ワットパイロンウアの地獄風景は、池の向こうのエリアに作られている。あの赤鬼が立っているあたり。

では、池の間の通路を歩いて地獄エリアへ。

獄卒が立っている横を通り抜けると、いよいよ地獄風景のスタート。

それにしても、赤鬼も獄卒もかなりの大きさ。見上げると迫力がある。

見えてくるのは、たくさんの亡者たち。

まずは亡者たちを見ながら歩いてみた。ワットムアンとは違って、いろんな亡者たちが等間隔で並んでいる感じ。


いやー、この血みどろの造形、なかなかいいですねえ。


地獄の定番、釜茹で風景ももちろん作られている。


大型サイズの釜の他に、おひとり様用の釜もあった。現代の地獄にふさわしい。

写真を見てわかると思うが、亡者には肌が白いタイプと濃い青緑色のタイプがいる。どういう違いなのかわからないが、どちらにしても痛そう。


横一列に並ぶ亡者たち。


股間もしっかりと作られている。先端だけ血まみれなのが痛々しい。

あちこちから血を流しながら、いろんなポーズで並ぶ亡者たち。




これは無頭人の一種なんだろうか。無頭人といえば頭がなくて胴体の部分に顔があるのが一般的だと思うが、顔から足が生えているのは珍しい。

なんとなく「石原裕次郎に似てない?」と思ってしまった。
そして、タイの地獄といえば巨大ピー。ここにも2体のピーがいた。

快晴の空をバックに、ピーを見上げてみた。

それぞれ男性版と女性版なので、股間もそういう風に作られている。アップで撮ってみた。


ワットムアンのピーは腰に布を巻いていたが、ここのピーは丸見え。


こちらもタイの地獄の定番と言えるトゲトゲの木。これは生前に浮気した人が登らされる責め苦。

トゲトゲの木を紹介する際、以前は「ということは、あの〇〇さんも死後はここへ…」と芸能人の浮気をネタにしていたが、今はすぐに過去のネタになってしまうのでやめておく。


上の方は、木にしがみつく亡者たちで渋滞していた。しかし頂上まで上ると地獄の鳥に目を抉られるなどの責め苦を受ける。


こちらは頭が動物になってしまった亡者たち。たしか、動物を虐待した人がこんな姿になると聞いたことがあるが、象人間までいたのはびっくり。


獄卒による責め苦もバラエティに富んでいる。


杭に突き刺さったり鳥に食われたり。


動物に食われる亡者も。


もしかして、タイタニックを意識してる?

こちらは大型の釜茹でを中心にした責め苦エリア。

釜茹での周囲の亡者たち。


ここではかなり大型の釜が使われていた。先ほど見たおひとり様用より効率がよさそう。

では、階段を上がって釜の中を見てみよう。

釜の中は亡者が立ち上がれるほどの広さ。もちろん、中には逃げ出そうとしている姿も。


亡者の一人は、赤鬼の背中のほうを見ていた。

この地獄風景の中で、顔が最もぐちゃぐちゃに壊れていたのがこちら。激しい責め苦だったんでしょうね。

これで地獄エリアを一通り見たことになる。ワットパイロンウアという寺院自体は相当に広いが、地獄エリアはコンパクトにまとまっている感じ。
動くアトラクションはなく、ワットムアンほど多種多様なオブジェがあるわけではないが、それでも楽しかった。メジャーな地獄寺なのに初訪問だったワットパイロンウアを制覇でき、満足。
このワットパイロンウアの地獄風景だが、旅行後にX(旧Twitter)の投稿で「日本の某国会議員をモデルにした像がある」という話を見かけた。
調べたところ、こういう像だったらしい(諸事情によりモザイク処理をしておく)。

この像は2019年ごろに製作されたものだそうで、ネット上では写真を見ることができる。しかしながら、今回の2024年3月の旅行では見た記憶がない。
こういうインパクトがある像を見逃すとは思えないし、滞在中に撮ってきた写真を見返してみても、どこにも写っていない。なので、おそらく現在は撤去されているものと思われる。
モデルになった国会議員とは、この方。これは本人が大人の対応をされているので、明かしてもいいと思う。

