タイ&ラオス旅行記(バンコク / 王宮、ワット・ポー)

朝10時50分に福岡空港を出発し、台北と香港を経由して夜9時半ごろバンコクのドンムアン空港に到着した。さすがに2ヶ所も経由すると時間がかかる。約5年ぶりのタイ再訪だが、空港周辺はあまり変わっていないような気がした。

空港からエアポートバスに乗り、バンコク市街へ。スクンビッド通りでバスを降り、この日はインターネットで予約しておいたアンバサダーホテルに宿泊した。予想以上に規模が大きく快適なホテルだった。


翌日の朝、地下鉄の駅に向かう途中に日本語環境が整ったインターネットカフェがあり、立ち寄ってみた。今回の旅行では「外国からでも問題なく馬券を買えるか」ということを確認したかったので、メールをチェックした後、IPAT(JRA のインターネット投票システム)に接続してみたところ、まったく問題なく投票することができた。それにしても便利な世の中になったものだ。

続いてスクンビット駅から地下鉄に乗り、ファランポーン駅(バンコク中央駅)へ。この日は、まず駅で夜行列車のチケットを購入し、その後は王宮周辺を観光することにしていた。5年前に来たときは開通していなかった地下鉄だが、駅構内も列車内もかなりきれいで(エアコンが効きすぎて少し寒かったものの)なかなか快適な感じだった。

駅ではノンカイ行き夜行列車の1等寝台のチケットを購入することができた(最初は2等寝台のチケットを購入しようとしたが、すでに満席だった)。料金は1,117バーツ(約3,300円)。それから駅構内にある荷物預かり所にバックパックを預け、観光へ。


ファランポーン駅から王宮周辺へは路線バスで行くのが一番近い。しかしながら、今回はスカイトレインとチャオプラヤーエクスプレスに乗りたかったので、再び地下鉄に乗りスクンビット駅へ戻る。(途中のシーロム駅もスカイトレインとの乗り換え駅だが、長い距離を乗りたかったのでスクンビット駅まで戻ることにした)

スクンビット駅で高架の新交通システム「スカイトレイン」に乗り換え。屋外なのでプラットホームが暑いのは仕方がない。やがてやってきた列車は、光線をかなりカットする窓ガラスが使われているのでほとんど車内が見えない。おかげで冷房効果は高いが、プラットホームが暑いので頻繁に乗り降りを繰り返していると具合が悪くなりそうな気がする。

サイアムスクエア駅でスクンビット線からシーロム線に乗り換えて終点のサパーンタクシン駅へ。駅のすぐ近くにチャオプラヤーエクスプレスの船着場がある。

チャオプラヤーエクスプレスとは、市内南方から北方までチャオプラヤー川を行く水上バスのこと。渋滞がない上に様々な寺院を水上から眺めることができるので、旅行者にとっても利用価値の高い交通機関になっている。若干定員オーバー気味の船に乗り、ワットアルンの尖塔を眺めながら北上して、やがて王宮裏の船着場に到着した。

王宮

バンコクで一番の観光名所といえるのが、この王宮。5年前のタイ旅行では訪れなかったので、今回初めて中に入る。あまり肌の露出が多い服装だと入れてもらえないそうだが、私はTシャツ姿だったものの問題なく入れた。1時間ほど王宮内を散策したが、観光客はかなり多い。

敷地内に入ると、さすがに王宮といわれるだけあってかなりきらびやかなもの。全体が金色をした大きな仏塔などもあって、ただでさえ暑いのに仏塔の周辺は照り返しで余計に暑く感じられる。この仏塔の近くに神鳥キンノーンの像(こちらも金色)があり、ここが記念撮影で一番にぎわっている場所だった。

建物の前には必ず門番らしき像が立っていて、この造形がかなり面白い。

王宮内では学校の行事として訪れたらしい中学生くらいの団体と遭遇した。それにしても見事なくらいきれいに2列に並んで歩いていて、ちょっと感心する光景だったので写真に撮ってみた。

