ネパール旅行記(中国 / 昆明編)

10年ぶりのネパール旅行に出発。ただし、この日は乗り継ぎ地の昆明で1泊し、翌日は半日ほど町歩きする時間がある。昆明は中国雲南地方の中心都市で、そう行く機会のない町だと思う。外国人が少なそうなので、こちらも楽しみ。


午後6時半に福岡空港を出発し、上海へ移動。2時間のフライトで上海浦東空港に到着した。

乗り継ぎで何度も来ているので、空港内の移動経路にも詳しくなってきた。国内線に乗り継ぐので中国に入国する必要があり、まずは入国審査に向かう。ここで列に並んでいると、前に並んでいた若い女性から「日本人ですか?」と声を掛けられた。これからインドのデリー行きの便に乗り継ぐそうだが、初めての上海(もしかしたら初めての海外かも)なのでどうしたらいいかまったくわからず、かなり困っているようだった。

この空港では、乗り継ぎ時間が短いときは国際線同士の連絡ゲートを通れるが、ある程度時間がある場合はいったん入国してから再び出国することになる。入国審査に並んでいるということは乗り継ぎ時間があるのだろうと思い「いったん入国してから出発ターミナルに向かうといいですよ」と伝えたのだが、搭乗券を見せてもらったら出発は20時15分。この時点で19時50分なので、もう30分もない。「なるほど、それで焦っていたのか」と、女性の異常なくらいの困惑ぶりが納得できた。

この空港には国際線から国際線への連絡ゲートがあること、スタッフに搭乗券を見せて急いで通してもらうことを伝えると、女性はそちらへ走っていった。やがて、その連絡ゲートを無事に走っていく女性の姿が遠くに見えたので、これで一安心。おそらくデリー行きに間に合ったと思う。

しかし明らかに海外慣れしていない様子だったのに、いきなりデリーに行くとはどういう人だったんだろう。ちょっと気になっているので、もし奇跡的にこのページにたどり着くことがあればメッセージを送ってほしい。

こちらは問題なく中国に入国し、すぐに国内線ターミナルに移動して昆明行きのゲートへ。夜9時過ぎに搭乗が完了したのだが、離陸は9時40分ごろだった。


深夜0時50分ごろ昆明長水国際空港に到着した。ターミナルを出ると川が流れていて、光が反射している。

予約しているホテルはすぐ近くなので、歩いていくことにした。こちらが彩云客酒店。

では早速チェックインしようとしたが、入口が閉まっている。ドアをガチャガチャしている音を聞いて、ソファで寝ていたスタッフがやってきたのでバウチャーを見せて中に入ろうとしたのだが、スタッフは中国名物の「没有(メイヨー)」を繰り返すだけで中に入れようとしない。バウチャーを示して「このホテルを予約してある」と繰り返しても、スタッフは「部屋は空いていない」の一点張りで、どうにも埒が明かない。

どうしたものかと思ったが、こういう事態を想定していなかったので agoda の連絡先を控えていない。結局、どうにもならないので宿泊は諦めることにした。近くに高そうな大型ホテルはあるが、早朝には昆明の町に移動することになる。寝るだけのために高級ホテルに泊まるのももったいないので、空港ターミナルに戻ってベンチで仮眠することにした。

ネパールから帰国後、今回の件についてメールで agoda に連絡してみたところ「ご迷惑をお掛けして大変申し訳ございませんでした。お客様のご予約に関しまして、中国語スタッフよりホテルに確認を致しましたが、ホテルスタッフの言っていることが二転三転しておりまして、ただいまメールにて再度確認をしております。」という返事が来た。結局のところ、agoda からの予約がホテルのシステムに入っていなかったらしい。

agoda のスタッフに責任があるわけでもないので、今回は「補償を求めているのではなく、予約時に入力したクレジットカードに No Show などの請求が来なければ、こちらとしては問題ない」と物分かりのいい日本人になっておいた。agoda からはお詫びとして次回の予約に使える割引が送られてきたので、こちらとしては agoda の対応には不満はない。ただ、中国ではこういうことが起きるかもしれないということは認識しておく方がよさそうなので、今後はホテル予約サイトの連絡先を控えておくことにする。


朝6時に起き、ターミナル内のレストランで朝食。普通、食べ終わったらレストランをすぐに出るものだが、周囲の中国人たちは座ったまま堂々と熟睡している。店員も注意しないので、こちらもその人たちに混じって7時半まで仮眠し、昆明の町に向かうことにした。カトマンドゥ行きの出発は午後2時半なので、昼ごろまで町を散策する時間がある。ターミナル内の手荷物一時預かりに荷物を預け、バス乗り場へ。

空港からのバスはいくつか路線があり、今回は翠湖公園周辺を散策する予定だったので1番のバスに乗ることにした。ターミナルを出たところにチケット売り場があり、運賃は25元。

市街地までの所要時間は40分ほど。終点に近づくと高層マンションが並ぶようになる。

8時40分、終点の西驛ホテル前に到着した。バスを下り、翠湖公園の方向に歩いていくと赤文字でスローガンが並んでいた。いかにも中国らしい標語と思いながら、地元の人たちに混じって歩く。喋らない限り自分が外国人とはばれないので、この点では中国の町歩きは楽。