どういう事情で撤去されたのかはわからないが、できれば見てみたかった。
地獄エリアを出て、歩いているとセブンイレブンがあった。といっても店舗ではなく、自動販売機が置かれているだけ。

それでも、ここで飲み物が買えるのはありがたい。缶コーヒー(19バーツ)を買って休憩。
その後、遠くに宮殿みたいな建物があったので、そちらへ行ってみた。

説明書きによると、ここは「Nicrotharama Temple」という寺院だそう。タイとインドの建築様式が使われていて、百の尖塔を持つ寺院と書かれていた。

中に入ってみたかったが、このときは閉まっていて入れなかった。内部の風景については、YouTube に以下の動画があったので紹介。
建物の周辺には、こういうオブジェが点在。

この人はヨガをやっているんだろうか。

宮殿みたいな寺院を離れて、さらに歩いていると「はい皆さん、こちらですよー」と呼び掛けている人がいた。

指し示している方向に歩いていくと、こんな建物が並んでいた。

どれも祠という感じで、こういう像が並んでいた。ここに祀られている人の親族だろうか。

池の周辺に戻ると、風光明媚な感じでなかなかきれい。


この訪問は3月初旬だったので、おそらくこれは旧正月のために作られた撮影ポイントだと思う(違っていたらすみません)。

それにしても、地獄風景がかなり濃いスポットだったので、あの大仏に参拝していたのがずいぶん前のような気がする。

まだ時間があるので、露店エリアに戻ってみた。カットされたパイナップル(30バーツ)を買って、少し休憩。

これで寺院の入口へ戻ることにして、地獄エリアを再度通過し、最後にこちらの白亜のストゥーパへ。

中には入れなかったが、ナーガや彫像も稠密だし、白く光っている姿がきれい。


ストゥーパから眺めた大仏の後ろ姿。次回、ここへ来るのはいつになるだろう。

これでワットパイロンウアを後にして、正面の門まで戻ってきた。

これで、今回のタイ旅行で3ヶ所目となる地獄寺訪問が終了。寺院内にいた時間は2時間半ほどで、なかなか楽しかった。ここにはまた来てみたい。
では、大通りに面したバス乗り場で帰りのバスを待つことにする。

時刻は午後4時15分。事前に調べていた情報では、この路線は午後6時ごろまで1時間おきの運行ということだった。それで、この時刻なら大丈夫だろうと考えていたのだが…
しかしながら、バスが一向に来ない。最大で1時間くらいは待つことになると思っていたものの、どれだけ待ってもバスの姿が見えず、次第に日が傾いてきた。「もしかして、もうバスはないのか?」という不安が大きくなってくる。

さすがに1時間以上待ち続けた午後5時半になると、バスが来ない可能性が高くなった。そこで、寺院の門の前にあったジューススタンドの店員にバスのことを聞いてみることに。
店員は若い女性で、英語はまったく通じなかったがバスのことを聞いているのは伝わったようだった。スマートフォンで少し調べてくれたようだが、どうやら今日のバスはもうないらしい。バスは午後6時ごろまでの運行と調べていたものの、まさかこんな事態になるとは思わなかった。
代わりの交通手段はタクシーとバイクタクシーくらいだが、ここはかなり郊外なので流しのタクシーが通る可能性はほぼゼロというローカルエリア。さらに、バイクタクシーもまったく見ない。
実はバス乗り場で待ち始めてすぐに空のタクシーが1台通過していったのだが、このときはバスが来ないとは思わなかったので見送っていた。それ以降、タクシーはまったく見ていない。
店員さんにタクシーのことも聞いてみたが、ここにタクシーを呼ぶ手段はないらしい。このワットパイロンウアが紹介されているサイトで「最終バスを乗り過ごしたら地獄になる場所」と書かれているのを読んでいたが、それは本当だった。まさか、本当にこんな状況になるとは。
調べてくれた御礼にジューススタンドでアイスラテ(19バーツ)を買い、飲みながら方針を考えたが、結局は偶然にもタクシーが通りかかる淡い期待に賭けるくらいしかなさそう。
ジューススタンドも店じまいし、次第に人通りが少なくなっていく中、ネット環境はあるので「Grab のアプリをインストールしてみようか」などと考えていたところで奇跡が起きた。
バイクに乗った年配の男性が「どこかへ行きたいのか?」みたいな感じで声を掛けてきた。どうやら、私がジューススタンドの店員と話しているのを見ていて「この人はバンコクに戻りたがっているのでは?」と思ったらしい。
話してみると、バンコクまでは無理だが途中まではバイクに乗せていってもよく、料金は200バーツだという。本人は「自分はバイクタクシーのドライバーで、今は仕事中ではなくプライベートな時間」と言っていたが、本当かどうかはわからない。
もちろん200バーツは高いのかもしれないが、ここは値切らず言い値で乗るべき場面。すぐに了承し、バイクの後部座席に座った。何とかワットパイロンウアを出発でき、ほっと一安心。

