中国滞在記(无錫、張家港)

2007年8月12~25日に、出張で上海近郊にある張家港という町に滞在した。そのうち19日の日曜日が休日だったので、近くにある无錫という町に行ってみた。太湖という大きな湖に面した町になる。

私は中国語は悠好(ニイハオ)と謝謝(シェシェ)と没有(メイヨー)くらいしかわからないが、それでも特に問題なく行動できた。


朝9時、滞在先からタクシー(厳密に言えば白タク)で張家港(中国語の発音はジャンジャガン)のバスセンターへ。窓口に並び、无錫(中国語の発音はウーシー)までのチケットを購入した。中国語の発音が通じるかどうか不安だったので、地図を見せて无錫を指差したところ問題なく購入できた。料金は片道17元(約270円)。

出発まで待合室で待機。

9時45分に張家港を出発。バスはエアコンつきでかなり快適だった。このあたりは中国で最も発展している地域なので、道路などのインフラもかなり整備されている。ただしバスや車の運転は一般にかなり荒く、遅い車は容赦なく煽り、車線変更は強引、クラクションも頻繁に鳴らしている。このあたりは日本とはかなり違うと思う。

張家港から1時間20分、11時5分に无錫駅の横にあるバスセンターに到着した。バスを降りて駅のほうへ歩いていこうとすると、ここは下車した乗客と出発するバスが同じ道路を通ってバスセンターの外に出るようになっていた。バスがクラクションを鳴らして歩行者を追い払いながら出発していくので、ちょっと危ない。

无錫駅前は大勢の市民や旅行者らしき人たちが歩いていた。下の写真が无錫駅で「无」は「無」の簡略体らしい。

ところで、駅前の広場で大きな荷物を持った人たちが大勢たむろしていて、昼寝している人も多かった。列車の切符を持っているなら駅構内(エアコンつきで切符を持ってる人しか入れない)で休めばいいし、バスは各地へ頻繁に出ているのでそれほど待つ必要もない。いったいこの人たちは暑い屋外で何を待っているのか、ちょっと不思議に思った。

バスセンターの2階にフードコートがあったので昼食をとり、まずは太湖に面した「蠡園」という庭園に向かうことにした。町の中心と太湖は10キロほど離れている。

路線バスもあるようだが、路線番号がわからなかったので往路はタクシーを利用することにした。駅前からタクシーに乗り、蠡園へ向かう。このタクシーの運転手は女性だったが、車内に掲示してある運転者証には男性の写真が貼ってある。奥さんが代わりに運転しているのかもしれないが、こんな風に融通が利くところが中国らしい。

やがて蠡園に到着した。なお、タクシー料金は29元(約460円)だった。

「蠡」という漢字は初めて見たので最初は蠡園の読み方がわからなかったが、正面に “Li Yuan” と書かれていたので「リーユアン」という発音らしい。日本語のフォントにちゃんと「蠡」があったのが驚きだったが、この字は日本語では「ラ」「レイ」「ひさご」と読むということだった。このときに蠡園を訪れなかったら、おそらく一生見ることのない漢字だったと思う。

「ひさご」とはひょうたんのことで、中国には「蠡を以って海を測る」(狭い見識で遠大な問題を推測すること)ということわざがあるらしい。

では入場料の40元を払って中に入る。まず、蠡園写真コンテスト(たぶん)の入賞作品が展示されている東屋を見て、先へ進むと池が見えてくる。おそらくは写真撮影用らしい魚のオブジェが面白い。

中国の庭園といえば、やはりハスだろう。池の一部はハスの葉で埋め尽くされていて、ハスの花も見られた。

この池の先に太湖が広がっている。

下の写真が太湖。正確に言うと、ここから見えるのは太湖につながる細長い湾の部分で「五里湖」という別名が付いている。かつてはきれいな湖だったそうだが、湖岸に工場が立ち並んだたためすっかり汚染が進んだらしい。実際、湖面には泡が浮かび、湖水は緑色の染料を溶かしたような色をしていた。

この湖は上海、蘇州、无錫などの重要な水源だそうだが、汚染で飲料水に適さなくなり各地で水不足が発生しているらしい。また、最近ではカニの養殖も禁止されたというニュースもある。渇水時には汚染が凝縮されるため、まるで緑色のペンキを流したように蛍光色に光る光景が見られるということだった。(インターネットで「太湖、汚染」で検索すると、この光景を見ることができます)

太湖に沿って歩いていくと、様々な東屋風の建物が点在しているエリアに出る。このあたりは細い道が入り組んでいて、ちょっとした迷路のようになっている。岩にトンネルが掘ってあったり、歩いていると面白い。

