マダガスカル旅行記(バンコク編 / ワットプートウドム)

朝8時すぎにマダガスカルを出発し、途中フランス領のレユニオン島を経由して夜10時40分にバンコク・スワンナプーム空港に到着した。時差の関係で移動に丸一日かかったことになる。

空港で例の巨木ツアーの人たちと会ったので、少し話したところタイには入国せずこのまま乗り継いで帰国するということだった。私のほうはこれから入国するので、礼を言って別れた。

夜11時すぎ、スムーズに入国審査を終え、1年半ぶりにタイに入国した。


バンコクでの宿泊先については、到着が夜遅く、出発が早朝になるので、空港の近くの “QUEEN’S GARDEN AT RIVER VIEW” というホテルを選び旅行前にインターネットで予約していた。名前は立派だが、1泊3,200円の中級ホテル。

空港からエアポートタクシーに乗り、深夜0時過ぎにホテルに到着した。かなりきれいなホテルで、これで1泊3千円ほどならかなりお得だと思う。空港近くに宿泊する必要があるときにはお勧めといえる。


翌日、朝9時にホテルを出て、ホテルのシャトルサービスでスワンナプーム空港へ移動し、さらに空港のシャトルバスで交通センターに移動した。交通センターは空港から5分ほどのところにあるバスターミナルで、バンコク各地へ路線バスが出ている。

この日の目的地はバンコク郊外のパトゥムターニー県ラムルーカー市というところにある「ワットプートウドム」という寺院。私がときどき旅行の参考にさせてもらっている以下のサイトでこの寺院が取り上げられていて、ぜひ見たかったのでこの機会に行ってみることにした。

上記サイトの「海外編」→「泰国珍寺武者修業」→「ワットプートウドム」のページを見れば分かる通り、珍寺としては世界最強レベルの大変に濃い寺のようである。期待にあふれながらパトゥムターニー方面へ向かうことにする。

なお、旅行前に書店で「地球の歩き方」などタイのガイドブックをすべて見てみたのだが、このワットプートウドムはどのガイドブックにもまったく記載されていなかった。そのため、ここは日本人旅行者にはほとんど知られていないスポットと思われる。

パトゥムターニーはバンコクの北にあり、路線バスもあるようなのだが、事前にうまく調べられなかったことと、時間が1日しかないので迷ったりしている暇がないことから、とりあえず市街地の北にあるドンムアン空港へバスで行き、そこからはタクシーを使うことにした。

目的のバスはすぐに見つかり、50分ほどでドンムアン空港に到着した。料金は36バーツ。ここはかつてはバンコクの玄関口だった旧国際空港で、今は一部の国内線と軍用機が使用している。タイへ来たのは今回が4回目だが、最初の2回は発着がドンムアン空港だったので、なんだか懐かしい。当時とは違い、当然ながらターミナル内はかなり閑散とした感じになっていた。

ターミナル前からタクシーに乗ると「エアポートタクシー」ということになって料金が高くなるので、空港前の大通りに出て、ここでタクシーを拾うことにした。あらかじめ紙に「Pathum Thani, Lam Luk Ka, Wat Phut Udom」と書いておき、それを運転手に見せて目的地を理解してもらうつもりだったのだが、年配の運転手はアルファベットがよく読めないらしい。こちらが「パトゥムターニー」と言ってもうまく通じないので、運転手が歩道を歩いていた人を呼び止めて紙を見てもらい、その人にタイ語で説明してもらうとようやく分かったようだった。

なお、タイ語で説明しているところを聞いて私の「パトゥムターニー」という言葉が通じなかった理由が分かった。カタカナの「パトゥムターニー」とはかなり違う発音なので、そのまま「パトゥムターニー」と言ってもまず通じない。といって、カタカナではやはり「パトゥムターニー」としか書きようがないわけで、タイ語の発音は難しい。

タクシーはバンコクから北上し、ドンムアン空港から約50分でワットプートウドムに到着した。途中から周囲は次第に田園風景になっていくので、快適なドライブを楽しめた。なお、タクシー料金は250バーツほどだった。

このワットプートウドムについては、写真が多いのでページを3つに分けている。


では、ワットプートウドムに入ることにする。敷地内に入るとすぐ前に大きな本堂らしい建物があるが、こちらは中に入ることはできない。そして、この近くに小さなブースのようなものがあり、一人の坊さんが座ってマイクの前で読経をしていた。

この読経というのが何とも独特で、喋っているのか歌っているのか、かなり変わった抑揚が付けられている。これが寺院内に響き渡っているのだから、視覚だけでなく聴覚においても珍寺全開になっている。(なお、この読経は下のほうの動画で一部を聞くことができる)

先へ進んでいくと、小さな食堂が並んでいるエリアがあった。下の写真はそのエリアへの入口で、両脇にオブジェが並んでいる。

ここでジュースを飲みたい気もしたが、まずは先へ進むことにする。ここからがワットプートウドムの中心部で、実に素晴らしい光景にあふれていた。

奇妙な植物やら大蛇やら巨大なカニやら、周囲の光景を眺めながら歩き回っていると飽きない。カニは中に入ることもできる。なお、ここにはヘリコプターも置いてあったが、これは作り物ではなく本物の廃棄品だった。

やがて、ここのメインといえる地獄めぐりの建物が見えてくる。そして、この建物の周囲に下の写真のような亡者がいる。細長い体と異様に長い舌が特徴的。

亡者の前に料金箱が置いてあるのがわかると思う。ここに5バーツ硬貨を入れると亡者が動き出すのである。

早速5バーツ硬貨を投入し、動きを見てみることにする。甲高いうめき声が、この亡者が発しているもの。同時に聞こえている「パラパラ~」というのが寺院内に響いている読経。

この時点で「これはとんでもなく素晴らしい場所に来た」という感動に震え、もう楽しくて楽しくて仕方がなくなってきている。

地獄めぐりに入る前に、建物の周りを一回りしてみた。こちらもたくさんのオブジェが並んでいて、トラを乗り回す神様?や巨大コブラを操る蛇使いなどの派手なものばかりでなく、ずいぶんと地味な芋虫がさりげなくあったりするところに好感が持てる。

半分地面に埋まった亡者など、ホラー的な要素もしっかりと押さえてある。

では、続いて地獄めぐりに入ることにする。続きは別のページで。