アイルランド旅行記(7日目)

(1998.7.17) Dublin

朝8時頃起床。8時半からホテル1階のレストランで朝食。いつものアイリッシュブレックファーストである。レストランでは、日本人らしい男性を1人見かけた。

9時ごろチェックアウトし、B&B を探すためインフォメーションへ向かう。昨日は入れなかった石造りの古い建物に入ると、インフォメーションの長いカウンターの他に本屋やカフェもある。日本の銀行のように最初に番号の印刷されたカードを取り、番号を呼ばれるまで待つ仕組みになっているが、待っている人が多く、自分の番までは1時間近くかかると言われた。

本屋に入ってダブリンの地図を買い、ベンチに座って読んでいると、朝ホテルのレストランで見かけた日本人に話しかけられた。名古屋の人だそうで(とりあえず A さんとしておく)、しばらく話しているうちにこの日は一緒に行動することになった。名古屋から KLM でアムステルダムまで来て、そこからエアーリンガスでダブリンへ来たそうだが、航空料金は16万円ほどだったという。日本の航空会社の直行便だったら20万円近くするそうだ。

ようやく自分の番がきてカウンターに行くと、若い女性が B&B を探してくれた。金曜日ということでなかなか空いているところがなく、ダブリン中心部から車で20分くらいのところにようやく決まった。

さて今日の予定だが、とりあえずギネス工場へ行こうとは思っているが、他は考えていない。その後のことは後で考えることにして、ギネス工場へ向かうことにした。

このときは、インフォメーションで教えてもらった番号の路線バスでギネス工場へ向かったのだが、しばらくして自分たちがダブリンのどの辺りにいるのかわからなくなった。外国はどこもそうなのかもしれないが、バス停に名前がなく、アナウンスもないため、町の地理に詳しくないとどこで降りたらいいのかまるでわからない。そろそろ誰かに訊こうかと思っていると、乗客の1人がギネス工場に行くなら次のバス停だと教えてくれた。やはり親切な人が多い。礼を言ってバスを降りた。

さてギネス工場だが、まあ大体予想通りの博物館だった。醸造過程などを一通り見た後、1階のバーで A さんといろいろ話しながらギネスビールを飲んだ(入場料にギネス1パイントが含まれている)。見た目はコーラのような真っ黒のビールで、味は結構苦い。日本で手に入るギネスビールはイギリス製で、本場アイルランド産は日本には輸入されていないそうなので、日本では飲むことはできない。

ギネス工場の後は、ツアーバスでダブリン市内を回ることにした。オープンデッキの2階建てバスで、市内を頻繁に巡回している。一度チケットを買えば一日何度でも乗ることができるので、ギネス工場へもこのバスで来ればよかった。

このバスで、トリニティ・カレッジやダブリン城を見てまわった。下の2枚の写真は、バスの2階から撮ったもの。

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リフィ川(ダブリン中心部)
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オコンネル通り(中央郵便局近く)

トリニティ・カレッジは、門の近くは人が多かったが、奥の方へ行くと閑散としていた。ただ、オールド・ライブラリーの場所がわからず、ブック・オブ・ケルズやロング・ルームを見ることができなかったのが残念。

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トリニティ・カレッジ

昼頃、グラフトン通り近くのパブで昼食を取っていると、小さな子供が “Change…” と声をかけてきた。すぐに店員が追い払ったが、アイルランドでははじめてこういう子供を見た。地方ではまったく見なかったのだが。

このとき、A さんから参議院選挙の結果と、橋本首相の退陣を聞いた。アイルランドにいる間に日本ではいろいろとあったようだ。

午後にダブリン城に行ったが、ここはなかなか面白かった。入口から30分おきにツアーがあり、このツアーに参加しないと城内に入ることはできない。私たちの組は参加者が20人くらいで、一団となってぞろぞろと城内を歩いてまわった。調度やら天井画やら、かなり贅沢なつくりになっている。ガイドの男性が各部屋ごとにいろいろと説明するのだが、毎回、説明の最後に他の参加者が笑い声をあげている。どうやら何かジョークを言っているようなのだが、残念ながら理解できない。

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ダブリン城内部

やがて夕方になり、A さんと別れて B&B へ向かうことにした。一応、インフォメーションで路線バスの番号は聞いていたのだが、無理をせずタクシーで行くことにした。インフォメーションの近くからタクシーに乗ったのだが、大通り以外はほとんどが一方通行で頻繁に右折左折を繰り返すので、すぐに方角がわからなくなった。B&B がある Dundrum というところを地図で探すと、中心部からかなり南の方にあるようだ。やがて中心部を離れて郊外に入り、”CRAZY PRICES” というスーパーマーケットの前を通って閑静な住宅街にある B&B に着いた。

玄関で呼鈴を押すと、すぐにミセスが来て部屋に通してくれた。部屋はこれまでの B&B と同じようにきれいなのだが、クローゼットを開けてみて驚いた。クローゼットいっぱいに衣服が収納してあるのである。ここの家族の持ち物なのだろうが、盗まれるかもしれないなどとは考えてもいないようだ。ダブリンでも郊外になると、地方都市と同じく人々はのんきになるらしい。

いったん外出することにして、先ほど見たスーパーマーケット “CRAZY PRICES” まで歩いてみた。郊外の大型ショッピングセンターで、店内はかなり広いが、すいている時間帯らしく客はまばらである。食料品の値段を見て回ったが、別にクレイジーとは思わない。普通の値段である。店内には常時音楽が流れているが、エア・サプライの “All Out of Love” が流れたときは懐かしく感じた。ゆったりとしたメロディがここの雰囲気に合っている。

食料品をいくらか買った後、1時間ほど付近を散策してから B&B に戻った。明日は最終日なので、主に買い物をしないといけない。部屋で食事をしながら買う物を考え、やがて眠くなったので就寝。