台湾滞在記(高雄 / 鳳儀書院)

高雄滞在最終日。午後の便で福岡へ戻るのだが、午前中に少し時間があったので、こちらも以前から見たいと思っていた鳳儀書院という場所へ行ってみた。ここは昔の学校を再現した記念館になっている。

なぜここを見たいと思ったのかというと、高雄のキャラクター(そして多分くまモンの親戚)高雄熊の Facebook に鳳儀書院が登場していたため。間抜けなオブジェが気に入り、次回高雄に行く際は立ち寄ろうと決めていた。


地下鉄の鳳山駅で下り、歩いて鳳儀書院へ。5分ほどで到着し、66元でチケットを買って中に入る。

入って最初に見えるのが、こちらの御一行。

これは曹謹という鳳山の県知事が視察に来たところを再現したものだそう。馬に乗っているのが多分曹謹で、日本でいうところの大名行列みたいな感じ。

それにしても、人形の造形をなんでこんな間抜けな感じにしたんだろう。近くで見ると、どれも思わず笑ってしまう。

門の中に入ると中庭があり、ここにもいろんな人形がいろんな格好をしている。ここは昔の科挙試験を再現した広場だそうで、このエリアが鳳儀書院のハイライト。

科挙試験とは清の時代まで続いたエリート官僚試験のことで、内容は相当に難しく、合格できれば安定した生活が保障されていたという。この試験を受ける人は、家族だけでなく親戚一同の期待を背負っていたんだろう。

まずは刀を使って演技をする人。

弓を構える人。何を狙っているんだろう。

大きな石を持ち上げる人。顔が面白すぎ。

石を持ち上げる様子を見ている人(おそらく教官)。合格かどうかを審査しているところだと思う。しかしなんとなく谷村新司似。

こちらには教室が再現されている。そして、ここが鳳儀書院で一番面白い。

学校というと子供たちが通うところと思うかもしれないが、人形は大人ばかり。この教室は今の社会人向け学校みたいなところなのだろう。

思い切り寝ている人もいる。いい大人なんだから寝るなよ。

こちらはちゃんと教科書を読んでいる人(偉い!)。しかし、いったい何と書かれているんだろう。こんな文字は初めて見た。

この2人は何をやっているんだろう。じゃれあっているんだろうか。

この人が多分教官。クラスがバラバラだし、もっと厳しく指導してもいいのでは?

先ほど馬に乗っていた人と同じ帽子なので、右側の人が曹謹のはず。県知事が視察に来ているのだから、余計に寝たりじゃれあったりしたらだめだろう。先生も注意しないと。

面白い教室を楽しんだ後、続いて資料館みたいなエリアへ。昔の生活が再現されていたが、これは明らかに日本統治時代。台湾の人たちにとっては懐かしい風景なんだろう。

アサヒ地下タビはそんなに偽物が横行していたんだろうか。

こちらでは、先ほど見てきた人形がミニチュアで再現されていた。土産として売られていたら買ったんだが、残念ながらなかった。誰か商品化してほしい。

こちらも昔の風景の再現コーナー。これは絶対に日の丸を意識していると思う。こういうところも好き。

科挙試験をクリアして最終的に文官になるまでの出世コースの図。しかしここでは途中で脱落して家に帰る人のほうが面白く、何となく親近感を感じる。家族は暖かく迎えてくれたんだろうか。

こちらは出世コースの双六。意味はよくわからなくても、大変さは推測できる。

日本統治時代の鳳山の地図。商店や医院やクラブが並んでいたことがわかる。この人たちは日本に引き上げたのかもしれないが、子孫は今どうしているんだろう。

カフェがあったので、ここで台湾名物タピオカミルクティを買ってみた。台湾に来たら一度はタピオカミルクティを飲まないといけない。

教室に戻り、椅子に座ってタピオカミルクティを飲みながら休憩。こうしていると、この学校の生徒になった気分。

休憩を終え、この人形たちともお別れ。またいつか会いに来るので、それまで石を持ち上げ続けていてほしい。

門を出て、最後にこちらの人形たちともお別れ。

しかし面白い記念館だった。何より頭が大きく間抜けな人形たちが実にいい。なんでこんな面白い造形にしたのかはわからないが、おかげでまじめな資料館よりもずっと楽しめるようになっている。高雄滞在中に時間があれば訪れてほしいし、自分もいつか再訪したい。


これで今回の高雄滞在が終了し、午後3時半の便で高雄空港から福岡へ戻った。このページだけ見たら旅行と思うかもしれないが、今回はもちろん出張。仕事の合間に寺院や夜市を訪れ、十分に台湾を楽しむことができた。やはり台湾はどこへ行っても面白く、ますます台湾が好きになった。

おそらく、今後も1~2年に一度は旅行することになると思う。高雄にも近いうちにまた行きたい。


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