インドネシア旅行記(ジョグジャカルタ)

朝10時半に福岡空港を出発し、経由地のソウル・仁川国際空港へ。1998年のアイルランド旅行以来、約11年ぶりにソウルへ来たが、当時は金浦空港だったので、この空港は初めてになる。もっとも、当時もトランジットのみだったため、まだ韓国本土に入国したことはない(済州島のみ)。

その済州島旅行のときの余りのウォンで昼食にした。やはり韓国料理はうまい。午後4時前にソウルを出発。


夜8時過ぎ、ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港に到着した。日本人はインドネシア入国にビザが必要で、10ドルでアライバルビザをもらい、到着から30分ほどで入国した。私はまだバリ島にも行ったことがないので、インドネシアに入国するのは今回が初めてになる。

初日のホテルは予約してあるので、空港内の銀行でインドネシアルピアを入手した後、タクシーでホテルへ向かうことにした。なお、レートは100ルピアが約1円で、計算が楽なのは助かる。

夜9時半、予約していた「バタビア・ホテル」に到着した。ここはオランダ統治時代の建造物を改築した建物だそうで、かなり重厚な感じのホテルだった。これで1泊4,400円とは、かなりお得だと思う。

下の写真がホテルの外観(これは翌日の朝に撮ったもの)と部屋の様子。

写真から分かる通り部屋はかなり快適で、今回は1泊だけなのがもったいない感じだった。ジャカルタに滞在する際はお勧めのホテルといえる。


翌日、朝8時にホテルをチェックアウトし、タクシーで空港へ。ガルーダ航空国内線のチェックインを行い、今回の旅行の主目的地、ジョグジャカルタへ向かう。

10時半に離陸し、約1時間のフライトでジョグジャカルタに到着した。飛行機を降りると、高地なのでジャカルタより多少涼しい気がする。

これからジョグジャカルタ市街へ向かうわけだが、ここでは「王宮(クラトン)」と「離宮(タマン・サリ)」の2ヶ所はぜひとも見たいと思っていた。時刻は11時半過ぎで、王宮が開いているのは午後1時半までになっている。路線バスもあるものの、もしかしたら渋滞等で間に合わなくなるかもしれないので、ここは王宮までタクシーで直行することにした。ちょっと贅沢な気もするが仕方がない。

ターミナルを出て、声をかけてきたタクシー運転手と一緒に乗り場へ向かう。地下通路に入り、すぐ横を通っている鉄道線路の下をくぐって地上に出ると、駅の正面入口がある。ここで待っていると、やがてタクシーがやってきた。

ちなみに、この駅前にはバス停もある。空港から市街へ向かうバスはターミナル前ではなく地下通路を渡った駅前から出発するので、これから飛行機でジョグジャカルタへ行く機会がある人は注意してほしい。


市街はやや渋滞していたが、30分ほどで王宮前に到着した。王宮前はかなり広い広場になっていて、たくさんの露店が出ている。

王宮は北側と南側に分かれていて、それぞれに入口がある。到着したのは王宮北側で、広場を横切って歩いて行くとチケット売り場があった。ここで入場料5,000ルピア+カメラチケット1,000ルピアを払い、中に入る。

王宮内は意外にも外国人観光客はほとんどおらず、地元の人たちで混雑していた。少し歩くと、建物の中に昔の風俗がマネキン人形を使って再現されていて、ガラス越しに見ることができるようになっている。

当時の上流階級の生活ぶりが想像でき、なかなか興味深い。しかしながら、ここではどうしても人形の顔に目がいってしまう。

顔色が悪すぎ

この青白い顔は何だ。美白への憧れがあるのかもしれないが、いくらなんでもこれは極端すぎるだろう。最初からこういう顔色で作成したのか、展示しているうちに青白くなってしまったのかはわからないが、おかげでここだけはB級スポット臭が全開になっている。

先へ進むと、各種の展示物や小さな博物館が並んでいた。ここでは地元の人たちが記念撮影を楽しんでいて、私も便乗して写真を撮ることができた。

博物館を一通り見た後、北側の王宮を出て、歩いて南側へ向かう。数分で到着し、入ろうとするとチケット売り場が閉まっている。近くの人に聞いてみると、この日はインドネシアの休日ということで南側の王宮は開いていないということだった。南側のほうが展示物は充実しているらしいので、入れないのが残念。仕方がないので、露店で缶ジュースを買ってしばらく休憩。

続いて、近くにある離宮へ向かう。ここでは、たくさん待機していたベチャ(三輪自転車)に乗ってみた。料金は交渉次第で、やはり旅行者には吹っかけてきたが、何とか5,000ルピアで妥協した。これでも多少は高いと思うが、ある程度は仕方がない。

