2020年7~9月にメイドインアビス2期「烈日の黄金郷」が放映されました。当サイトの以下のページで紹介している通り、個人的に大好きな作品です。
最終話の放送から3ヶ月が経ち、ここで感想を書いてみることにしました。ただし、私はアニメはあまり見ない人間なので、本格的な感想は書けません。深く考察した文章を読みたい人は、本物のファンのサイトがネット上にはいくつもあるので、それらを探してください。
1期+映画で原作の1巻~5巻を消化したのに対し、2期だけで6巻~10巻を扱うため「重要なシーンがカットされまくりにはならないよね?」と不安に思っていましたが、若干駆け足にはなったものの原作に忠実に映像化してくれたことには感謝しています。
「大丈夫、みんなにも振る舞ったさ」というカニバリスティックなセリフをそのままTV放送してくれたのもすごい。
このページでは、あくまで個人的な感想だけを思いつくままに書き散らしています。なのでファン以外には意味不明のページになっているかもしれませんが、そこはご了承ください。あと、ネタバレありなので未見の人はご注意を。
全体的な感想
まず、映像があまりにもきれいなことに感動しました。背景も驚くほど作り込まれていますし、もはや無料で見せていいレベルではないのでは?
大胆な順序変更
第1話を見て「え? そこから始まるの?」と思った人も多いはず。前述の通り2期は原作の6巻~10巻がアニメ化されていますが、1話は8巻の内容からスタートしました。最初は驚きましたが、おかげでスムーズに話に入っていけましたし、効果的な改変だったと思います。
イルミューイ役の声優さんの迫力
イルミューイ&ファプタ役の声優、久野美咲さんの声がすごい迫力でした。特に、このシーン。
倫理観が最高に崩壊した場面でしたねえ。
ワズキャンの計画
原作を読んでいるときはいまいち理解できなかったワズキャンの計画も、アニメでは理解できました。
- 成れ果て村という安全なシェルターを作り、ひとまず暮らせるようになった
- しかしイルミューイが1ヶ所に根を下ろしてしまったのは想定外
- また冒険を再開したいが、外に出られないし、このままではどこへも行けない
- イルミューイに代わる誰かに欲望の揺籃を使って、移動するシェルターを作りたい
- しかしこんな地の底に子供が来る可能性はほぼゼロだろう
- と思っていたらリコがやってきた。これは千載一遇のチャンス!
- 「まあ無理だとは思うけどね」とレグをけしかけて、ファプタの一部を持ってこさせる
- 村を動揺させ、ファプタを村に侵入させて大混乱に陥らせる
- この騒ぎでリコが瀕死の重傷を負えば、ファプタがリコに欲望の揺籃を差し出すのでは?
- 冒険心の強いリコなら、シェルター化しても1ヶ所に留まることはないはず
- リコ村という移動基地の完成だ! また冒険に出られる!
「難しいなあ」と話していたのは、計画がうまくいくかわからなくなったからでしょうかね。その後、自分の体を使って原生生物が入ってくるような道を作ったのも、現場をさらに混乱させるためかも。レグが「ワズキャンめ…」と文句を言っていた理由がやっとわかりました。
最後、消えていくときにワズキャンに去来していたのは諦観だったのかも。
リコ隊の所業
成れ果て村編は原作の6巻~10巻という長さを費やし、連載期間は5年に及んだため作中でも長い時間が経っているように思いがちですが、実際はリコ隊が到着してから半日くらいの出来事なんですよね。
住人の体感で150年ほど続いてきた成れ果て村が、これほど短時間で崩壊してしまうというのも、改めて考えてみればすごい話です。イドフロント基地に続き、ネット上では「リコ隊が通った後はペンペン草も生えない」などと揶揄される破壊ぶりが驚異的。
もっとも、村の住人から見れば、冒険から一転して安寧の日々が続き、刺激と言えるのは定期的に行われる呼び込みだけ。これは楽園なのか、または牢獄と捉えるのか。
そう考えると、リコ隊の所業は永遠に続く苦行からの解放だったのかもしれません。
ガンジャ隊の行程
原作ではわりとあっさりと黄金郷までたどり着いていたガンジャ隊ですが、アニメでは途中段階も描写されていたのでわかりやすかったと思います。
奈落門
ガンジャ隊が島にたどり着き、原住民の村へ向かう途中にあった門に見覚えが。
これって「奈落門」ですよね。アニメ1期にも登場していました。
ただ、現代では奈落門の横が崖になっているのに対し、過去は森の中にあります。場所が変わっていないとしたら門の横が大きく陥没したということを示していて、2000年ごとに層が増えているという推測の根拠になるはず。実際、ガンジャ隊が見下ろしているアビスの淵が大断層みたいに見えるんですよね。
