アイルランド旅行記(4日目)

(1998.7.14) Inishmore Island ~ Galway

朝8時頃起床。8時だというのに B&B の中は静まり返っており、オーストラリア人の老夫婦が散歩に出かけるのが窓から見える。8時半頃食堂へ行ったら朝食は9時からと言われた。家人の起床時間は8時半であるらしい。のんびりとしたものである。

9時から朝食。2度目のアイリッシュブレックファーストだが、内容は前日と同じである。ここのミセスのコステロさんは、名前から考えてスペイン系と思われるが、あまり愛想のいいほうではないようだ。宿泊客はオーストラリア人の老夫婦のほか、フランス人らしき女性が1人。アイルランドでは一人旅の女性をよく見かける。

宿代を払って10時ごろ B&B を出る。荷物を背負って昨日借りた自転車に乗り、SPAR でパンと飲み物を買って、昨日通った道を西へ向かう。デューン・アランから先は初めて通る道だが、相変わらずアップダウンが多い。ときどき現れる廃墟になった建物や、ケルトの十字架が並んでいる墓地を見ながら集落を通り過ぎると、やがて視界が開けて遺跡らしい雰囲気の場所が遠望できる。おそらくあれがデューン・エンガスだろう。そこから先は、道路がアスファルト舗装ではなく砂利を敷き詰めた道になった。

FAR VIEW
デューン・エンガス遠望

しばらく行くと右側にきれいな砂浜が現れた。真夏の最高気温が20度以下というこの島でも、泳ぐ人はいるのだろう。今は泳いでいる人はいないようだが。

BEACH
途中で見たきれいな砂浜

やがて、小さな土産物店が数軒並んでいるところで道が二手に分かれていて、左へ行けばデューン・エンガスという表示があった。ミニバスや馬車が止まっていて、ここから先はわりと人が多い。ゆっくりと来たので、ここまでの所要時間は1時間ちょっと。

左に曲がって少し行くと、道路が柵でふさがれており、柵のところにお爺さんが1人座ってアコーディオンを弾いていた。ここからは歩いていくようにと書かれているので、柵の横に自転車を止め、柵の横の少し低くなった部分を乗り越えて先へ進んだ。みんなそうやっているが、スカートを履いた女性は大変そうだ。この柵は自転車や車を中に入れないためのものだと思うが、歩行者用の通路を作ってもよさそうなものだ。

そこからだらだらした上り坂を10分ほど登ると、最初の石垣があり、そこを通りぬけると2番目の石垣がある。その中が半円の中心部で、柵も何もないため崖の縁まで行くことができる。ゲール語と英語の表示板があり、崖の内側にいるようにと書いてある。

DUNE AONGHUS
ゲール語と英語の表示板

デューン・エンガスは大西洋に面した高さ100メートルほどの断崖に半円形の石積みがある遺跡で、要塞という説と儀式を行う場所という説があるそうだ。かつては円形だったのが波による浸食で半円形になったという話も聞いたが、本当かどうかはわからない。ただ、下を見下ろしてみるとかなり波が激しく、浸食のスピードは速いように思われる。

半円形の内部だけでなく、かなり広い範囲にわたって歩き回ることができるので、横のほうから石積みを写してみた。崖はほぼ垂直に切り立っている。大西洋に面した島の西側は、見える範囲はすべて断崖になっているようだ。

DUNE AONGHUS
デューン・エンガス

その後、半円形の内部で水平線を見ながらパンとジュースの昼食。この水平線の向こうにはアメリカまで陸地はない。イタリア人らしい女性3人組が、縁のすぐそばに座ってピクニックのように昼食を取っている。ざっと見渡したところ、今デューン・エンガスにいる観光客は40人くらいだろうか。広い範囲内をそれぞれ思い思いに歩き回っているものだから、よけいに閑散とした感じがする。まあ、観光客でごったがえすようなところよりはよっぽど好きだ。

それにしても、みんな高いところは平気のようで崖の縁から下をのぞきこんだりしている。もっとも、高所恐怖症ならこういうところには来ないだろう。

食べ終わってから、再び付近を歩き回った。良質の石灰岩地帯らしく、真っ白な石灰岩があちこちに落ちている。しばらくして奇妙な植物を見つけた。高さは30センチほどの草だが、まるでカリフラワーかブロッコリーのような形をしている。名前をご存知の人がいたら教えてほしい。

歩き回っているうちに、崖の縁に出っ張っている角があったので、そこで下を見下ろして写真を撮ってみた。

EDGE OF THE CLIFF
デューン・エンガスの縁にて

それにしても、柵がない上に風がかなり強いので、危険といえばかなり危険である。日本だったら危険な場所には近づけないようにするのだろうが、ここではすべて個人の責任ということなのだろう。

