当初、この日の目的地は地獄寺ワットプートウドムだけだったのだが、駅から移動している途中で面白そうな寺院を見つけていたので帰りに立ち寄ってみた。
その寺院は「ワット スワン バムルン ラーチャ ワラーラーム(Wat Suwan Bamrung Ratcha Wararam)」という長い名前で、ここを紹介している日本語のサイトはほとんど見つからないので、まだ日本人にはあまり知られていないと思う。
それにしても、今は移動中に車窓から見たスポットの名前をその場で Google Map を使って調べられるし、写真まで見られるのだから面白そうな寺院を探すのが楽になった。スマートフォンの普及とともに、時代が急速に変わっていることを実感。
ワットプートウドム近くの大通りからタクシーに乗り、15分ほどで寺院の前に到着。タクシー料金は95バーツで、これは同乗したYさんとシェアした。
こちらが寺院の正門。
寺院内に入ると、たくさんの露店が並んでいてびっくり。何かの祭りの時期だったのか、いつもこんな雰囲気なのかはわからない。
露店の間を歩いていくと本堂があった。大きなドームアーチの吹抜け構造になっていて、天井にはカラフルな傘が並んでいる。
そして、この建物内にあったのがこちら。これらのオブジェを Google Map の写真で見て、これはぜひとも見たいと思ったのが今回ここに立ち寄った理由。
いやー、立派ですねえ。高さは2メートル以上ある。
このオブジェはもちろんプレデター。それにしても、なんで寺院にこういうものがあるんだろう。ここの関係者の趣味だろうか。
プレデターの横にあるのは黄色のロボット(おそらくトランスフォーマー)。
近くで見ると、よくできている。マニアが作ったものだろうか。
別のロボットもあった。もはやここが寺院とは思えなくなってくるが、ワットプートウドムでもトランスフォーマーがあったので、タイの寺院で流行しているんだろうか。
さらには超人ハルクまで。
ここまでくると、この寺院はもう「珍寺」と認定してしまっていいと思う。
こちらのピンクの象は、3つの頭を持つ「エラワン」というタイの神獣。先ほどまでのプレデターやトランスフォーマーと違って、エラワンに関しては寺院らしい像といえるかも。
ちなみにバンコクには「エラワン・ミュージアム」という観光スポットもあるが、今回の旅行では訪問する機会がなかった。次回は巨大エラワン像の中に入ってみたい。
プレデターやトランスフォーマーのインパクトが強いが、エラワン像以外にも寺院らしい仏像はたくさん並んでいた。
こちらはエメラルド仏だろうか。
金色の大きな涅槃像もあった。
こちらは痩せた僧侶の像。とにかく巨大でびっくり。
大きな金色の大仏があったので、丁寧に参拝。こちらがここの本尊だろうか。
ここには「合唱する骸骨」という面白い電動ギミックが2体あった。その動画はこのページの下のほうに載せている。
吹抜けの建物を抜けると、その先に庭園があった。そして、この庭園がプレデターやトランスフォーマー以上のインパクト。
この庭園に並んでいたオブジェの数々。Google Map の写真でプレデターは見ていたものの、この庭園は詳しく紹介されていなかったので、予想外の面白さに激しく感動。
大きな虎の頭やらゴリラ(キングコング?)やら、写真撮影スポットとしても抜群。
そして、この庭園で一番驚いたのがこちら。
仮面ライダーって、タイでも有名なんだろうか。
そういえば、2014年の旅行でバンコクからナコーンラチャシマーへ移動した際、バスの中で仮面ライダーのCMが流れて驚いたのを思い出した。
この建物の前には、いろんなキャラクターが勢ぞろい。
まずは超定番のドラえもん。アジアのヒーローなので、もちろんタイでも有名。
ベンチに座っているのはクマのプーさん(ですよね?)。
大きなヒマワリの花が面白い。なんだか巨大生物が登場するB級映画みたい。
十二支の像の向こうにあるのは巨大なバナナ。
カンフーパンダもいた。
それほど広い庭園ではないものの、見どころが多くて楽しめる。この庭園は参拝客を集めるために作ったのかもしれないが、なんとなくB級スポット感が漂う雰囲気になっているのが面白い。
この辺りで周囲を見渡した風景と、合唱する骸骨という電動ギミックの動画を載せておく。
ワットプートウドムで出会い、ここまで一緒に行動したYさんも写真を撮りながら楽しまれていたようだが、そろそろバンコクへ戻るということだった。私のほうはもう少しこの寺院を楽しみたかったので、ここで別れることにした。
このとき会ったYさんとは Facebook でつながりを作っておいたので、その後の旅の様子も知ることができた。タイからラオス~ベトナム~カンボジアと周遊してタイに戻り、2024年5月の時点でウズベキスタンやキルギスやカザフスタンなど中央アジアを移動中。
お互い好きなように移動している個人旅行者の行動が一瞬だけ交差するのだから、出会いとは面白いものだと思う。その後も繋がりが続いていくのはSNSの利点で、これから2年以上も旅を続けるというYさんの今後の旅先の風景を楽しんでいきたい。
Yさんと挨拶して別れ、こちらは庭園内をさらに散策。大型タイヤを使ったオブジェもあった。
タイヤだけでなく、こういう車まで。これは実際に動くんだろうか。
川沿いのベンチが並んでいるエリアで少し休憩。このベンチもカラフルで面白い。
金色の大仏の横には、顔出し看板が並んでいた。
しかし3次元の顔出し看板は珍しいと思う。少なくとも、私は今まで見たことがない。
ただ、顔の部分が空洞になっていて向こう側の景色が見えていると、なんだかドキッとする。ちょっと不思議な眺め。
ふと、駕籠真太郎の 駅前穿孔 という漫画を連想してしまった(マニアックなネタですみません)。
こちらは小錦に似ている布袋様。
このストゥーパは階段を上がったところがお堂になっていた。靴を脱いで階段を上がり、神像に参拝。
散策の途中、トイレを探すとこちらの通路の先にあった。
この通路の横には、こういうキャラクターが。
ピカチュウはわかるが、このウサギのキャラクターは何?