あと、ガンジャ隊が出会った村人たちが、村が滅んだ後にお祈り骸骨になったんでしょうね。
巨人の盃
オープニングの映像は、ガンジャ隊とリコ隊が数千年を隔てて同じ場所を移動している風景が描かれていました。このアイディアには素直に感動。
深界四層を歩いている場面を見たときに思ったのがこちら。
「タマウガチに出会わなくてよかったね」
それにしても、全滅することなくここまでたどり着いたガンジャ隊の能力はすごい。
イドフロント
深界五層まで到達したとき、個人的に驚いたのがこちらの風景。
イドフロント基地って、この時代から存在していたんですか。この基地は、絶界の祭壇を囲むようにボンドルドが建設したのかと思っていました。渦を利用した発電装置が数千年前に作られていたということは、ここには超古代文明が存在していたということなんでしょうね。
還らずの都
深界六層「還らずの都」を最初に見たときの感想は「こんなに明るいの?」。原作を読んでいたときはわりと薄暗い世界を想像していたので、まるで快晴の日みたいな明るさに驚かされました。すぐ上の層に海があるというのに、これだけの光がどこから届くんでしょうね。
登場人物
続いて、登場人物についての感想をいくつか。
ヴエコとパッコヤン
原作にかなり忠実に作られていたアニメでしたが、いくつかカットされていたシーンもありました。その中でも、ネット上で悲鳴に近い声が上がったのがヴエコとパッコヤンのパッコパッコシーンがなかったこと。まあ、さすがにTV放映するアニメでは難しかったんでしょうかね。
もし、この禁断の場面が映像化されていたら、パッコヤンがモジモジするシーンも微笑ましく思えたはず。
あと、ヴエコさんに関してはレグを見て「少年の柔肌見たのいつぶりだろ」という台詞もカットされていました。恍惚とした表情でしたし、これもTVアニメでは難しかったのかも。
ただ、やはりヴエコさんには生き残ってほしかったなあ。
ファプタの格好
成れ果て村に入ってきたファプタを後ろから映した場面を見て、改めて気付かされたこと。
「そういえばファプタって全裸だったんだな」
穴まで表現してくれたのは、スタッフのちょっとした遊び心かもしれません。しかし、この格好を見るとレグもブラ代わりのゴーグルより先にパンツを渡せばよかったと思うんですが。
あと、このシーンではピザカッターで武装するムーギィさんという面白い姿も見られます。
アジャポカの最後
原作を読んでいて、気になっていたのが「アジャポカさんってどうなったの?」ということ。
ガンジャ隊で名前が判明している数少ないメンバーですし、活躍の具合から見ても単なるモブキャラというわけではなかったはずなんですが、成れ果て村が成立して以降の消息がよく分かりません。
そんなアジャポカさんですが、アニメで成れ果て後の姿が判明しました。
そして、原作を読み直してみるとファプタ襲来のときに登場していました。内臓を食い破られたエンベリーツからファプタが出てきたときに棍棒で殴りつけています。狙いが外れてエンベリーツの頭を思い切り殴っていますが、まさかこの成れ果てがアジャポカさんだったとは。
その後、エンベリーツとともに爆死したようです。
アニメでも同様の場面で登場し、エンベリーツを殴りつけています。
そして、あっさりと退場。
過去編ではわりと重要なキャラクターだったと思うんですが、それにしてはあっけない最後でした。ネット上を見てもアジャポカの最後について記述しているサイトは少ないようなので、ここで記録しておきます。合掌。
それにしても、「旅好きにおすすめのアニメ」のページに記述した通り、もともとアニメなんてまったく興味がなくて一切見ない人間だったのにこんなにはまってしまうとは。2020年のGWが転機だったので、自分にとってコロナの影響のひとつと言えます。あと、この作品の原作者が本物の変態だから、そこで波長が合ったのかもしれません。
それから、やはりオープニング映像が素晴らしすぎです。時間軸をずらして2つの映像を並行して見せるというアイディアがすごい。
原作の進み具合から考えると、3期は4~5年後くらいでしょうか。それまでは何とか生きていたいものです。
原作の第10巻についても、以下のページで個人的な感想を書き散らしています。興味があればこちらもどうぞ。
(2023.1)続編製作決定
放映が終了して3ヶ月後、YouTube で驚くようなニュースが。
まだ原作のストックも少ないというのに、これには本当にびっくり。やはり、制作陣も続きを待ちきれないということでしょうか。
ともかくも、これで生きる楽しみができました。ともに夜明けを見届けましょう。
コメント