本堂には本尊の「エメラルド仏」が安置されている。本堂内は写真撮影禁止だったので写真は撮っていないが、予想よりは小型だったもののかなり見事な出来映えだった。エメラルド仏といってもエメラルドでできているわけではなくヒスイ製。

このエメラルド仏はもともとラオスのビエンチャンにあったもので、18世紀にタイが略奪したもの。この仏像には「国を繁栄させる力がある」と信じられていて、ラオス政府は今でも返還を求めているそうだが、タイ政府は応じていない。両国の経済力の差を見ると、エメラルド仏には本当にそういう力があるのかもしれない。

ワット・ポー

王宮のとなりに、大きな涅槃像で有名なワット・ポーという寺院がある。門を入るとすぐ右側に涅槃像を納めた建物があり、靴を脱いで中へ。

中に入るといきなり足の裏が見える。ここをスタートとして、涅槃像をぐるりと一周できるようになっている。

長さ46m、高さ12mという巨大な涅槃像で、足の裏を除いてほぼ全身が金色に光っている。また、この建物は涅槃像より少し大きいだけなので、建物内が涅槃像で埋まっているような感じになっている。

下の写真が顔のアップ。ちょっとニヤッと笑っているように見えるところが面白い。

結局、涅槃像を2周してから外へ出た。

このワット・ポーはかなり広大な寺院で、涅槃像はその一画にあるに過ぎない。しかしながら、観光客のほとんどは涅槃像に集中しているので、本堂の辺りは不思議に思えるほどひっそりとしている。しばらく本堂の周りの回廊を散策した後、本堂に入ってみると金箔が貼られた本尊が見事なくらい金色に光っていた。それに本尊だけでなく壁や柱も金色に光っている。これはすごい光景だ。

この金色の中で地元の人たちが熱心に本尊を拝んでいたりして、ちょっと興味深いものだった。

ところで、ワット・ポーの境内でペットボトルの緑茶を買ったところ、これが砂糖入りだったので驚いた。よく見てみると緑茶のペットボトルは3種類あってひとつは日本で売っているものと同じノーマルなもの、後の2つは「砂糖入り」と「レモンと蜂蜜入り」だった。今回の旅行中は何度もこの緑茶を飲んだが、最初は不思議な味と思ったものの、しばらくすると特にレモンと蜂蜜入りに関してはかなりうまいと思うようになった。日本でも発売すれば売れるかもしれない。

旅行後に知ったところによると、東南アジアでは日本の緑茶がブームになっているという。ペットボトルには日本語の「おいしい緑茶」という文字(タイの人には読めないはず)の他、アルファベットで “OISHI” とも書かれていて、「おいしい」という言葉がちょっとした流行語になっているようだった(旅行中、レストランや土産物店で何度もこの言葉を聞いたので)。レモンと蜂蜜入りを何本か土産として持ち帰ったところ、不思議な土産品として意外と好評だった。


王宮前から路線バスでファランポーン駅へ戻り、駅構内のフードコートで食事をしてから、荷物を受け取ってホームへ。すでに列車は入線していて、私の乗る1等寝台車は最後尾だった。1等寝台は2人部屋で、さすがにタイ国鉄も連れでない男女が同室にならないように配慮するそうなので、同室になったのはヨーロッパから来たらしい男性旅行者。2人旅なら1等寝台は快適だと思うが、1人旅同士だとやはり気を使うもの。

いったん荷物を置き、列車の先頭まで歩いてみた。下の写真が先頭の機関車。

この列車は前方から3等座席、2等座席、2等寝台、1等寝台の4種類の車両を連結していて、前の方の3等座席車は満員。(この4日後、ドンムアン空港へ向かう際にこの列車の3等座席車に乗ることになる)

夜8時40分、特に発車ベルもなく静かに列車が動き出し、ラオスとの国境にあるノンカイへ向かった。