ネパール旅行記(カトマンドゥ到着~マウンテンフライト)

予約していたところに泊まれないなどのトラブルがあった昆明での乗り継ぎを経て、目的地のネパールに到着。この日と翌日はカトマンドゥに滞在し、市内の寺院などを見ることにしていた。ほとんどは再訪スポットになるが、10年ぶりなのでどれも楽しみ。


午後3時40分にカトマンドゥのトリブヴァン空港に到着した。飛行機を下り、歩いてターミナルへ移動すると建物は10年前とまったく変わっていないように思える。長蛇の列に並び、40分ほどかかってネパールに入国した。10年前は入国までに1時間半かかったので、それよりはまし。ネパール入国にはビザが必要で、空港で取得できる(25ドル)。

これから市街へ移動して泊まるところと旅行店を探さないといけないが、それについてはまったく心配していなかった。10年前はターミナルを出たとたんに10人ほどの客引きに囲まれて腕の引っ張り合いをされるなど、もう笑ってしまうしかない状況だったのを憶えている。なので今回も客引きがいるだろうから、その人に任せてしまえばいいと考えていた。

というわけで身構えてターミナルを出たのだが、遭遇した客引きは1人だけ。なんだか肩透かし気味だったが、まあ誰にも出会わないよりはまし。

今回出会ったのは Pariwar Holidays という旅行店の Giri Kewal という若い男性で、一緒にタメル地区までタクシーで移動することにした。簡単に決めて大丈夫なのかと思うかもしれないが、インドと違ってネパールでは悪徳旅行店の話はあまり聞かないし、まあ問題ないだろう。(もちろんインドのデリーではこんなことをやったら駄目)

カトマンドゥの街中は10年前と同様に喧騒に満ちていた。ただし車内からうまく写真を撮れたのはこの1枚だけ。

しかしながら、10年前は市街に入るとすぐに道路を牛が歩いている景色が見えてきて、さすがネパールと感動したのだが今回は街中で牛を見ない。この点だけは10年で環境が変わったのかもしれない。

空港から少し走ったところでタクシーが故障して動かなくなり、別のタクシーに乗り換えるなどの面白いハプニングを経て、有名な安宿街のタメル地区に到着した。

建物の2階にある旅行店に入り、早速プランを相談した。今回やってみたいのはポカラでの1~2泊程度のトレッキングと、ウルトラライトプレーンで空を飛ぶこと。さらに可能であれば10年前にも体験したマウンテンフライトもやってみたい。いろいろと話し合った結果、以下の手配を依頼することにした。

  • 翌日早朝のマウンテンフライト
  • カトマンドゥからポカラへのバスチケット
  • ポカラでのウルトラライトプレーン
  • ポカラ~ダンプス~サランコット~ポカラの2泊3日のトレッキング
  • ポカラからカトマンドゥへの航空券
  • 空港への送迎
  • 旅行店に併設されたゲストハウスの宿泊(合計3泊)

合計金額は1,190ドル。高いと思うかもしれないが、ウルトラライトプレーンや航空券などはおおよその金額はわかっているし、まあこんなもの。決してぼられているわけではない。空港への送迎などは必要なかったかもしれないが、面倒なので頼んでおいた。ケチるより上顧客になったほうが旅行店も喜ぶだろうし。

これでネパール滞在中の予定も決まり、ゲストハウスの隣の食堂で旅行店のスタッフと一緒にビールと食事。プラン一式を依頼したお礼か、これは旅行店のサービスだった。10年ぶりに食べるモモ(ネパール風の餃子)もうまい。

食後、少しゲストハウスの部屋で休憩。写真ではきれいに見えるが、実際はそれほどでもない。

部屋からの眺め。タメル地区の雰囲気が懐かしい。

すでに暗くなっているが、外出してタメル地区を歩いてみた。街中の様子は10年前とほとんど変わっておらず、歩いていると当時のことを思い出す。カトマンドゥのタメル地区といえば沈没してしまうバックパッカーが多いことで有名だったが、今でも同様なのかは知らない。しかし、確かに居心地はよさそう。

もう少し歩きたいところだったが、昆明での空港泊の影響か、かなり疲れてきたので8時過ぎにゲストハウスに戻った。この日は10時に就寝。

マウンテンフライト

翌日は早朝4時半に起床。この日は早朝にマウンテンフライトでヒマラヤを眺め、それからボダナートやスワヤンブナートなどのカトマンドゥ市街の寺院を見ることにしていた。5時にホテルを出て、送迎車で空港へ出発。相変わらず道路で牛の姿を見かけない。これだけが10年前と変わった点。

