メキシコ旅行記(カンクン沖ダイビング)

カンクンダイビングの2日目。この日はカンクン沖でのダイビングを行うことにしている。変わったダイビングスポットとして有名な「水中博物館」を見るのが楽しみ。


朝6時半に起床。悪天候で中止の場合は7時半ごろに電話があるということだったが、なかったので一安心。晴天続きなのに中止になることがあるのかと思うかもしれないが、実はカンクン沖は強風のときは意外と中止が多いらしい。この日も、午後になってそれを知ることになる。

カンクン沖ダイビングは、昨日のコスメル島ダイビングとは別の「アクアアプリ」というショップを利用している。このショップは送迎がなく自分で移動する必要があり、路線バスで大きな荷物は迷惑かと思ったので器材はレンタルすることにしていた。

ホテルを出て、ダウンタウンからホテルゾーンへ向かうバスに乗って集合場所へ。バス料金は2013年に来たときが一律9.5ペソ、2016年は10.5ペソだったが、今回は12ペソと順調に値上がりしていた。物価が上がらない日本に住んでいると感覚が麻痺してしまうが、どの国でも物価が毎年上がるのは普通のこと。

最寄りのバス停で下りると、目の前にラグーンが広がっていた。

集合場所はラグーンに面した「SOTAVENT」というホテル。このホテルの中に「Blue Dive」というショップがある。

フロントでダイビング目的で訪れたことを伝え、奥へ歩いて行くとプールがあった。その横にあった小さな建物がブルーダイブ。おそらく、アクアアプリと提携しているショップだと思う。

今回申し込んでいるのは午前中の2ダイブが英語ガイド(80ドル)で、午後の2ダイブが日本人ガイド(90ドル)。合計170ドルを支払い、スタッフの方から説明を受けた。なお、説明を行うのは日本人スタッフの方で、午前中はダイビング講習のため同行できないということで英語ガイドになっている。

レンタル器材を受け取って準備し、ボートへ。

ダイビングを行うのは、私の他はロシア人らしい家族連れ(夫婦と息子2人)だった。ラグーンの中を続いている細い水路を抜けると、港に観光船が停泊しているのが見えてきた。

港を出て、カンクン沖へ。

では、器材を背負って1本目のポイントへ。

水中美術館

1本目は、カンクン沖のダイビングでは外せない水中美術館。家族連れの中の息子1人がかなりの初心者らしく、なかなか潜行できずに四苦八苦していたり、ダイビング中も浮き上がってしまってガイドに引っ張り下ろされたりしていたが、これはよくあること。「自分も最初のころはこうだったなあ」と思いながら、暖かく接することにした。

全員が潜行し、ガイドについて移動していくと様々な石像の群れが見えてきた。

水中美術館というポイントは世界各地にいくつかあると思うが、実際に見たのは初めて。今までに経験のないダイビングなので、この異様な群れを見たときはすっかり嬉しくなった。

これらの石像は、それぞれモデルになったメキシコ人から作られているらしい。

長年、水中に置かれているため貝などが付着して面白い姿になってきている。

この石像なんて、まるでサンゲリアのゾンビみたいな姿。

ちょっと目立っていたのが、こちらの女性像。

この一団をモデルにして、いくつか写真を撮ってみた。

それにしても、石像の上を漂っているだけで面白い。

石像エリアを離れ、少し移動すると別のオブジェが見えてきた。

現れたのはフォルクスワーゲンのビートル。もちろん、本物ではなくオブジェだと思う。

中を覗き込んでみると、魚が棲みついていた。

さらに先へ進むと、なんだか異様な姿が。

いったい、この人たちは何をやっているだろう。外国でも「土下座」なんていう姿があるんだろうか。それに、よく見ると首がないのも怖い。

旅行後に調べたところ、これらの像には Banker(銀行員)というタイトルが付けられているということだった。横には仕事用らしいアタッシュケースもあるし、何かの皮肉なんだろうか。

