【脇田温泉にある鯉魂供養塔を紹介します】

年末年始の旅の最終日。青春18きっぷは前日で5日分を使い切り、この日はバスでの移動になります。目的地は福岡県若宮市の脇田温泉。

といっても温泉に入るのではなく、この温泉街にちょっと面白い物件があることがわかったため。こういうものを訪ね歩くのは好きなので、この機会に訪問してみました。


博多駅から吉塚駅へ移動し、博多税務署に立ち寄って年末調整の書類を提出。私は会社員ではなくフリーランスエンジニアみたいな立場なので、こういう作業を自分でやる必要があります。郵送でもいいんですが、今回は旅行を利用して提出しました。この日は官公庁の仕事始めになる1月4日。

税務署から西鉄バスの「九大病院・県庁前」バス停へ歩いて移動し、10時半の直方行きバスで脇田温泉へ。福岡市街を抜けると山の中に入っていき、予想外に風光明媚な車窓風景を楽しめました。福岡市近郊がこんなローカルな雰囲気になるとは、ちょっと意外。

1時間ほどで脇田温泉に到着。待合所の建物が、なんだかいい感じ。

目当ての場所は、事前には「犬鳴川沿いにある」という情報しかなく、詳しい所在地はわかっていません。とりあえず一番近くにある橋のほうへ歩いてみますが、しかし旅館の名前が「桃源郷」というのが秘湯みたいでいいですね。

向かい側にある居酒屋も、外観は店というより普通の民家。

桃源郷の先にあった橋を渡ると、その場所は唐突に現れました。

目当ての場所とは、つまり男根があるスポット。私はこういう場所が大好きなんです。

この場所の正式名称は「鯉魂供養塔」。つまり鯉を供養する場所らしいんですが、それがどうして男根なんでしょうね。

屋外に安置されているので苔などがすぐに発生しそうですが、白く光っているのがすごい。しっかりと清掃が行われているのでしょう。

先端のアップ。ここをたわし等でこすっている場面を想像すると、それはそれで…

根元には2個の玉。ここに関しては写実的というよりもデフォルメされた感じ。

では、祠にも参拝します。願い事はもちろん「いつまでも元気でいられますように」。

今年の三社参りの3ヶ所目は鯉魂供養塔でした。

参拝を終え、振り返った眺め。先端に触って男根にもお参りした後、供養塔を後にしました。

それにしても、鯉を供養するのにどうして男根なんでしょうね。この2つがどうしてもつながらないんですが、それはともかく日本には本当に不思議な場所があるものです。

この供養塔の周囲には造成中のような空き地が広がっていました。

Google Map のストリートビューを見てみたら、かつてここには大きな温泉旅館があったようです。

© Google Map

旅館の名前は「喜楽荘」。調べたら2021年3月に営業終了していました。

© Google Map

旅館の建物が取り壊されているため、供養塔の周囲は開けた感じ。今後、ここにはどういう建物が建つんでしょうか。

これで鯉魂供養塔の参拝は終了。ここの男根はまだネット上でも情報が少なく、あまり知られていないようです。日本にはこんな風にひっそりと男根が存在している場所がいくつもあるわけで、本当に不思議な国だと思います。

こういうスポットは他にもたくさんあると思うので、今後もライフワークとして訪問していきます。


バスの運行時刻から、今回脇田温泉に滞在するのは1時間ほど。供養塔の後は、温泉街を歩いてみました。こういう古そうな建物が並んでいるところは、つげ義春の世界にも通じるものがあるかもしれません。

犬鳴川沿いに「楽水之径」という遊歩道が作られていました。

せっかくなので、楽水之径を歩いてみます。

地面に設置された庭園灯が面白い形。最初に見たときは「上に昆虫が乗っているのか?」と思いました。

楽水之径は旅館の間へ続いています。旅館の部屋から川を見下ろしたら、せせらぎの音と眺めがきれいでしょうね。一生のうちに、ここに宿泊する機会があるかどうかはわかりませんが。

あの赤い橋と、横の小さな滝がいい感じ。この川は、夏には子供たちの水浴びの場にもなるそうです。

この楠は「夫婦楠」。2本の楠が根元でつながっていることから、縁結びや夫婦円満にご利益があるとしてパワースポットになっているとか。なんだかエロい。

夫婦楠の近くに、まるで秘密基地に続くかのような細い通路がありました。宿泊客以外も自由に通れるみたいなので、もちろん入ってみます。

頭上に注意して進むと、この先は「楠水閣」という旅館の正面に続いていました。

ここからは、先ほど見た赤い橋へも通路が続いています。

なんだかダンジョンを探検しているようで、すごく楽しい。

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橋の上からの犬鳴川と楽水之径の眺め。

橋を渡り、ここを上がっていくと露天風呂があるそうです。ただし「スベッテ」歩きにくいので注意。

露天風呂の建物を眺めたところで引き返し、再び楽水之径の周辺を散策。地元の人たちによる俳句が並んでいるエリアもあります。

「老いといふ豊かさにあり桃の花」。私も50代になり「年金は繰上げでもらうほうが得か」を考えるような歳になったので、こういう俳句は印象に残ります。

しかしこの遊歩道、耳から「らくすいのみち」と聞いたら「落水の道」だと思ってしまいそう。余計なお世話ですが。

その後、温泉街を歩いてバス乗り場へ。鯉魂供養塔の男根をもう一度見てから、12時半のバスで博多駅へ戻りました。普通の民家の近くに男根がある風景が面白く、脇田温泉にはまたいつか来てみたいものです。

その後、博多駅から高速バスで佐世保へ。年末年始の旅行は、これで終了。

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