庭園内には3階建ての大きな寺院もある。1階には大きな仏像が安置されていて、賽銭箱があったので1角(約1.6円)硬貨を入れてきた。3階からは庭園内を眺めることができる。

寺院の横の水路は太湖とつながっていて、モーターボートなどが泊めてあったりする。しかし藻が大量発生しているのか、水は見事にエメラルドグリーンだ。

庭園の端まで行くと、太湖のほとりに石塔が建っているのが見える。向こうに見える大きな建物はレストランらしい。

このような感じで、結局2時間以上庭園内を散策した。当初はもっと早く出るつもりだったが、この蠡園は予想よりかなり広く、わりと急いで回ってもそのくらいかかってしまった。しかし、太湖の水はきれいとはいえなかったものの、なかなか雰囲気のいい庭園だった。いつかまた来てみたいものだ。

蠡園を出て、別の場所を訪れるか、もう无錫駅前へ戻るか考えた。このバス停を通る路線は3つあり、そのうち2路線が「火牟站」と書かれているので駅前へ行くものと推測できる。中国語はそれほど詳しくはないが、それでも「火牟」が鉄道、「站」が駅という意味ということくらいは知っている。(正確には「牟」という字ではなく「車」の簡略体なのだが、形が似ているのでここでは牟で代用する)

歩いていける距離に「世界奇現(欧洲城)」というものがあるらしいが、なんだか雨雲が近づいてきているようなので、ちょっと危なそうな気もする。蠡園の前のバス停でどうしようかと考えていたとき、ぽつぽつと雨が降り始めた。諦めて駅前に戻ることにしたら、たちまちのうちに滝のような大雨になり、雷も鳴りだした。

屋根つきのバス停は、バスを待つ人たちに避難してきたバイク運転手も加わって満員になった。駅行きのバスはわりと頻繁にやってくるが、どれも満員な上に雨がひどいのでバス停から出る気がしない。30分ほどたってちょっと小降りになったとき、やってきたバスに乗る気になった。バス料金は一律2元で、乗る際に支払うシステムになっており、このことはドアの横に料金が表示されていたのですぐにわかった。しかし2元(約32円)とは安い。

バスは満員で、通路に立っていると次のバス停でびしょぬれになった高校生くらいの女性が5人ほど乗ってきた。さすがに地元の人もこれほどの天候の急変は予測できなかったらしく、天気に対して文句を言い合っているようだった。それにしても、中国の人たちは普通に話していてもまるで喧嘩しているかのように大声になるところが面白い。

40分ほどかかって无錫駅前に到着した。しばらく周囲を散策して土産物を買った後、張家港へ戻ることにした。今回は蠡園しか訪れなかったが、太湖の周囲には多くの観光スポットがあるようなので、また機会があれば再訪したいと思う。


バスセンターの2階のフードコートで早めの夕食を取り、午後5時40分のバスで張家港へ。すっかり暗くなった午後7時に、張家港のバスセンターに到着した。

下の写真は張家港中心部にある歩行街(歩行者天国)の夜景。

上海から南京にかけての一帯は、中国でもっとも発展している地域なので店には物があふれている。この12年前の1995年に上海と蘇州を訪れたことがあるが、当時とは相当に変わってしまったという気がする。もっとも、中国では発展している地域としていない地域では同じ国とは思えないほど差があるという話も聞くが。

この後、少し周囲を歩き、タクシーで滞在先へ帰った。


<中国で見かけた光景>

運行中に給油する路線バス。客が乗っているが、これは中国ではよくあることなのだろうか。

雑誌スタンドで見かけたウルトラマンとトムとジェリーの雑誌。ウルトラマンは「奥特曼」、トムとジェリーは「猫和老鼠」になるらしい。しかし、ちゃんと許可は取ってあるのだろうか。


<中国で見つけたもの>

ミニまんじゅラ。日本語の間違い方としては定番だが「まんじゅラ」の響きが面白い。

可口可楽(コカコーラ)、百事可楽(ペプシコーラ)に次いで中国で3番目のシェアを持つという国内メーカー「非常可楽(フューチャコーラ)」が製造している「珈琲可楽」。味は確かにコーヒー味のコーラで、飲んでみたところまずくはないがちょっと後味が悪いという感じだった。しかし変わった土産物としてはいいかもしれない。値段は2.9元(約45円)だった。


<中国で見つけた店>

張家港の街中にあった。写真ではよく見えないが「成人保健品」の下のネオンは “SEX SHOP” になっている。中には入っていないが、アダルトグッズやコンドームを売っているようだった。中国にもこういう店があるのかと、ちょっと感動した。

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