カンボジア&タイ旅行記(王宮、シルバーパゴダ)

トゥールスレン刑務所博物館から10分ほどで王宮の前に到着した。時刻は1時半で、王宮は昼の11時~2時は閉まっている。このことは事前に分かっていたので、それまでトンレサップ川沿いを散策して昼食を取ることにしていた。

川沿いはきれいに整備されていて、金色の神像などが置かれていた。散策するには気持のよさそうなエリアで、地元の人たちや欧米人観光客(なぜか日本人はほとんど見ない)が多く歩いていた。この付近を歩いた後は、旅行前に持っていた「プノンペンはあまり治安が良くない」というイメージは完全に払拭されることになった。


王宮近くでバイクタクシーを下り、トンレサップ川の方へ歩いていくと国王一家の肖像画が描かれたモニュメントがあった。カンボジアは立憲君主国で、元首はシハモニ国王。

少し歩くとトンレサップ川に出る。周辺はきれいに整備されていて、予想以上の雰囲気のよさに驚かされた。

こちらがトンレサップ川。2004年のシェムリアップ旅行の際、トンレサップ湖で水上生活者の集落を見てきたが、あの湖から流れてくるのがこのトンレサップ川になる。プノンペンからボートで川をさかのぼってシェムリアップへ行くルートをいつか通ってみたいと考えているのだが、次回シェムリアップへ行ってアンコールワットを見るのはいつになるだろう。

川沿いには小さな寺院と東屋があり、金色のシンハー(ライオン)像も置かれている。気候は暑いが、川沿いなので風は涼しい。

川沿いに旅行者向けの小ぎれいなレストランが並んでいる。その中の「ブライトロータス」という店で麺類とパイナップルジュースの昼食にして(値段は6ドル)、そろそろ王宮へ向かうことにした。

王宮の塀に沿って歩いていると、前を家族連れが歩いていた。小さな男の子が全裸なのが、いかにも東南アジア的な感じがする。

入口で王宮とシルバーパゴダのチケット(25,000リエル)を買い、中に入った。王宮とシルバーパゴダは中でつながってるので、共通チケットになっている。


中に入り、王宮のほうへ歩くと仏像が並んでいる。あちこちで散水されているので、この付近は涼しい。

さすがプノンペン最大の観光地だけあって、王宮内には即位殿、国王の執務室、宝物庫など風格のある建物が並んでいる。どれも金色に光っていてきらびやかなものだが、照り返しがあるのか建物の周囲はかなり暑い。

こちらが即位殿。現在のシハモニ国王の即位式もここで行われたという。靴を脱いで中に入ることができ、内装やシャンデリアなどは豪華なものだったが、写真撮影は禁止なので内部の写真はない。

即位殿の階段には両側に ナーガ (蛇神)が作られている。ナーガは王宮だけでなくプノンペン市内の寺院にもたくさん作られていて、今回のカンボジア滞在では数多くのナーガを見ることができた。結構細かく作りこんであり、近くで見ると面白い。いつかプノンペンで寺院めぐりをやってナーガの写真を集めたいという気持ちになった。

建物の尖塔にちょっと面白い顔があったので、アップで撮ってみた。アンコールワットのバイヨンと同様、おそらくは四方を見渡す観世音菩薩ではないかと思う(違っていたらすみません)。

即位殿の他は中に入れない建物がほとんどだが、内部が展示室になっている建物もあったので入ってみた。展示されていたのは仏像や王族の衣装を着た人形など。ちょっと不謹慎だが、こういう写真を撮ってみた。

敷地の奥には王族が居住している建物もあるそうだが、さすがにそちらへは近づくことはできない。しかしながら執務室は即位殿のすぐ近くにあって、観光客が近寄ることができる。ちょっと無防備という気もするが、これで大丈夫なのだろうか。


続いて王宮の隣にあるシルバーパゴダへ。王室の仏教行事が行われていた場所だそうで、下の写真の通り大理石の支柱が美しいスタイルになっている。

シルバーパゴダは中に入ることができる。床に約20センチ四方の銀の板が敷き詰められていることが「シルバーパゴダ」の名前の由来で、ある程度は絨毯で隠れているものの、端のほうでは銀板を見ることができた。中央に安置された宝冠仏も驚くほど豪華なものだが、内部の写真撮影は禁止なので、ここの写真はない。

クメールルージュ時代、宗教を否定していたポルポトによってカンボジア各地の寺院は大半が破壊されたわけだが、ここは破壊をまぬがれている。これはクメールルージュが文化遺産を破壊していないと他国にアピールするためだったといわれていて、このため現在でも優雅な姿が残されている。