5分ほど歩くと翠湖公園に着いた。旅行前にインターネットで「昆明で2~3時間だけ散策できるときにお勧めの場所」ということで見つかったのが翠湖公園と円通禅寺なので、あまり期待はしていなかったのだが景色はわりときれい。

ここは翠湖という湖の中の島を散策するようになっている。湖水はあまりきれいではないが、中国風の建物があちこちに再現してあるので、歩いていると楽しめる。

こちらでは地元の人たちが太極拳の真っ最中。

橋で結ばれた島を歩いているうちに湖の対岸に出た。ここでいったん翠湖公園を離れ、近くにある円通禅寺へ向かうことにした。

その途中に雲南大学の正門があった。このときは学生ではなく年配の人たちが集まっていて、正門の前で記念撮影をやっていた。OB の人たちが集まっていたのか、または学生の親が集まっていたのかはわからなかった。

雲南大学から少し歩いたところに円通禅寺があった。ここは中に入るのにチケットが必要で、門の横に売り場がある。5元でチケットを買い、寺院の中へ。

旅行前にちょっと調べたところ、ここは唐の時代から1200年の歴史がある非常に古い寺院ということだった。

中に入ると、まずはまっすぐに続く参道がある。このあたりは日本の寺院と似た感じ。

しかしながら、参道の先にある門は日本の寺院とは違ってとにかく派手。下から見上げると蛍光色に光っている。この写真だけ見たら LED ライトが埋め込まれていると思う人もいるはず。

門の先にあるこちらの建物が、おそらく本堂。先ほどの門よりは落ち着いた感じ。

ロウソクと線香越しに本堂を撮ってみた。しかし事前の情報では「参拝客が絶えない大人気の寺院」ということだったのに、人がかなり少ないのが意外。平日ならわからなくもないが、この日は日曜日。

この本堂が寺院の一番奥ではなく、その裏には池があってさらに建物が並んでいる。

池の真ん中にある八角形の「八角堂」と、一番奥にある大きな「大雄宝殿」が橋で結ばれるという構造になっている。横から撮った写真をパノラマ風につなげると、こんな感じ。

大雄宝殿に入ると、こういう写真が飾られていた。しかしさすが人海作戦が得意な中国というか、この大人数ぶりは圧巻。いったい何人が並んでいるんだろう。これだけの人数を一枚の写真に収めるという発想がすごい。場所のセッティングだけでかなり時間がかかるはず。

大雄宝殿の背後の丘に登っていく道もあったが、途中で閉鎖されていたのでここで引き返すことにした。丘の上から寺院の全景を眺めてみたかっただけに残念。

この後、池の周りを散策。八角堂には金色の千手観音像も置かれていたが、写真を撮るのは自粛しておいた。見たい人はインターネットで探すか、直接訪れてほしい。

あまりゆっくりしている時間もないので、これで翠湖公園に戻ることにした。参拝客が絶えない寺院という事前情報のわりには人が少なかったが、寺院内の雰囲気はなかなかいい。昆明で町歩きする時間があれば参拝してみてほしい。


歩いて翠湖公園に戻ると、こちらは観光客が多い。池の横に建つ時計塔や竹林をバックに記念撮影している人たちばかり。

アイスクリーム(4元)を買って少し休憩した後、何軒も並んでいる土産物店を見てみた。

「小李子泥人店」という店にいろんな人形が並んでいて、その中からひとつを買ってみた。

選んだのはダークサイドに堕ちたドラえもん(45元)。帰国後、周囲に見せたらみんな大ウケ。

そろそろ空港に戻らないといけない時間になってきたので、子供向けのアトラクションを見ながらバス乗り場のほうへ歩く。

こちらが翠湖公園の入口にある門。はたして、もう一度ここを訪れることはあるだろうか。

生活臭のあるアパートや市場を見ながら西驛ホテルの方へ。ベランダが完全に鉄格子に覆われているのは防犯対策なのかもしれないが、火事になったらどうなるんだろう。

バス乗り場近くまで戻ってくると、こういうキャラクターたちがいた。vivo や oppo は中国のスマートフォンメーカーだが、しかし vivo のキャラクターは中に入っている人がはっきり見えるところがなんとも。正面に立ったら目が合うはず。

11時過ぎにバスで西驛ホテル前を出発。2時間半ほどしか散策できなかったが、しかし町歩きは楽しい。この町を再訪する機会があるかどうかはわからないが、いつかまた来たいという気もする。

12時前に空港に到着。

ターミナル前から外を眺めると、こんな感じ。空港周辺はきれいに整備されている。中国の空港はどこも無駄にだだっ広い。

出国する前にターミナル内のレストランで昼食にした。これで値段は71元。

昼食後、預けていた手荷物を受け取り(料金は10元)、中国東方航空のカウンターでチェックインを行ってから中国を出国。午後2時に搭乗が始まり、2時半にカトマンドゥに向けて出発した。