タイ旅行記(ワットプートウドム / 後編)

老朽化が進みパワーダウンした地獄エリアを出て、続いてこちらへ。ここも、前回来たときに感動した場所。

この龍に囲まれたエリアにいるのは、回転する托鉢僧たち。

この托鉢僧の皆さんは健在だった。15年半ぶりの再会。

ここで撮った動画を載せておく。こういうアトラクションがしっかり動いているのを見ると、本当に嬉しい。

もっとも、前回来たときは常時動いていたはずだが、今回は寺院内散策中に立ち寄ると動いていたり止まっていたりしていた。

後で気付いたのだが、今は料金箱に硬貨を入れると一定時間だけ動く仕組みになっているらしい。最初に見たときは別の参拝客が硬貨を入れた直後だったようで、動く姿を見せてくれた参拝客に感謝。

こちらの回転する托鉢装置とも久しぶりの対面。ベルトに接着された鉢がコンベヤーみたいにぐるぐると回っていて、ここに賽銭を入れると回転するうちに下へ落ち、後で回収するという仕組み。

各仏像の前で賽銭を入れると、その鉢が次々と横に移動していくため、永久に賽銭を入れ続けることになる。よく考えたものだ。

続いて、本堂に入ってみた。

まずは金色に光っている本尊に参拝。地獄エリアで回収してきた小額硬貨は、ここを含めて本堂内の各所でお布施として納めてきた。

この本堂は、前回来たときダンジョンみたいな構造が楽しかった場所。今回も急角度の階段を上がってみる。

各階に安置されている仏像などに参拝しながら上層階まで上がってみた。本堂内は微妙に高さの違う階があったりして、本当にダンジョンみたいな感じ。迷宮というほどではないが、それでも通路を探索していると楽しい。

こちらは金箔がたくさん貼られた涅槃像。

大きな銅鑼もあった。最上層は三角形の空間。

こうやってダンジョンの階層を上がっていくうちに、なんだか「少女終末旅行」を連想してきた。(詳しくは当サイト別館の記事を参照)

こちらが最上層。仏像が安置されていた。

壁の隙間から外を眺めてみた。寺院内に点在する神像などの配置がよくわかる。

しばらく景色を楽しんだ後、再びダンジョン内を探索して地上まで下りた。この本堂、歩いているだけですごく楽しい。

本堂を出ると、時刻は午後1時過ぎ。寺院内散策を続ける前に、こちらで昼食にした。なぜか屋根の上に飛行機がある。

前回来たときは、こういうちゃんとした食事場所はなかったと思う。たしか、小さな屋台が並んでいただけ。

注文したのはポークステーキとコーラで、計104バーツ。味は十分にうまい。

ここで、別のテーブルで食事中だった日本人旅行者の方に話しかけられた。私と同様、地獄寺に興味があってここを訪れたそうで、話を聞くとこれからなんと2年間に渡って旅を続けるそう。

会社を退職して長期旅行に出発した直後だそうで、アジア~中東~アフリカなどを回る予定だという。インターネット上では世界一周など長期旅行者のサイトはときどき見るが、実際に遭遇したのはおそらく初めて。

それにしても、お互い好きなように移動している個人旅行者の行動がこうやって一瞬だけ交差するのだから、出会いとは面白いものだと思う。この方(Yさんとしておく)とは、ここから次の寺院まで一緒に移動することになった。

ここでいったんYさんと別れ、再び寺院内を散策。それにしても、このピーが動かなくなっていたのは残念。

こういう大きな建物(別の本堂?)もあった。

この建物は前回来たときも見た記憶があるが、しかしこれらの立派なナーガは見覚えがない。おそらく、その後に作られたもの。

地獄内でみた閻魔大王(?)の裁きの場面は、屋外にも作られていた。亡者はもちろん血まみれ。

様々な神像を見ていると楽しい。前回の訪問以来、久しぶりの再会となった神様もたくさん。

ただ、こちらのロボット(おそらくトランスフォーマー)とは初対面。

近くで見ると、よくできている。しかし神像の中にロボットが混じっていると違和感がすごい。

別のトランスフォーマーもあった。あの大きなシマウマも目立っているが、ロボットの違和感には勝てない。

本当に、どうしてこういうものがあるんだろう。寺院関係者の趣味だろうか。

2つのロボットと比べると、巨大なカニもおとなしく見える。

最後に、こちらの建物を紹介。中に入ると、ガラスケースの中にミイラが安置されていた。

ミイラのアップ。ここは前回来たときには見た記憶がない。もしかしたら、前回は見逃してしまっていたのかもしれない。

貴重なミイラも見ることができ、これで寺院内を一通り歩いたと思う。いったん寺院の外に出ると、大きなドームアーチの建物が目立っていた。

前回来たときはなかったはず。あのステージで定期的に説法が行われるんだろうか。

しかし、こんな立派なステージを作る資金があるなら地獄エリアをしっかりメンテナンスしてほしいという気がしなくもない。

この建物の前には飛行機があった。ちょっと意味不明。

寺院内に戻り、もう少し歩いているときにYさんと合流。これでワットプートウドムを後にすることにした。

15年半の間に地獄エリアは老朽化が進んでパワーダウンしていたが、自分にとって地獄寺にはまってしまうきっかけになった寺院に変わりはない。いつになるかわからないが、ここにはまた来てみたい。

まずは大通りへ移動。途中の川を渡るとき、橋の上からワットプートウドムの桟橋が見えた。

大通りへ向かう途中、すごくいい感じの廃墟があった。かなり大きな建物だが、何かの工場だったんだろうか。

Yさんは折り畳み自転車を携行しての旅行だそうで、来るときはBTSクーコット駅から自転車で移動しようとしたものの、途中の激しい雨で諦めてタクシーに乗ったそう。

大通りに出ると、小さな雑貨店があったので少し休憩。ここでバスまたはタクシーを待つことにした。

このワットプートウドムは、来るときはいいが帰りの交通手段が困難な寺院としても知られている。ネット上の情報によれば、ここを通るバスは1時間に1便程度で、さらにバンコクへ戻るには途中で乗り換える必要がある。タクシーも、そんなに頻繁には通らない場所。

前回の旅行時は15分ほど待ったところでタクシーが来たが、これは運が良かったと思う。Yさんと一緒にバスまたはタクシーが来ないか待ち始めたが、たまにタクシーが通っても客が乗った状態。ここからなかなか動けない。

30分ほど待ったところでバスが来たときはほっとしたが、しかしこちらの合図が遅かったらしく、無情にも通過してしまった。まるで天国から地獄。

ただ、その5分後に空のタクシーが通りかかり、無事に移動できることになった。待ち時間が35分ほどだったのは、まだ幸運だったかもしれない。

雑貨店の前にいた犬に別れの挨拶してから、タクシーで出発。

次の目的地だが、当初はバンコクへ戻るつもりだった。しかし、バンコクからここへの移動中に大きな寺院を見かけ、Google Map で調べてみたらなんだか面白そう。その寺院(ワット スワン バムルン ラーチャ ワラーラームという長い名前)に立ち寄ってみることにした。

予想以上に楽しかったその寺院については、次のページで。