早朝なので特に渋滞もなくスムーズに国内線ターミナルに到着し、カウンターでチェックインを行った。この時間帯はブッダ・エアーとイェティ・エアラインが何便もマウンテンフライトを飛ばしていて、外国人観光客が大勢歩いている。10年前はブッダ・エアーに乗ったが、今回はイェティ・エアライン。

待合室の雰囲気も10年前とほとんど変わっていない。

マウンテンフライトは天候の関係で飛行機が飛ばないことも多く、10年前は搭乗直前にフライトキャンセルになった(乗ったのは5日後)。今回はどうなるだろうと考えていたが、無事にフライトができるということなので一安心。

6時半に搭乗開始。10年前はマウンテンフライトはブッダ・エアーだったが、ポカラからカトマンドゥへのフライトはイェティ・エアラインだったので、グリーンの機体を見ると懐かしい。

小型機なので、搭乗してすぐに離陸。まずは朝のカトマンドゥを眺めながら高度を上げていく。ここから見るとカトマンドゥが盆地ということがよく分かる。

機内はこんな感じで、10年前のブッダ・エアーとほとんど変わらない。ただ、窓ガラスは前回よりはきれいかも。

前回と同様、操縦席を見学できるサービスもあった。

往路はヒマラヤの山々を左側に見ながら飛行するが、自分の席が右側なので十分には見えない。なので山の景色は帰りに堪能するということにして、それまでは小型プロペラ機でのフライトの雰囲気を楽しんだ。こういう飛行機に乗る機会も滅多にないと思う。

やがてサガルマータ(エベレスト)が見えてきた。

こちらのピラミッド型に尖った山がサガルマータ。英語名のエベレストが一般的で、チベット名のチョモランマもわりと広く知られていると思うが、今回はネパールから眺めているのでネパール名のサガルマータで呼ぶことにする。さすがに世界最高峰だけあって、他の山とは威厳が違うような感じ(がする)。10年ぶりにサガルマータを眺めることができ、満足。

サガルマータに登ることはもちろん一生ないが、ネパール側の山麓(6,000メートル以下)までは一般人でもトレッキングを楽しめるらしい。いつかやってみたい気もするが、果たしてその機会はあるだろうか。年齢的にもあまり余裕はないので、体力が低下する前に計画したい。

サガルマータを真横に眺める辺りで旋回し、ここからはカトマンドゥに向けて飛行。今度は右側からヒマラヤの山々が眺められる。なかなか迫力のある眺めだが、おそらく写真では十分には伝わらないので、これは実際に体験してもらうしかない。

ところで山腹に斜めの線が入っているように見えるが、これは地層だろうか。よく知られている通りヒマラヤはかつて海底だったので、その地層が見えているのかもしれない。

斜め後ろを振り返って、最後にもう一度サガルマータを眺めてみた。もしかしたら、また10年後くらいにマウンテンフライトに乗るかもしれない。そのとき、再びこの山を見られると思う。

こちらの特徴的な山は何だったかなあ。山頂の形だけ見ればマチャプチャレみたいに思えるが、もちろん場所が違う。

ちなみにマチャプチャレはポカラからのトレッキングで眺める予定。マチャプチャレの英語名はフィッシュテールで、名前の通り山頂は2匹の魚の尾のような形をしている。神聖な山として登頂が禁止されているので、現在でも未踏峰。

調べてみたところ、この山はガウリ・サンカル(Gauri Sankar)という名前らしい。山頂が2つの峰に分かれていて、高い方が標高7,145メートル。低い方(7,010メートル)は未踏峰ということだった。

特徴的な山を過ぎたあたりで、乗客にスパークリングワインのサービスがあった。10年前のフライトではなかったので、自分にとってはちょっとしたサプライズ。

では、ヒマラヤの山々を眺めながら優雅なひと時。

ワインを飲んだ後は、カトマンドゥへ向けて最後のフライト。

45分のフライトを終え、カトマンドゥに戻ってきた。高額のフライトだが、やはり乗ってみてよかった。値段以上の価値は絶対にあるので、ネパール旅行ではマウンテンフライトを体験してみてほしい。

ターミナルの外に出て、空港まで来たときの送迎スタッフと合流。帰りは途中でパシュパティナートとボダナートに寄ってからホテルまで送ってもらうことになっている。しかし、運転手が指差す方向を見ると雨雲が近づいてきている。不安はあるが、ともかくもパシュパティナートに向かうことにした。

(結局、パシュパティナートに着くと雨が降り始め、ここは諦めてボダナートから観光することになった。詳しいことは次のページで)