【メイドインアビス「深き魂の黎明」の感想】

前回は「メイドインアビス第10巻の感想」を書いてみましたが、それに続いて今さらながら映画版「深き魂の黎明」について記述してみます。ネタバレありなので、興味があって未見という人は読まないようにしてください。

当サイトに以下の記事を書いていますので、このページも一応は旅行に関係していると解釈してください。

なぜ2020年1月公開の映画を今になって紹介するのかというと、Amazon プライムビデオで見られるようになったのが2021年7月だから。というわけで、公開から1年半経って、ようやく見ることができました。「ファンならブルーレイを買えよ!」と言われそうですが、まあ近いうち買います。特典映像の「マルルクの日常」も見たいし。

前回の「メイドインアビス第10巻の感想」にも書きましたが、私はアニメはあまり見ない人間なので、本格的な感想は書けません。深く考察した文章を読みたい人は、本物のファンのサイトがネット上にはいくつもあるので、それらを探してください。このページでは、私が感じたことだけを書いてみます。

ボンドルドの人気ぶり

アニメ1期ではあまりの外道ぶりに拒否反応を起こした人も多いでしょうけど、実は登場人物の人気投票では不動の1位になるくらいのキャラクター。ここまで鬼畜度が突き抜けてしまうと、逆に憎めなくなるということでしょうか。

ただの単純な悪役ではないところが人気の要因だと思います。あくまで「人類のため」という理由で研究を行っているのであって、そのために必要な犠牲という考えなんでしょう。成れ果てたちの名前を全員しっかりと覚えていることからも、単なる実験材料と見ているわけではなく愛情を持っているようです。最初に自分自身を材料にしていることから「だったらお前がやれ」という理屈も通じません。

それから、映画版で感動したのが最初の登場シーンです。原作では1コマのみで簡潔に表現されていましたが、映画ではスローモーションを使って「ラスボス登場!」という感じの素晴らしいシーンに生まれ変わっていました。

プルシュカという存在

アビス深層で、これほどまともな人物が登場するとは思っていませんでした。癖のある人物ばかりが現れる中、このプルシュカも何か裏があるんだろうと思っていたんですが、まさかの天真爛漫さ。この作品で唯一の良心という例えが多いのも納得です。

だからこそ「この後、リコ隊の仲間になって一緒に深層へ進んでいくんだろうなあ」と思っていたんですが、まあ確かにそうはなったものの、まさかあんな形とは予想外でした。本当に、この作者は期待を大きく裏切ってくれます。

ところで、ボンドルドにとってプルシュカみたいな存在は本当に唯一だったんでしょうかね。実はお互いに会っていなかっただけで、イドフロントの広さを考えると複数の区画でそれぞれ育てられていてもおかしくないように思えます。例えば他のカートリッジとして名前が出ていた「ターキリ」「トーレイテア」「ノペロ」なども、もしかしたらプルシュカみたいな存在だったかもしれず、だからこそ躊躇せずカートリッジ化できたのかも。

イドフロントの回転方向

ボンドルドの研究施設がある「イドフロント」は、深界五層「なきがらの海」にある円形の島のような形で描かれています。ゆっくりと回転しながら水流から電力を得ているとされていますが、映画版でその様子を見てなんとなく違和感が。

(C) つくしあきひと・竹書房 / メイドインアビス製作委員会

この違和感の原因がしばらくわからなかったんですが、ずっと考えているうちに思い当たりました。

回転方向が逆じゃない?

映画版では上から見て右回りに回転しています。ところが、アニメ1期のオープニングを見ると左回りです。原作では回転方向には言及されていませんから、これはアニメ独自の設定のようです。この回転方向の違いについては、ネットで検索しても情報がほとんど見つからないことから、気付いている人は案外少ないのかもしれません。

これだけ作り込んである作品ですから、さすがにうっかりミスはないはず。一応、理由としては「なきがらの海には潮汐があり、発電効率の関係で潮の流れの方向によって回転が変わる」ということも考えてみましたが、はたしてどうでしょうか。

他に納得できるような考え方があれば、メッセージで知らせてください。

カットされたシーン

原作がほぼ忠実に映像化されていること対しては制作陣に感謝していますが、時間の関係でどうしてもカットされるシーンが出てしまうのは仕方のないところです。

特に「ここは入れてほしかったなあ」と思ったのが、アンブラハンズになれなかった人間たちにプルシュカが手作りの笛をプレゼントしていたシーン。これはプルシュカの性格に関してのわりと重要なシーンと思っていたので、カットされたのは残念でした。

リコはサイコパスなのか

リコがボンドルドから「君は私が思っているより、ずっとこちら側なのかもしれませんね」と語りかけられていますが、それは私も感じていました。そもそも最初にレグを見つけたときから焼けた石炭を食べさせたり、髪の毛に火をつけようとしたり、ドリルで皮膚の強度を確認したり、全身をくまなく調べた上で尻の穴に棒を差し込んだり、とんでもないことを平気でやってます。

そりゃあレグもこんな顔になるはず。

(C) つくしあきひと・竹書房 / メイドインアビス製作委員会

余談ですが、個人的にレグの表情で一番好きなのは1期13話のこのシーンなんですけどね。

(C) つくしあきひと・竹書房 / メイドインアビス製作委員会

生まれがアビスの深層だからなのか、目的のためなら手段を選ばないところもボンドルドと共通しているかも。

あと、なんでライザからの大切な手紙の裏にあんな落書きをしてるんだか。

白笛の材料

白笛の材料「ユアワース」ですが、この原材料が人間であることが明かされます。ボンドルドは自分自身を使っているから例外として、他の白笛たちは人間を使っているはず。それぞれの原材料になったのが誰なのかということについては、いろんなサイトで考察されているからここでは触れません。

興味があるのは、白笛になりたがっているハボルグのことです。当然、本人はマニアだから原材料についても知っているはずで、いったい誰を使おうと考えているんでしょうね。孤児院の子供たちに慕われているのも、実はそのための作戦なのかもしれないと考えると、巨体に似合わない優しそうな声と口調が別の意味に思えてきてしまいます。親がいない孤児たちなら、心理的な抵抗も少ないでしょうし。

(C) つくしあきひと・竹書房 / メイドインアビス製作委員会

連載が進むと、白笛になった姿で再登場しそうな気がしています。こういう展開がありそう。

「ハボさん、また会えるとは思わなかった」
「俺も白笛になって追いかけてきたよ」
「孤児院のみんなは元気?」
「実はな、リコは今、ナットとも再会しているんだぞ」

いやあ、度し難い…


以上、素人の感想をいくつか書いてみました。繰り返しますが、私はアニメ全般に造詣が深いわけではないので、本物のファンのような深い考察はできません。こういう自分が珍しく気に入っているのがこの作品なので、このページを見て少しでも興味を持ってくれる人が現れたら嬉しく思います。

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