この角度でも写真を撮ってみた。

このあたりで引き返し、石像エリアへ。この人たちとも、いつかまた再会したい。

1本目のダイビングを終え、水面に浮上。ダイビングログは以下の通り。

  • 天候:晴
  • 気温:29℃
  • 水温:27℃
  • 潜水時間:41分
  • 最大深度:8.7m
  • 平均深度:6.7m
  • 透明度:30m

いやー、面白いダイビングだった。こういうダイビングスポットとしての水中美術館はカンクン以外にも世界各地にいくつかあるようなので、いつか潜ってみたい。

Manchones Chiko

ボートで少し休憩し、2本目の「Manchones Chiko」というポイントでのダイビング。ここは先ほどの水中美術館とは一転して、魚群が見事なポイントだった。

岩場の周りに群れているフレンチグラントやセーラーズグラントやシーザーグラント(どれもイサキ科)がすごい迫力。

岩場に近寄ると、自分が魚群に包まれているような感じがする。

見上げると、海面と魚群の対比が面白い。

こちらへ向かってくるホースアイジャック(ギンガメアジに似た魚)の群れ。

透明度が高いので、魚の模様がよくわかる。

ツマグロチョウチョウウオの(おそらく)ペア。

名残惜しいが、そろそろ浮上する時間になってきた。この魚群はまた見てみたい。

しかし、すごいポイントだった。これほどの魚群はなかなか見る機会はないと思う。

  • 天候:晴
  • 気温:29℃
  • 水温:27℃
  • 潜水時間:47分
  • 最大深度:9.0m
  • 平均深度:7.3m
  • 透明度:30m

これで午前中のダイビングが終了し、ホテル裏の船着き場へ。ボートの船長とガイドにそれぞれチップを渡し、ロシア人家族と挨拶して別れた。


ホテルのフロント近くにあった店でパンと飲み物を買い、プールサイドのテーブルで昼食。午後は日本人ガイドによるダイビングなので、午後のみ参加する日本人旅行者たちが次々と集まってきた。もちろん、カンクンなので新婚さんも何組か。

昼食後、ガイドの説明を受け、総勢10人近くがボートに乗り込んで出発。ラグーンの水路を抜け、これから港に出ようとしたところで予想しなかったアクシデントが発生した。

港から水路に戻ろうとしていた船とすれ違う際、船長同士がスペイン語で何か話した後、こちらの船もUターン。

ガイドの説明によると、午後から風が強くなり海域が閉鎖されたとのこと。まさかの「強風によるダイビング中止」に遭遇してしまった。午後も水中美術館を見る予定だったので(水中美術館はかなり広く、午前中に見なかったオブジェもたくさんある)、残念。

それでも自分の場合は午前中に潜ることができたからまだよかったが、午後だけ参加の人たちは潜れなくなったことになり、なんだかかわいそうだった。

船着き場に戻り、午後のダイビング料金の返却を受けた後で帰ろうとしていると、参加者の一人がガイドとシュノーケリングについての相談をしていた。「以前に来たとき、イスラ・ムヘーレスのガラフォン公園でシュノーケリングをやったことがあります」と話すと、これからイスラ・ムヘーレスへ行ってみるということだった。「無事にシュノーケリングができるといいですね」と話し、ホテルを出た。


バスでダウンタウンへ戻る前に、大通りを少し歩いてみた。こんなに天気がいいのに、カンクン沖は風が強くてダイビングができないというのが不思議。

ダウンタウンへ移動し、パラパス公園に立ち寄ってみた。昼間のパラパス公園は落ち着いた雰囲気。

せっかくなので、タコス(30ペソ)を買ってみた。味はまあまあ。

午後3時、いったんホテルに戻って休憩。4時ごろ、ちょっと仮眠しようと思ってベッドに横になったら、つい8時まで寝てしまった。この日は年末の12月31日なので、ホテルゾーンでは派手なカウントダウンが行われるはず。ぜひとも見てみたかったので、すぐに外出することにした。続きは次のページで。