旅好きにおすすめのアニメ4選

あらかじめ告白しておくと、私はもともとアニメはほとんど見ない人間です。そのためアニメ全般に造詣が深いわけではなく、様々な作品を網羅した解説はできません。

ではなぜこういうページを作ろうと思ったのかというと、2020年5月の体験がきっかけです。この年は年初からコロナウィルスの影響で海外はもちろん国内の遠出さえできないような状況になっていました。

5月の連休は例年なら海外一人旅へ出かけるところなのですが、こういう社会状況なのでもちろん中止。連休中ずっと家にいたのは確認したら2009年以来11年ぶりでした。

(ただし2009年は5月後半にヨルダン旅行に出かけているため、この時期どこにも遠出しなかったのは2004年以来)

旅好きとしては本当にストレスが溜まる毎日でした。


というわけで、休日中やることがないので Amazon プライムで旅行番組でも見てストレス解消しようと考えました。「旅行」で検索すると世界遺産やハワイの紀行番組などが表示されたのですが、その中にひとつだけアニメが混じっていました。

前述の通りアニメは見ない人間なので読み飛ばそうとしたのですが、せっかく表示されたので一応解説を読んでみたところ、妙に心に刺さる内容だと感じました。そこで「Amazon プライムで無料で見られるから一応見てみよう」と思ったわけです。

その結果、あまりに素晴らしい世界に驚嘆し、すっかりはまってしまいました。その作品が、最初に紹介する「少女終末旅行」です。調べたら意外と有名なアニメだったのが驚きで、「なぜ今までこの作品を知らなかったのか」という気持ちになりました。

その後は Amazon のレコメンド機能で表示される作品をいくつか見てみましたが、その結果わかったのは「自分は異世界や終末世界を探索していくような作品が好き」ということ。自分が今まで見た作品から「これを見たら未知の世界に旅に出たくなる」という4つを選んでみました。


なお、前述の通り私が好きなのは「異世界や終末世界を探索していく作品」なので、現実世界を舞台にした作品は含まれていません。例えば「宇宙よりも遠い場所」という南極をテーマにした作品が評価が高いのですが、南極という現実世界(容易に行ける場所ではないのはわかっていますが、決して異世界ではない)を舞台にしているのでここでは対象外にしています。

もちろん、ここで紹介していないからといって面白くない作品というわけでは決してないので、ご了承ください。

少女終末旅行

繁栄と栄華を極めた人間たちの文明が崩壊してから長い年月が過ぎた。生き物のほとんどが死に絶え、全てが終わってしまった世界。残されたのは廃墟となった巨大都市と朽ち果てた機械だけ。いつ世界は終わってしまったのか、なぜ世界は終わってしまったのか、そんなことを疑問にさえ思わなくなった終わりの世界で、ふたりぼっちになってしまった少女、チトとユーリ。ふたりは今日も延々と続く廃墟の中を、愛車ケッテンクラートに乗って、あてもなく彷徨う。全てが終わりを迎えた世界を舞台に、ふたりの少女が旅をする終末ファンタジーが今、幕を開ける。

(引用元:Amazon Prime)

この内容紹介を見てゾクッときませんか? 何しろアニメをほとんど見ない自分が興味を持つことになったくらいです。「文明が崩壊」「廃墟となった巨大都市」「朽ち果てた機械」「ふたりぼっち」「あてもなく彷徨う」など、短い文章の中に心に刺さるキーワードが満載。

2人は多層構造になった都市の最上層を目指して食料や燃料を補給しながら進んでいきます。冷静に考えるとものすごく過酷な世界なのに、登場人物の可愛らしい見た目や軽妙なやり取りのためそれを感じさせません。

残りの食料が30日分と話している場面などは「それって余命30日って宣告しているということ?」などと思うわけですが、何か悲壮感はなくほんわかしています。世界の過酷さと楽観的な登場人物たちとのギャップが、この作品の不思議な魅力です。

また、廃墟と化していてもインフラの一部がまだ機能している都市の描写がものすごく魅力的です。背景に描かれている都市の風景を見ているだけでも楽しめます。

都市の廃墟になぜか兵器が多いこと、2人がときどきドキッとするような言葉を口にすること、アニメの最終話で文明が崩壊する前の映像が多数現れるところなど、考えさせられる場面も多くあります。