10分ほどで離宮に到着し、乗ってきたベチャの写真を撮ってみた。インドやバングラデシュのリキシャとは異なり、後ろから押すように自転車をこぐことになる。そのため、客席に座っていると前の景色を遮られることなく楽しむことができる。

では、入場料7,000ルピア+カメラチケット1,000ルピアを払い、離宮の中に入る。ここは名前の通りの王様の別邸で、多くの女性たちを住まわせていたという。つまり、言ってみればハーレムまたは大奥のような場所。

それにしても、入口の門の造形が面白い。私はまだ見たことはないが、シュヴァルの理想宮にも通じるものがあるのではないだろうか。

門を抜けるとプールがある。今は水はほとんどないが、それでもかなりきれいな景色といえる。それに、水の注ぎ口の形状も凝っている。

プールの周りにはいくつかの建物がある。中に入り、窓越しにプールを眺めてみた。おそらく、かつての王様はここで女性たちを眺め、泳いでいる女性の中からその日の夜の相手を選んでいたのだろう。まったく、王様というのはいつの時代も贅沢なことをやるものだ。(インドネシアは共和制だが、例外的にジョクジャカルタ特別州では現在でも地域王室制度が認められている)

ここでは、王様の目線で写真を撮ってみた。

プールの先には、これも奇妙な感じのする門がある。門の両側の造形は下の写真のような感じ。

門の先はちょっとした広場になっていて、土産物店などが並んでいる。離宮の敷地はここまでで、それほど広いものではない。

敷地の一番奥にある門と、その上からの眺め。門の向こう側は家が密集していて、細い路地が入り組んでいる。

しばらく路地を歩いた後、入口に戻った。この離宮は、王宮よりもさらに王様の贅沢ぶりを想像することができて、かなり面白い場所だった。ジョグジャカルタに滞在する際は、ボロブドゥールだけでなく離宮も見てみてほしい。


離宮の前から再びベチャに乗り、市街中心部のマリオボロ通りへ向かう。旅行前にジョグジャカルタの安宿はソスロウィジャヤン地区に集まっていることは調べていたので、今回はここで泊まるところを探すことにしていた。

マリオボロ通りとソスロウィジャヤン通りの交差点近くにマリオボロ・モールという大型デパートがあり、ここでベチャを降りてソスロウィジャヤン通りに入る。マリオボロ通りとは一転して静かな裏通りという感じになるが、歩いていてもそれほどホテルが並んでいるわけでもない。どうやら、安宿は通りに面した場所ではなく奥まったところにありそうな感じがする。

そこで細い路地へ入ってみたところ、やはりいくつかホテルが並んでいた。その中で、わりときれいそうだった “MERAPI” というホテルに入り、空きがあるということなのでここに泊まることにした。料金は1泊23万ルピア。

泊まるところも無事に決まったので、しばらく部屋で休憩した後、散策に出かけることにした。市街中心のマリオボロ通りは、たくさんの露店や停めてあるバイクなどでまっすぐ歩けないほど大混雑している。人ごみの中を歩いていると熱気に圧倒されるので、大型デパートのマリオボロ・モールに入ってみた。なお、とりあえずスリには注意しておく必要はあるが、これだけ人が多いと安全上の問題は感じられなくなる。

デパート内は本当にきれいなもので、地元の人たちも着飾って歩いている。最上階にフードコートがあったので、ジュースを飲みながらしばらく館内の様子を見物してみた。本当に、東南アジア諸国はどこも発展が著しいものだ。

この後、マリオボロ通り周辺を散策してみた。下の写真は鉄道の起点になるトゥグ駅周辺の風景。今回の旅行では鉄道に乗る機会はなかったが、いつかジャカルタ~ジョグジャカルタ間の列車に乗ってみたい。

やがて薄暗くなってきたが、すごい人並み、大量のバイク、さらには観光客向けの馬車などで相変わらず大混雑している。後でわかったのだが、今回の旅行期間とインドネシアの連休期間がちょうど重なっていたようで、旅行中はどこへ行ってもものすごい混雑ぶりだった。

歩き疲れたので、先ほども入ったマリオボロ・モールのフードコートで夕食にした。注文したのはインドネシアの定番ともいえるナシ・ゴレン(チキン付き)と魚の団子のスープで、味はまずまず。

なお、インドネシアはイスラム教徒が多数を占める国なので、ビールなどのアルコール類はまったくない。飲み物はソフトドリンクのみとなるが、私はもともと酒は飲まないほうなので、特に問題はない。

さらにしばらく散策を続け、夜7時にホテルに戻った。一日中歩き回って疲れたので、シャワーを浴びた後、しばらくテレビを見てから早めに就寝した。翌日は今回の旅行最大の目的地、ボロブドゥール遺跡へ向かうことになる。