結局、デューン・エンガスには2時間ほどいたが、なかなか面白い場所だった。もう一度来てみたいと思う。

デューン・エンガスを後にして、柵のところまで戻るとお爺さんがまだアコーディオンを弾いていた。一日中こうしているのだろうか。

土産物店では絵葉書とティーポットを買った。道はこの先も続いていていろいろと遺跡もあるようだが、フェリーの時間もあるのでこれでキルロナン村に戻ることにした。

往きと同じく、1時間ほどかけてキルロナン村に戻り、土産物店でアランセーターと防水のジャンバーを買った。アランセーターは土産だが、ジャンバーは旅行中に使うつもりである。イニシュモア島では雨は降らなかったが、今後は雨にあうこともあるだろうし、ポロシャツだけでは少し寒い。フェリーの出港時刻の17時まではまだ時間があるので、絵葉書を書いて郵便局で投函したり、キルロナン村を歩き回ったりして時間をつぶした。

KILRONAN
キルロナン村

このとき、インフォメーション近くの電話ボックスで帰りの飛行機のリコンファームのために大韓航空に電話しようとしたが、うまくいかなかった。最初は H.I.S. で教えてもらった電話番号にそのままかけてみたが、番号が違うと言う電話会社のアナウンスが聞こえてきた。考えてみれば、電話先はおそらくロンドンなので国際電話をしなければならないのである。だが、これがつながらない。電話ボックス内に書かれているイギリスへの電話の仕方によると、イギリスの国番号(0044)の後に1を押し、それから相手の電話番号を押すようだが、何度やってみても “This is the Telecom Eireann, ~” というアナウンスが聞こえてくるだけである。結局、今日の電話は諦めた。

フェリーの出港時間が近づいたので、自転車を返して船着場に行ってみると、フェリーが2隻停泊していた。1隻は昨日と同じ小型のフェリーだが、もう1隻はやや大型である。どうやら、直接ゴールウェイに向かう1日1往復のフェリーのようだ。このくらいの大きさなら揺れは小さいだろう、と思いながら小型フェリーに乗りこむと、すでに船内はいっぱいで船尾付近に立つことになった。

17時に出港。昨日と同じく結構揺れる。船内の様子はわからないが、前のほうにいた人はやはり波をかぶっているようだ。それにしても豪快なフェリーである。避難してくる人も多いので船尾付近はかなり混雑してきた。Rossaveal には往きと同じく50分ほどかかって到着した。

Rossaveal からのバスは、往きと違って小型のバスである。バスはすでにいっぱいで乗れなかったが、しばらくしたら次のバスが来るということなのでそれを待つことにした。15分ほどしてからやってきた小型バスで Rossaveal を出発したのが午後6時過ぎ、ゴールウェイには6時半過ぎについた。

すでに、B&B に着かなければならない時間は過ぎている。B&B はおそらく郊外にあるので、食料品店で夕食を買い込んでから歩き始めた。

ところが、どうも B&B の場所を勘違いしていたらしい。一昨日泊まった B&B と同じ地域にあると思っていたが、予約表に書いてあるような通りは見つからない。6時半までに来なかった場合、予約を取り消すことがあるらしいが、すでに時刻は7時半になっている。何回か通行人に聞いてみたが、みんなその通りの名前を知らないようだ。結局、他に方法がないので B&B に電話することにした。

しかし、郊外にいるので公衆電話がなかなか見つからない。探し回っているうちにホテルがあったので、そこのロビーの電話を使うことができた。

外国での電話は初めてだからかなり緊張する。だが、電話に出たミセスに向かって自分の名前と “Sorry, I lost my way” と言ったら通じたようだ。今いるホテルの名前を言うと、苦笑しているようだった。かなり離れた地域にいるらしい。B&B までの道順を聞こうと思ったら、親切にも車で迎えに来てくれるということなので、礼を言って電話を切った。

ホテルの前の通りに立っていると、15分ほどしてミセスが白いワーゲン(だったと思う)で迎えに来てくれた。それにしても親切なミセスである。歩き疲れていたのでとても嬉しかった。

車の中では、アラン諸島のことや日本のことなどを話し合った。相変わらず相手の言っていることは半分ほどしか聞き取れないが、こちらが話すことは通じているようである。ところで、この車のことで気になったことがある。インパネの中の方向指示器がふたつではなくひとつの表示灯になっていて、どちらのウィンカーを出してもその表示灯が点滅するのである。割と古い車のようだが、古い車にはこういうタイプが多いのか、ハザードのときはどうなるのかなど不思議に思ったが、つい聞きそびれた。誰か知っている人がいたら教えてほしい。

B&B には10分ほどで着いたが、歩き回っていたところよりもゴールウェイ市街地に近いところだった。どうやら途中で曲がらないといけないところをまっすぐ行ってしまっていたようだ。静かな住宅街の中にあり、部屋数は5部屋ほどである。

町で買ってきた食料(たしかサンドイッチかなにかだったと思う)を食べた後は、ガイドブックを読んで今後の計画を立てることくらいしかやることはないが、1日中歩き回ったり自転車に乗ったりしているので、ベッドの上にいると急に眠くなってくる。結局、まだ明るいうちに寝てしまった。

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