庭園エリアの端まで歩くと、川にいい感じの木製の橋が架かっていた。もちろん渡ってみる。
橋の上から眺めた寺院エリア。
寺院内に戻り、続いて露店エリアを歩いてみた。
この寺院、いつもこんなに露店が並んでいるんだろうか。何かの祭りの日なのかという気もしたが、しかし暗くなるまで滞在しても何かのイベントが開催されるような様子もなく、ちょっと不明。
食べ物だけではなくて衣料品のエリアもあり、まだ準備中だった露店の風景がこちら。犬神家の一族みたいでドキッとする。
こちらのスイーツ店であんこ入りの餅(1個10バーツ)を5個買ってみた。日本でもよく見かける和菓子みたいなもので、種類はチョコレート、オレンジ、ストロベリー、ココア、抹茶など豊富。
それらの中でもタイティー、オレオクリーム、ミロはちょっと珍しいかも。味はもちろん甘くてうまい。
たこ焼きの露店には「居酒屋」という提灯が下がっていた。寿司の店もあったし、タイの露店でも日本食は人気。
さらに散策を続け、こちらの店で軽食を兼ねてちょっと休憩。
注文したのは魚肉団子が入った牛肉麺で、コーラと合わせて75バーツ。
食後、歩いているとこういう遊具がセットされていた。さすがにこれは毎日のオープンではないと思うものの、よくわからない。
次第に薄暗くなってくると、庭園のライトアップがきれいに見えるようになってきた。そろそろ帰ろうかと思っていたが、これを見てもっと暗くなるまで滞在することに変更。
すっかり暗くなると、大仏のライトアップもきれい。
夜の庭園もいい感じ。
露店エリアもなかなかの賑わい。
特にイベントなどは行われていなかったので祭りの日などではないと思うが、この寺院は年中こんな雰囲気なんだろうか。
夜7時過ぎ、これで散策を切り上げて帰ることにした。もともとは訪問する予定はなく、Google Map で偶然見つけて立ち寄ってみたわけだが、予想以上に面白い寺院だった。レベルの高い珍寺を見つけることができ、満足。
ここは日本人にはまだあまり知られていない寺院だと思うので、ワットプートウドムとセットで訪れてみてほしい。プレデターやらドラえもんやら、いろんなオブジェを楽しめるはず。
寺院の前の大通りに出てタクシーを探すことにしたが、予想外にタクシーが通らない。ここに到着したときはわりと頻繁にタクシーを見たので、帰りもすぐに見つかるだろうと思っていたのだが、この時間帯になるとタクシーは少なくなるのかもしれない。
すっかり暗くなっているので通る車がタクシーかどうかもよく見えないし、「これは長居しすぎたかも」と不安に思い始めたころ、20分ほどでようやくタクシーを捕まえることができた。ほっと一安心。
BTSクーコット駅まで移動し(タクシー料金は157バーツ)、BTSでサイアム駅へ移動。駅の前に見えるのがバンコク最大級のショッピングモール、サイアムパラゴン。
ここの1階に広大なフードコートがある。ここではクレジットカードが直接使えるという情報があったので、この日はここで夕食。
サイアムパラゴンのフードコートは以前にも来たことがあるが、何度見ても広大さに驚かされる。欧米人旅行者たちが圧倒されたような表情で歩いているのが印象的。
タイに来たらやはりカオマンガイを食べたいので、蒸し鶏とフライのミックスを選んでみた(95バーツ)。さらに別の店で汁なし牛肉麺(109バーツ)を注文。
カオマンガイはいたってシンプルな味付けだが、味はもちろんうまい。タイに来たら一度は食べるべき。なお、クレジットカードはどの店でも問題なく使うことができた。
夕食後、サイアム駅からプンナウィティ駅へ移動。歩いてホテルへ戻った。
ホテルでは、部屋のドアのところにペットボトルの水とコーヒーがまとめて置いてあった。
数量は各10本。滞在日数よりも多く、まさかこんなに提供されるとは思っていなかったのでびっくり。地獄寺めぐりは屋外をずっと歩くことになるので、この水はありがたく頂いておいた。
シャワーを浴び、この日は0時半に就寝。翌日はアントーンのワットムアンを12年半ぶりに再訪することにしている。
駅前穿孔が収録されている「喜劇駅前虐殺」について検索してみたら、紙の本は絶版でプレミアがついているのが驚き。これは今持っている本を大事にしないといけない(電子書籍であれば定価で買えるようです)。