マレーシア&台湾旅行記(ポーリン温泉)

マレーシア滞在5日目。翌日の早朝の便で台湾へ移動するため、実質は滞在最終日になる。この日は、2008年の旅行でも訪れたポーリン温泉を11年ぶりに再訪してみた。

目的は、温泉よりもキャノピーウォークを歩いてみること。前回の旅行で空中の吊り橋を歩くという体験が面白かったので、久しぶりに揺れている空中通路を歩くのが楽しみ。


6時半に起床。朝食後にチェックアウトし、夕方まで荷物を預かってもらうことにしてからホテルを出た。

ポーリン温泉へ行くためには、コタキナバルから1日ツアーに参加するか、またはミニバスでラナウという町へ行く必要がある。ミニバスの方が安く行けるが、問題は帰りの便。

ネット上では、ポーリン温泉は「行くのはいいが帰ってこれないかもしれない観光地」などと呼ばれている。コタキナバルからラナウまではミニバスの便があるが、ラナウ~ポーリン温泉は公共交通機関がないためで、往路は何とかなっても運よくポーリン温泉を出発するツアーバスに空きがないと戻ってこれない。

11年前は運よく1人分だけ席が空いているミニバスに乗れたが、今回もうまくいくかはわからない。有名観光地なのに、なぜこんな危ないことになっているのか、ちょっと不思議。

今回はツアー参加も考えたが、面倒になったのでラナウ行きのミニバスに乗ることにした。まあ、何とかなるだろう。

ホテルからバス乗り場へ移動する途中、こういうモニュメントがあった。KKはコタキナバルという意味。

15分ほどでバスセンターに到着し、ラナウ行きを探すとすぐに見つかった。ただし、乗客はこの時点で私一人。ミニバスは「乗客が揃ったら出発する」というシステムなので、これはしばらく待たないといけないかもしれない。とりあえず乗り込んで待機。

結局、車内で待っていた時間は1時間半ほど。この路線は途中でキナバルパークを通るので、地元の人たち以外に欧米人登山者が何人か集まってきて、ようやく出発することになった。まあ、外国では出発まで長時間待つのはよくあること。ラナウまでの料金は20リンギ。

ラナウまでの所要時間は3時間ほど。途中のキナバルパーク入口で欧米人登山者たちが下りていって、12時40分にラナウに到着した。ラナウはお茶が特産品だそうで、ロータリーには急須のオブジェがあって Home of SABAH TEA と表示されている。

終点のバスセンターでミニバスを下り、ここでポーリン温泉行きの足を探す。11年前はここからミニバスに乗れたが、乗客が学校帰りの子供たちだけだったので、おそらくスクールバスに運よく便乗できたのだろう。

今回は、バスセンターで探し回ってもポーリン温泉への便は見つからない。本当に不思議な感じで、有名観光地だというのに公共交通機関がないのが信じられない。

仕方がないので、案内所みたいなカウンターでタクシーを頼むことにした。この様子だと帰りの便もなさそうなので、往復で頼んで料金は100リンギ。これならツアー参加の方が安くてスムーズに移動できたような気もするが、まあ仕方がない。

タクシーでラナウを出発し、20分ほどでポーリン温泉に到着した。

タクシーには駐車場で待ってもらうことにして、料金の15リンギを払って中に入る。森の中の道を歩いて温泉へ。

温水プールが見えてきたが、ここはいったん通過してキャノピーウォークへ。

キャノピーウォークは別料金が必要で、5リンギ+カメラチケット5リンギを払って先へ進む。

ここからは熱帯雨林の中を歩く。キャノピーウォークは動植物を観察するために木々の間に設置された空中通路なので、周囲がジャングルになるのは当然。

見上げると、熱帯雨林の風景は迫力がある。直立する木々が見事。

階段を上がって、キャノピーウォークの出発地点へ。

では、ここからキャノピーウォークを歩く。一度に乗れる人数に制限があるので、スタッフの合図が出てから空中通路へ。

いやー、この揺れている感じが懐かしい。私は高所恐怖症ではないので歩くのが楽しくて仕方がないが、高いところが苦手な人は怖いと思うんだろうか。

ところどころ、金網が破れていたりする。これもまた緊張感があって楽しい。

滅多にできない体験だし、子供たちなどは楽しそうにしていた。

もともとは動植物に影響を与えないように空中から観察するための施設だが、ここを歩くこと自体がアトラクション。

もちろん、熱帯雨林の眺めも迫力がある。さすが赤道直下のボルネオ島。

下を見下ろすと、こんな感じ。

キャノピーウォークを歩いているときの動画を載せておく。揺れている感じがわかるだろうか。

名残惜しいが、終点に到着。

振り返って、空中通路を眺めてみた。ここには、いつかまた来たい。

11年ぶりにキャノピーウォークを歩いてみたが、今回も十分に楽しかった。このアトラクションはおすすめ。

キャノピーウォークを後にして、温泉エリアへ。ポーリン温泉はもともと戦時中に日本軍が開発したもので、現地では入浴の習慣がなかったため戦後は放置されていたという。今は観光地として整備されているものの、日本の温泉とは違って浴槽などはなく足湯と温水プールのみ。

