バックパッカー的な旅行を20年以上続けている者からすると、かつてはスマートフォンなんてなかったので、旅行先ではカメラで写真を撮るのが当然という気持ちがあります。
しかしながら、最近はスマートフォンのカメラ機能も向上してきて、カメラを持たずにスマホで写真を撮っている人を見かけることも多くなってきました。
私もスマホで写真を撮ることはありますが、日常の風景を撮るのであればいいとしても、特に海外など滅多に行けないようなところで写真を撮るのであればカメラのほうがいいのではないかと考えています。
その理由を自分なりにまとめてみます。
解像度の違い
カメラとスマートフォンを両方使っていて感じるのは、やはり解像度の違いです。
例えば、下の写真は沿ドニエストル共和国の首都ティラスポリにある政府庁舎を撮ったものです。

正面入口の上にあった鎌とハンマーのマークをアップで撮りたかったので、近づいてみました。しかしながら階段を上り始めたときに建物の中から役人が出てきて、厳しい表情で「それ以上近づくな!」と制止してきました。
旧共産圏では特に役人には逆らうべきではないのでこちらも慌てて退散しましたが、上の写真を拡大するとマーク自体は確認できたのでほっとしました。スマートフォンで撮影していたら、ここまでの拡大はできなかったはず。

旅行先では、うまくアップで撮れなかったり、また偶然写ったものを拡大して見てみたいと思うことが多くあります。このとき、スマートフォンの写真では拡大したらドットが目立ってしまい、何が写っているのかはっきりしなくなるということが起きます。
画質の違い
解像度も画質の要素のひとつですが、画質とは「見た人の印象」であり定量的に表せるものではありません。
主観的な評価なので異論もあると思いますが、カメラには後述する撮影モードの多様さがあることから、画質に関してはスマートフォンでは物足りなさを感じます。
ピントの合わせ方
カメラでは下の写真のようにピントをどこに合わせるかを容易に選択できます。


おそらくスマートフォンでも可能なんでしょうけど、背景をいい感じにぼかしたりして自分の好みの写真を撮るにはカメラのほうが適していると思えます。
撮影モードの多様さ
顕微鏡モードでは下のような写真が撮れます(ダイビング中に撮ったウミウシ)。

こちらは夜景モード。

他にも様々なモードを状況に合わせて使えるのがカメラの利点といえます。
技術の進展
どれほどスマートフォンのカメラ機能が向上したとしても、やはりカメラには敵わないと思います。カメラの性能が現状のまま停止し、スマートフォンの機能だけが向上していくのであれば、いつか追い越すことになるかもしれません。
しかし、スマートフォンと同様にカメラの性能も向上していきます。この差は、この先もずっと埋まらないのではないかと考えています。
レンタルという選択肢
旅行のためにカメラを買うのはためらわれるという人にはレンタルもあります。こういうところを利用するのも選択肢のひとつです。

日常使いであればスマートフォンでも十分と思いますが、旅行という非日常空間の中で写真を撮るのであれば、やはりカメラを使うほうが満足できると思います。
旅行先でもスマートフォンで写真を撮っている人は、一度カメラのレンタルを試してみてください。考え方が変わるかもしれません。
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