移動中の動画がこちら。
約20分でバンコクへの大通りとの分岐点にあるラートブアルアン市場というところまで移動し、ここで「大通りの向かい側からバンコク行きのロットゥが出ているから」と教えてくれた。200バーツを払い、御礼を言うとバイクはすぐに出発していったが、このときの男性には心から感謝している。本当に、地獄で仏とはこういうことかと思った。地獄寺だけに。
地獄寺が楽しくて長居しすぎてしまい、久しぶりに外国で不安な思いをすることになったが、今回の教訓は「ローカルなバス路線の運行時間を信用しすぎてはいけない」ということ。旅行後に調べてみると「夕方の便は運行されない日もある」という情報もあった。これからワットパイロンウアを訪れる予定の人は注意してほしい。
なお、ワットパイロンウアからラートブアルアン市場までは直線距離で約14キロなので、歩くのは厳しい。繰り返すが、ワットパイロンウアを訪問する際はバスが運行されているか気を付けて。
歩道橋を渡り、大通りの向かい側へ。

せっかくなのでラートブアルアン市場を少し歩いてみたが、有名な観光スポットというわけではないので歩いているのは地元の人だけ。

もう少し歩きたいところだが、ロットゥ(ミニバンを使った乗り合いバス)がいつ来るかわからないし、ともかくもバンコクに戻らないといけない。大通り沿いに立ち、通り過ぎる車を見ていると10分ほどでロットゥがやってきた。座席に座り、気持ちはバンコクへ戻れることが確定した嬉しさでいっぱい。
往路ののろのろバスとは違い、ロットゥは快調に飛ばしてバンコク方面へ。終点は南バスターミナルではなくセントラル・ウエストゲートという大型ショッピングモールの前だった。35分ほどで到着し、料金は80バーツ。

改めて、よくバンコクまで戻ってこれたと思う。偶然の出会いに感謝。
では、いったんウエストゲートの中へ。

サイアムパラゴンほどではないが、ここも規模の大きなショッピングモール。

ここのフードコートで夕食にすることも考えたが、やはりこの日もサイアムパラゴンへ行くことにした。
最寄りのタラートバーンヤイ駅からMRTに乗り、タオプーン駅で乗り換えてチャトゥチャックパーク駅へ移動。ここでBTSに乗り換え、サイアム駅へ。
おなじみのサイアムパラゴンに入り、フードコートで夕食。選んだのはビーフバジルライス(135バーツ)とトムヤムヌードル(100バーツ)。味はもちろんうまい。

ただ、一緒にジュースも飲みたかったのだが、ジューススタンドはどこも閉店していた。
夕食後、サイアム駅からBTSでプンナウィティ駅へ。夜10時過ぎにホテルに戻った。アクシデントはあったものの、1日の予定を無事に終えることができて一安心。
午前1時に就寝。翌日はバンコク滞在最終日で、市内にあるワットサムプランという寺院へ行くことにしている。