足湯はなかなかいい感じ。浸かっていると疲れが取れる。

売店でコーヒーと菓子を買って休憩した後、周辺を散策。熱帯の植物って、独特のものが多くて楽しめる。これはハンギング・ヘリコニアという植物で、鳥の嘴のような花が交互に並んでいるのが面白い。

こちらは熱帯の花としておなじみのハイビスカス(のはず。違っていたら知らせてほしい)。

温水プールで楽しんでいる子供たちを眺めながら、公園内を散策して過ごした。ポーリン温泉内にいた時間は1時間半ほど。

午後3時、駐車場でタクシー運転手と合流し、ラナウへ。出発の際、ミニバスを眺めてみたらどれも満員だったので、タクシーを往復で頼んでおいてよかった。繰り返すが、有名観光地なのになんで公共交通機関がないんだろう。


20分ほどでラナウに到着し、ここでコタキナバル行きに乗り換え。待ち時間は30分ほどで、近くの露店で菓子などを買っているとミニバスが到着した。

ラナウを出発してから50分ほどで、キナバルパークの入口に到着。ここで欧米人女性2人が乗ってきた。

キナバルパークを出発してすぐ、急に激しい雨が降り出した。熱帯地方のスコールは始まりと終わりがすごくはっきりしているので、あっという間の天候の急変。それにしても、さっき乗ってきた女性2人は運がよかったと思う。

コタキナバル市街に入ると雨も上がり、ラナウから3時間ほどで終点のバスセンターに到着した。周囲はすでに暗くなってきている。

この日の宿泊先は空港ターミナル内にあるホテル。市街で夕食にしてから空港へ移動することにして、歩いているとこういう店があった。決して閉まることのない店かどうかは知らない。

この日の夕食場所は、コタキナバル到着日にも入ってみた CITY FOOD CORNER を選んだ。一人でも入りやすいし、コタキナバルではおすすめのフードコート。

注文したのはシーフードフライドライスとシーフードヌードル。これらにスイカジュースを合わせて値段は24.4リンギ。この量で700円以下。

料理のボリュームもあるし、この店は本当におすすめ。

夕食後、そろそろ空港へ移動することにして、ホテルで荷物の受け取り。フロントでタクシーを呼んでもらい、空港へ向けて出発した。今回滞在した Qlio Hotel は、部屋もきれいだし快適だった。コタキナバルではおすすめのホテル。


コタキナバル市街から20分ほど、夜8時に空港に到着した。タクシー料金は30リンギ。

宿泊するホテルは、ターミナル1階にある Napzone KKIA by Sovotel というホテル。途中の Z が「ZZZ」になっているのがいい感じ。

ここはカプセルタイプのホテルになる。外国でカプセルホテルに泊まるのは2018年1月のスリランカ・コロンボ以来2回目。前回のコロンボで、外国のカプセルホテルも意外と快適ということがわかったので、特に躊躇せずに予約しておいた。

チェックインし、カプセルが並んでいるエリアへ移動。

カプセル内はこんな感じ。日本のカプセルホテルとは違ってテレビはないが、空間も十分に広いし、寝るだけなら十分に快適。

それから、このホテルは共用スペースにマッサージチェアが置いてあって、無料で使うことができた。試してみると、キナバル登山の筋肉痛がまだ残っていることもあって、かなりいい感じ。値段がどのくらいするのかは知らないが、家に1台欲しいという気持ちになった。

マッサージチェアだけでなくインスタントコーヒーも自由に飲めるようになっていて、本当にいいホテルだった。深夜到着や早朝出発の際などには、このホテルに泊まることをおすすめする。

シャワーを浴び、夜11時に就寝。


翌日は午前3時半に起床。4時にチェックアウトし、エアアジアのカウンターでチェックインを行った。さすがLCCは出発時刻が早い。

マレーシアを出国し、この時間は空港ラウンジも開いていなかったのでゲート付近の椅子に座って待機。5時半過ぎに搭乗が始まり、6時過ぎに台北に向けて出発した。