2017年から趣味で乗馬を始めており、月1回ペースで湯布院にある乗馬クラブに通っていますが、ついでに訪問できるような面白そうなスポットがないかときどき探しています。今回は、大分県国東市にある伊美別宮社という神社へ行ってみました。場所はこちら。
この神社へ行ってみようと思ったのは、境内に「陰陽神」が祀られているという情報があったため。陰陽神がどういうものかは、名前から想像できると思います。
湯布院から国東半島を縦断して伊美港へ。ここから沖合にある姫島という島へフェリーが出ています。いつか行ってみたい島ではあるものの、今回の目的地は港の近くにある伊美別宮社。
駐車場に車を停め、林の中を抜けて神社へ。
塀越しに眺めた本殿。かなり立派な神社のようです。
境内に入る前に、まずはこちらを見てみました。これは「国東塔」というもので、主に国東半島に分布している石造りの宝塔のこと。詳しいことは Wikipedia を見てもらうことにして、ここにあるのは高さ4.18mで1290年の銘が刻まれているそうです。
しかし、この形式の宝塔が国東半島にだけ集中しているというのも、なんだか不思議な気がします。摩崖仏も大分県に集中しているそうですし、古代には特別な地域だったんでしょうか。
境内に入る前に、しばらく林の中を散策。
頭に灯籠を載せた狛犬というのは初めて見たような気がします。ちょっと面白い姿をしていて、こういう狛犬は珍しいかも。
林を抜けて歩いていくと、池に石造りの橋が架かっていました。この太鼓橋は江戸時代末期に作られた参道だそうですが、現在は通行禁止。
池にはなぜか小便小僧が。今は水は出ていませんが、噴水代わりに設置されたものなんでしょうか。この発想は面白い。
さらに歩いていくと大きな鳥居が見えてきました。駐車場が神社の裏手にあったので、つまりここが神社の正面になります。
鳥居の近くにあった石碑には、先ほどの国東塔と並んで陰陽神の文字も刻まれていました。この神社の推しになっているようです。
ここで引き返し、楼門をくぐって神社の境内へ。
きれいに清掃されている境内を歩き、まずは拝殿に参拝。ここに祀られているのは応神天皇、仲哀天皇、神功皇后の三柱。
拝殿の後ろに、三角形の屋根が特徴的な本殿がありました。
参拝を終え、続いて陰陽神へ。
途中に境内社の稲荷神社がありました。稲荷神社といえば、ずらりと並んだ鳥居が特徴。
さらに歩くと、陰陽神の案内板が。「日本三大珍宝」と書かれていますが、後の2つはどこなんでしょうか。
それにしても、林の中の木漏れ日がきれいです。
やがて陰陽神を祀った社殿が見えてきました。
この社殿の中に陰陽神が鎮座しています。
陰陽神社殿の前にあるのは、ミニ鳥居の列。
3つ並んだ鳥居は「男鳥居(諸願成就)」「女鳥居(家内安全)」「子鳥居(子孫繁栄)」だそうです。私はメタボ体型ではありませんが(BMIで19.2~19.4程度)、さすがにここをくぐりぬけるのは無理。
では、陰陽神社殿の中に入ってみます。
まずは右側にある今熊社に参拝。
いよいよ、左側にある陰陽神と対面。
陰陽神という名前からわかり通り、形はもちろん男根。そして、その根元にある溝が女陰でしょう。
いやー、立派ですねえ。「いつまでも元気でいられますように」と参拝しておきました。
先端付近に近寄ってみました。
裏側からの眺め。
なかなか写実的です。
女陰のほうは、ちょっとこじつけという気がしなくもありません。
社殿には「陰陽神由来略記」が書かれていました。それによると仁和2年(第58代光孝天皇の時代)に岩清水八幡宮の御霊を分祀したことに由来するそうで(それで名前が別宮社)、相当に長い歴史があるようです。
この由来略記の後半部分が興味深かったので記載しておきます。
願主は伊美随一の名石工に命じ現物の模写等数多の秘話や逸話を残して完成された逸物であるが、一時は風紀紊乱の謗りを受けて土中埋没や海中投棄等されたが、その行為者は悉く局部の激痛や高熱に苦悶する等の神罰に遭い、恐懼その非を悔いて此所に鎮座奉鎮したものである。
陰陽神由来略記
怖い話ですね。ちゃんと参拝しないと大変なことになりそうです。
ところで「紊」という漢字は初めて見たように思うんですが、読み方は「ぶん」「びん」、意味は「みだれる」「みだす」だそうです。少し知識が増えました。
陰陽神よろこびおみくじは1枚100円。賽銭箱に100円を納めてから1枚を選んだところ、中吉という微妙な運勢。
おみくじには「よろこびに 身は震い 快美に泣く 声の神にし 響き 幸は開けん」という言葉も書かれていました。意味ありげな文章ですが、どういう意味なんだろう。
この後、陰陽神社殿の周辺をしばらく散策。大きな恵比寿像がありました。
おそらく、戦争に関連すると思われる「忠魂碑」も。
これで境内を一通り見たので、伊美別宮社を後にして次の目的地へ向かうことにしました。
この神社の陰陽神は、まだネット上でもそれほど情報が多くはなく、珍しいスポットを訪ね歩く人たちの間でもあまり知られていないようです。日本各地の陰陽神や道祖神を見るのが趣味という人は、ぜひ参拝してみて下さい。
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