原作は全6巻で完結していて、そのうち4巻までがアニメ化されています。アニメを最終話まで見た後、結末を知りたくて原作をまとめ買いしました。これは Kindle ではなく手元に置きたいと思ったので紙の本で。

アニメ化されていない本当の最終話では、2人はついに都市の最上層にたどり着きます。ネタばらしはしませんが、なんとも物悲しい結末でした。ただ、この後2人はどうなったのだろうと想像できる余地が残されているので「希望に満ちた絶望的エンディング」という見方もできます。

残りの2巻もアニメ化してほしいものですが、やはり無理かなあ…

前述の通りアニメ化されているのは4巻までなので、本当の結末について知りたい人は原作を購入してください。旅好きにはぜひ知ってほしい作品です。

メイドインアビス

隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』呼ばれるようになっていった。アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。そんなある日、リコはアビスを探窟中に、少年の姿をしたロボットを拾い…?

(引用元:Amazon Prime)

まず最初に一言。この作品の原作者は正真正銘の変態(もちろん誉め言葉です)。

見た人ならわかると思いますが、原作者を変態と思う理由は次の3つ。

  • 小学生の裸が出てくる
  • グロ描写がえぐい
  • 見ていられないほど可哀そうな登場人物がいる

普通は「公式設定12歳の女の子の裸を出すのはさすがに問題なのでは?」と思うでしょうけど、登場人物たちがかなりデフォルメされた姿で描かれているので、ぎりぎりでOKという感じです。

最初に見たときは「登場人物の顔や体がやたらのっぺりと描いてあるけど、商業作品ならもうちょっと描き込むんじゃないの?」と思いましたが、そうすると裸やグロ場面がリアルになりすぎてしまうので、おそらくそれを考慮した上での描写ということに気付きました。

あと「この設定いる?」なんて思ったことが後のグロ描写の伏線になっていたりして、「このシーンを描きたかったからあの設定を考えたんでしょ」と気付くようなことが何度もあります。

ものすごく可哀そうな登場人物についてはここでは詳しくは書きませんが、しかしなんでこんな目に遭わせるのかね。もう周りの大人たちが悪魔に見えてきます。

最後に注意点をひとつ。登場人物たちの可愛らしい姿に騙されて家族そろって見たりすると気まずくなるかもしれません。特に小さな子供に見せるかどうかは十分に配慮してください。何しろ映画版の「メイドインアビス 深き魂の黎明」が R15+ 指定になったくらいなので。

特に映画版は上映終了後に館内で誰もが言葉をなくして静まり返ったという作品なので、見るには覚悟が必要です。

原作はまだ連載が続いていて、2021年9月時点で第10巻まで刊行されています。

原作者はこの作品を「ワクワクする自殺」と表現しています。入ったら最後、容易には戻れない異世界を探索していく作品が好きな人には最大級のおすすめ作品です。


「深き魂の黎明」については、以下の記事で感想を書いています。こちらもどうぞ。

ハクメイとミコチ

ハクメイとミコチ。緑深き森で暮らしている、小さなふたりの女の子。木の洞(うろ)に家を造ったり、葉っぱを傘にしたり、昆虫や鳥の背に乗ったり……身長9センチメートルなら、そんな事も出来るのです。そーっと覗いてみませんか? 穏やかで愉快で、とびきり愛らしいその生活を。

前2作が終末世界とグロテスクな異世界が舞台でしたので、それらとは対照的に安心して見られる作品も紹介します。こちらはもう心温まるというか、ほのぼのとした作品。

特に何か大きな事件が起きるわけではなく、小さな人たちの日常が淡々と描かれています。個人的に好きなのは11話で夜行列車に乗って湖に釣りに出かけるシーンで、自分も以前はよく夜行列車で旅行していたので懐かしい気持ちになります。

(さすがに最近は年齢的にもきつくなったのと、日本では夜行列車自体が消滅しかかっているので乗る機会はなくなりました。当サイト本館の国内旅行編では、夜行列車での移動をいくつも載せています)

