
ツィンバザザ動植物公園の前からタクシーに乗り、次の目的地のレミューズパークへ向かう。レミューズパークはかなり郊外にあるため、タクシーには市街地との往復を頼むことにして、レミューズパークの前で待機してもらうことにした。料金は60,000アリアリ。
市街地から約30分で、レミューズパークに到着した。タクシーの運転手には待機してもらうことにしてレミューズパークに入る。

中に入るとチケットオフィスがあり、ここで12,000アリアリでチケットを購入した。なお、このレミューズパークは必ずガイド付きで園内を回ることになっていて、自由に散策することはできない。ちょっと不自由な気もするが、貴重な野生動物が放し飼いになっているのだからこれは仕方がないのだろう。
チケットオフィスがある建物には小さなレストランもあったので、ここでチキンカレーの昼食にした。食後にマダガスカル産のチョコレートがたっぷりと添えられたクレープを頼んで、値段は20,000アリアリ。
食後、英語ガイドと一緒に園内を回ることにした。周囲にはのどかな風景が広がっている。

レミューズパーク “Lemurs’ Park” とは、名前の通りレムール(キツネザル)を見ることのできる公園のこと。歩いていると、早速木の上にブラウンレムール(チャイロキツネザル)がいた。


さらに歩くと、近くにブラウンレムールがいたのでアップで写真を撮ることができた。


こっちを見るブラウンレムール。顔つきはなかなかかわいい。

ワオキツネザル(左)とシファカ(右)。シファカは、横っ飛びで移動する習性で有名なキツネザルで、この公園内でもあちこちで見ることができた。


横っ飛びを見ることはできるものの、いつも突然始まるので、なかなか写真を撮ることができない。そんな中、動画を撮っているときにワオキツネザルとシファカが遠くからやってきた。このときの動画を下に載せておく。横っ飛びで移動しているのがわかるだろうか。
わりといい動画を撮ることができたので満足。
下の写真は竹林の上のほうにいたシロクロエリマキキツネザル。耳から下首にかけての白い毛がエリマキのように見えるので、こういう名前になっている。


地上で座っていたシファカ。先ほど横っ飛びで移動していたキツネザルで、かなり近くまで近づくことができた。今回、マダガスカルへ来た目的のひとつがシファカを見ることなので、これだけ近くで見られたのは感動的だった。


このレミューズパークでは動物だけでなく各種の植物も見ることができる。マダガスカル航空のマークにもなっている「旅人の木」も見ることができたが、うまく写真を撮れなかったので、代わりにパイナップルを載せておく。

ガイドの説明を聞きながら1時間ほどかけて園内をゆっくりと回ってみた。各種のキツネザル、有名なシファカの横っ飛びを見ることができて、かなり楽しかった。自然保護区にしばらく滞在する余裕のない人は、マダガスカルではぜひともここを訪れてほしい。キツネザルはほとんど放し飼いなので、ツィンバザザ動植物公園より楽しめる。
礼を言ってガイドと別れ、チケットオフィス内のレストランで紅茶を飲んで休憩した後、待機してもらっていたタクシーに乗ってアンタナナリボ市街へ戻った。
タクシーを降りたのは独立大通りにある「ショップライト」という大型スーパーマーケットの前。ここで、マダガスカルの土産物を買い込むことにしていた。旅行先の土産物は、観光客向けの土産物店よりこういうスーパーマーケットの方が安いし、また面白いものが見つかることが多い。ここでは、マダガスカル産のカカオを使用した板チョコレートと各種の菓子類、ラム酒などを購入した。
ショップライトを出て、しばらく独立大通りを散策してみた。すでに薄暗くなってきていたので、ここではあまり鮮明な写真は撮れなかった。

独立大通りはアンタナナリボ市街の中心になる大通りで、交通量も多く喧騒に満ちているが、芝生に覆われた広い中央分離帯があって散策にも最適といえる。独立大通り付近は薄暗くなってから歩いても特に安全上の問題は感じられなかった。
下の写真は独立大通りの端にあるアンタナナリボ駅。この駅の前から独立大通りが始まっている。


なお、この旅行当時(2008年)は旅客が乗ることのできる鉄道はマダガスカル東部に1路線(フィアナランツア~マナカラ間のマナカラ鉄道)が残っているだけで、後は貨物専用になっている。このアンタナナリボ駅も、建物は立派だが列車は運行していない。
周囲を眺めながら独立大通りを歩き、前日に散策したアナラケリー・マーケットへ。この日は、ここに並んでいる安食堂で夕食にした。何か米を使った料理を食べたかったのだが、ないということだったので(英語がまったく通じないと、米がないということが理解できるまで時間がかかる)、細い麺が入ったスープとオムレツのような卵料理を注文した。値段は2,400アリアリ。

食後、近くにあった露店でアイスクリーム(2,000アリアリ)を買い、食べながらホテルへ戻った。周囲は完全に暗くなっていたが、アナラケリー・マーケットから高台へ続く階段と、そこからホテルへの道は地元の人たちが多く歩いていて特に危険そうな感じはしなかった。
ホテルでは、前日とは別の部屋に泊まることになっていたので案内してもらった。


これが2日目に泊まった部屋。今回はロフト付きで、梯子の上は3人が寝られるようになっていたので、つまり本来は5人部屋。ここが38ユーロなのだから、前日に続いて相当にお得といっていいだろう。
もっとも、前日の部屋とは違ってこの部屋にはテレビはない。翌日は早朝に出発することになるので、シャワーを浴びて早めに就寝した。
翌日、朝の便で出国するため4時半に起床。ホテルをチェックアウトして5時過ぎにタクシーで空港に向かった。今回アンタナナリボで泊まった “SAKAMANGA HOTEL” は、値段的には中級ホテルだが、設備と雰囲気は大変よかったのでこれからマダガスカルを旅行する人にはお勧めといえる。
30分ほどで空港に到着し、すでに長蛇の列ができていたマダガスカル航空のカウンターで搭乗手続きを行った。それから、モロンベで大変にお世話になった巨木ツアーのガイドさんを空港内で探したのだが、残念ながら見つからなかった。最後にお礼の挨拶ができなかったのが心残り。
出国審査場へ向かうと、バンコク便の他にパリ便も出発するらしく、かなりの行列ができていた。そして、これはマダガスカルに入国したときもそうだったのだが、開いているカウンターは半分ほどで、しかも役人さんたちは仕事が遅い。結局、出国手続きを終えてトランジットエリアに入ったのは出発予定時刻の数分前だった。まだ列の後方には搭乗予定の人たちが並んでいたので、まさか置いていかれることはないのだが、しかしかなり焦りを感じてしまった。
免税店を見る時間もなく(もっとも、それほどたいした店もなさそうだったが)、急いで飛行機に乗り込んだ。結局、すべての乗客がそろうのに時間がかかり、7時半の出発予定が45分遅れることになった。バンコク便とパリ便が重なったらこういう事態になるのは十分予測できるはずなのだが、しかし何の対策も考えていないようだ。
8時15分、アンタナナリボからバンコクへ向けて出発した。今回は実質5日半という短い滞在だったが、しかし入国したのがなんだかずいぶん前だったように感じるほど、かなり濃い旅行だったと思う。いつかまた、マダガスカルを旅行したいものだ。