことにする。


グレイハウンドパークの前からバスに乗り、いったんKマート(24時間営業の大型スーパーマーケット)へ行っていくつか土産物を買った後、再びバスに乗ってホテルへ戻った。ここで預けていた荷物を受け取り、今度はタクシーで空港へ。午後10時50分に空港に到着し、チェックインが始まる時刻まで仮眠することにした。ホテルにもう1泊するのがもったいなかったのでターミナル内で寝ることにしたわけだが、さすがにちょっときつかった。

深夜2時ごろチェックインが始まり、出国手続きを終えてトランジットエリアに入ったところ、この時間でも免税店が開いていて日本人ツアー客たちが最後の買い物をしていた。

3時半過ぎに機内に入り、座席を見て驚いた。

ビジネスクラスだ!

何かの間違いかと思って客室乗務員に確認してみたが、確かにこの席だという。どうやらエコノミークラスのオーバーブッキングによってビジネスクラスに振り替えられたらしい。

エコノミークラスにオーバーブッキングが発生した際、ビジネスクラスに空席があれば乗客の一部が振り替えられることになるが、このときツアー客の一部を振り替えることはできないため(これは他のツアー参加者から苦情が出ることになる)1人で乗っている人が優先されると聞いたことがある。どうやらこのケースに該当したらしく、何ともラッキーだった。

ともかくも、これが生涯初のビジネスクラス。初めてなのでフットレストの動かし方がわからなくて困ったりしたが(手で動かそうとしたら動かなくて悩んだが、よく見たら肘掛にボタンがあった。要は背もたれのリクライニングと同じ要領だった)、さすがに快適そのものと言っていい。これなら長時間のフライトでも疲れないだろう。こうなると、今回のフライトが3時間半ほどしかなく、食事も軽食だけなのがちょっともったいないという気にもなる。

せっかくのビジネスクラスなので、食事のときにビールを頼んでみたら気圧の関係ですっかり酔いが回ってしまった。快適なフライトを終えて早朝6時半ごろ関西空港に到着し、名残惜しかったが航空機を降りた。

その後、国内線に乗り継いで昼ごろ長崎に帰着した。


今回はグアム滞在が約50時間という慌しい旅行だったが、しかしなかなか面白かった。グアムの印象は、いたるところで日本語が通じるため「日本に一番近いアメリカ」というより「日本そのもの」という感じで、日本と違うのは「通貨がドル」「車が右側通行」「チップの習慣がある」という程度ではないかと思う。ビーチは本当にきれいだし、日本人のリピーターが多いのも理解できる。私もマイレージが貯まったら再度訪れたい。