湖で釣りしているときに雨が降ってきて、主人公が連れに「釣り、つまんない」とはっきり言ってしまうところも笑えます。

あと、この作品は食事や酒やデザートが実に魅力的に描かれているため、見た後は何か食べたくなるので注意してください(笑)。

メイドインアビスとは違って、こちらは小さな子供と一緒に見ても大丈夫です。安心してください。

キノの旅

旅ものといえば、やはり一番有名なのは「キノの旅」でしょう。少年みたいな恰好をしたキノ(実は少女)がモトラド(バイク)に乗って世界各地の国々を旅していくという一話完結型のアニメです。この国々が、それぞれ独特の制度、風習、価値観、技術力を持っていて面白い。話自体も最後にひねりが加えてあって楽しめます。

なお、ここで登場する国は、現代人が考える国とはちょっと違います。現代では国境線は文字通り「線」であり、境界によって領土が厳密に分けられています。どの国にも属さない領域はありません。

しかしながら、このような考え方は近代になってから確立された比較的新しいものであり、中世までは「城壁に囲まれた範囲が国の領土であり、その外にはどの国にも属さない領域が広がっている」という考え方が一般的でした。国境線というより「国境ゾーン」というイメージです。

キノの旅に登場する世界も、城壁の外はどの国の支配も及んでおらず、十分に武装していないと危険な無法地帯です。このため登場人物が武器の扱いに慣れていて、キノも少女なのに銃の腕前は超一流です。

これらの国々に「3日間だけ滞在する」というルールを決めて出入国を繰り返し、様々な人たちに出会っていろんな出来事に遭遇するのが、この作品の基本的な設定になっています。

第1作(2003年版)

TVアニメは2回製作されていて、最初は2003年の第1作。今見ると、さすがに古いだけあって絵も粗いという印象を受けます。もっとも、それもまた味があっていいんですが。

キノの声を演じているのは女優の前田愛。これが声優デビュー作らしいんですが、棒読み一歩手前というか、ぶっきらぼうな感じがするところが不思議と心地よく感じます。意識してそれを狙っていたのかはわかりませんが、物憂げな声がキノの表情と合っています。

一番好きな話は「レールの上の三人の男」で、無為な作業を50年間もやり続けている男たちが素晴らしい。「人の痛みが分かる国」なんて、こうなることは事前に予測できなかったんでしょうかね。

公式のPVはないので、オープニング曲を紹介しておきます。

2017年版の曲もいいんですが、やはりキノの旅といえば下川みくにの All the Way なんですよねえ。

第2作(2017年版)

14年ぶりに製作された新版。下のPVを見ればわかる通り、さすがに第1作と比べて絵は格段にきれいになっています。

一番好きなのは「船の国」。私自身が船に関係する仕事をしていたためというのもあるんですが、いつか沈没するというのが明らかなのに、それが信じられず航行を続ける国民に共感してしまいます。この国では、救おうとする行為が逆にお節介なことに。

また、ずっと船に乗っていると、陸に上がっても「揺れない」というのが逆に不安になるのもわかります。それから、重要なサブキャラクターのティーが初登場する作品でもあります。

船の国のその後はアニメでは描かれていませんが、原作では別の国の話の中で「海辺にたくさんの物資が流れ着いていた」という記述があることから、程なくして沈没したものと思われます。

他では、第1作でもアニメ化されていた「大人の国」と「優しい国」、他には「迷惑な国」、フォトが初登場する「雲の前で」が好きです。

原作について

2021年時点で第23巻まで刊行されています。私は図書館で借りて全巻を読みました。(アニメを紹介するくらいなら買って読めよ、というツッコミは無しでお願いします)

23巻もあると、登場する国の数も相当に多くなっています。これだけ多様な国々を考えだす作者の才能もすごいのですが、当然ながらアニメ化されていない国の話がたくさんあるわけです。

個人的にアニメ化してほしいのは「城壁のない国」「歌姫のいる国」「続・戦車の話」「助けに来た国」など。できれば第3作を制作してほしいものですが、いつになるだろう。


以上、自分が旅好きにおすすめする4作品を紹介してみました。他に「上記作品が好きならこちらも気にるはず」という意見があればメッセージをください。このページも、これから5選、6選と増やしてくかもしれません。

上記で紹介した作品は「d アニメストア」「d アニメストア for Prime Video」「U-NEXT」などで見ることができます。月額費用は必要ですが、有料会員になってでも見る価値は十分ある作品なので、興味を持った人はぜひ。

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