山口県長門市の俵山温泉に「麻羅観音」という寺院があります。場所はここ。
なかなか興味深い寺院なので、山口県の密かな名所になっています。ここでは2017年9月に参拝してきたときの風景を紹介します。ちょっと変わった御守りなども購入できるので、興味のある方はこのページを参考に訪問してみてください。
俵山温泉へのアクセス
JR下関駅とJR長門市駅を結ぶサンデン交通バスに乗り、俵山温泉で下車します。下関からの所要時間は2時間弱、運賃は1,710円(2020年時点)という長いバス移動ですが、のどかな風景の中を走るのでそれほど疲れないはずです。
なお、この路線は途中ものすごい名前のバス停があるので見逃さないように。
近くに「壇ノ浦の戦いで敗れた安徳天皇の御陵墓参考地(宮内庁管理)がある」というのがバス停の由来らしいのですが、しかしすごい名前です。バスの中で「次は天皇様」というアナウンスが流れたときは仰天しました。
俵山温泉から
俵山温泉に到着したら、バス停から歩いて5分ほどで麻羅観音が見えてきます。しかしすごい看板です。
ここが本堂です。階段を上がってみましょう。
由来が書かれた石碑があります。
天文20年(1551年)9月1日
中国地方の太守 大内義隆は家臣の陶晴賢に攻められ、湯本温泉の大寧寺で自刃した。翌2日長子の義尊公はこの奥で捉えられ惨殺された。墓は近習のものと共に上安田にある。
末子の歓寿丸は女装して山中にかくまわれていたが翌年春捕らえられて、ここで殺され男児の証拠に男根を切られて持ち去られた。これを里人はあわれんで、この社をたてて霊を慰めた。
ここは子宝に恵まれない人や健康増強への願いを託す参詣者で賑わう。
悲しい由来があるようなんですが、それがなぜ「子宝」や「健康増進」になったのか、その経緯がよくわかりません。
子宝祈願と言われているだけあって、寺院の境内はこういうものが林立しています。この眺めは壮観。
なお、こういうものが林立しているといっても、ここは決していかがわしい場所ではなくれっきとした寺院なので勘違いしないようにしてください。これも日本古来からの文化です。
本堂内の様子。徳利みたいな奉納品がたくさん並んでいます。
この奉納品は本堂の外の社にもたくさん奉納されていました。
え???
本人なのか、同姓同名の別人なのか…
近くの店(私が訪問したときは無人でした)では各種の奉納品や土産物も売られています。
私は開運昇運御守り(700円)を買ってみました。無人なので代金はかごの中に入れるという信用商売ですが、まあ御守りを盗むような不届き者はいないでしょう。
個人的にも、この御守りの効果はあったようです。50代になってもまだ元気ですし(笑)。
俵山温泉
麻羅観音がある俵山温泉も、ひなびた感じの雰囲気のいい温泉街です。つげ義春の作品に出てきそうな風景。
温泉街の中にある「涼風亭」というレストランで昼食にした後、バスで下関に戻りました。
私は2001年にもここへ来たことがあり、このときが16年ぶりの再訪でしたが、俵山温泉と麻羅観音の様子は全く変わっていませんでした。
子宝や生涯現役を祈願したい方、ひなびた温泉街が好きな方は俵山温泉を訪問してみてください。私もまたいつか再訪します。
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