シルバーパゴダを出て、周囲を歩いてみた。王宮と同様、わりと広い敷地にストゥーパ、図書館、鐘楼などの建物が点在している。どの建物も凝っているので、見ながら歩くと面白い。

敷地内にはカイラス山を模した小さな丘も作られていて、細かいところのこだわりもかなりのもの。

シルバーパゴダの横にはアンコールワットのミニチュアも作られている。いつかまた、シェムリアップへアンコールワットを見に行きたい。

敷地をぐるりと囲んでいる回廊には、叙事詩「ラーマーヤナ」の壁画が600メートル以上に渡って描かれている。この叙事詩のことをよく知らないので内容はよくわからないが、カラフルできれいなので絵だけ見ていても楽しめる。

敷地内を一通り見て、外に出ることにした。この王宮とシルバーパゴダは、さすがにプノンペン最大の観光スポットだけあって欧米人観光客と地元の人たちが多く歩いていたが、なぜか日本人をまったく見なかったのが不思議だった。日本人にとってカンボジア旅行といえばシェムリアップということになってしまうからだと思うが、プノンペンもなかなか面白い。2度目のカンボジアではプノンペンにも滞在してほしいものだ。


シルバーパゴダの出口からトンレサップ川沿いへ歩いていると、象がやってきたので急いで近づいて写真を撮った。翌日、ワットプノンへ行ったときに観光客向けの象がいたので、その象の帰宅途中だったらしい。(もちろん象だけが歩いてるのではなく、下の写真ではよく見えないが象の向こう側には象使いが並んで歩いている)

この後、川沿いをしばらく散策。この時間になると地元の人たちも大勢歩いている。気候が涼しくなっているので、歩いていると本当に気分がいい。

川で釣りをしている人。この付近は釣り人も多かった。

川を眺めていると、観光客が乗った遊覧船が頻繁に通っている。どうやら近くに遊覧船の乗り場があるらしく、興味があったので翌日の夕方に乗ってみることにした。翌日は午前中にキリングフィールド、午後からワットプノン周辺を散策するにしている。


夕方5時、川沿いの散策を終えてバイクタクシーで出発。車やバイクの中を縫うように走るのでスリルがあって面白い。

目的地は「ソリア」というショッピングセンター。プノンペンで最大規模という7階建てのショッピングセンターに興味があったので来てみたのだが、予想以上に立派な建物だった。1階にはファーストフード店もある。

建物内の風景。本当に東南アジア諸国はどこも発展著しいものだと思う(まだ発展していないのはミャンマーくらいか)。テナントはスポーツ洋品店やDVD店やゲーム用品店などで、映画館もある。もっとも、DVDなどは海賊版がほとんどという噂もある。

上のほうの階にあるフードコートで夕食にした。アジア各国の料理が並んでいるが、その中に「愛する」という日本料理店があったので写真を撮ってみた。メニューは寿司や天ぷらそばなどで、マスコットがいい感じ。

カンボジアで食べる天ぷらそばにも興味はあったのだが、今回は日本料理ではなく地元の料理にした。値段は20,000リエルで、味はもちろんうまい。

夕食後、スーパーマーケットで買い物にした。翌日の朝食用のパンや缶コーヒーなどを買い込んだ際に「ここぞ」というジュースを見つけたので写真を撮ってみた。ラベルを見るとカンボジア製ではなくタイ製で、文字は読めないが「ここぞというときに飲む」なんてことが書かれているのかもしれない。

最上階には展望スペースがあり、プノンペンの夜景が一望できる。ショッピングセンターの近くは明るいものの、まだ町全体としては暗いところも多い。それでも、わりときれいな眺めといえる。

そして、最上階には屋内スケートリンクもある。それほど広くはないが、ちょっとしたバンクも作られていて若者たち(カップルも何組か)がインラインスケートを履いてぐるぐると回っていた。

下の写真に写っている椅子に座ってしばらく眺めてみたが、音楽が流れる中、思い切り格好を付けて滑っている様子を見ていると面白い。おそらく、ここが地元の若者にとって自分の格好良さをアピールする場所になっていると思われて、何だか微笑ましいものだった。

Youtube に動画があったので紹介しておく。

夜8時、ショッピングセンターの前からバイクタクシーに乗り、ゲストハウスに戻った。夜にバイクタクシーに乗るのは危険という話も聞くが、今回は(翌日の夜も乗ったものの)特に問題はなかった。もっとも絶対安全とも言い切れないと思うので、夜のバイクタクシー利用は自己責任で。