午後7時ごろアラブ首長国連邦のドバイに到着。出発まで2時間ほど待ち時間がある。このまま機内にいてもいいのだが、せっかくなので飛行機を出てトランジットエリアを歩いてみた。さすが中東有数の金持ち国だけあって、かなり立派なターミナルになっていた。
翌日早朝の午前7時、シンガポールに到着。これから福岡便が出る深夜1時まで、丸1日自由時間がある。この時間を使って、以前から興味のあった「タイガーバームガーデン」を訪れることにしていた。
シンガポールに入国し、チャンギ空港駅から地下鉄に乗って市街地方面へ。このチャンギ国際空港は空港まで地下鉄が乗り入れているので、市街地へ簡単に行けるのがいい。また周知の通り駅構内や車内では喫煙はもちろん飲食も禁止されていて、ゴミひとつ落ちていない。最寄り駅の “Buona Vista” 駅で下車し、周囲を少し歩いてみたところ、さすがに “Clean City” と言われているだけあって街中も実にきれいだった。
最寄り駅といっても 3km ほど離れているため、ここからタクシーでタイガーバームガーデンへ。5分ほどでタイガーバームガーデンに到着。
ここは、タイガーバーム軟膏で大きな資産を築いた胡一族がその利益還元のために作ったテーマパーク。しばらく前までは「ハウ・パー・ヴィラ」と呼ばれていて、最近になって開園当時の名称の「タイガーバームガーデン」に戻したということだったが、入口はまだ “Haw Par Vila” となっていた。コンセプトは「中国神話と伝説の庭園」で、入場は無料(太っ腹!)。観光客のほとんどは中国系の人たちのようだった。
気温は約30℃。トルコではジャンパーを着ていたというのに、ここではTシャツで十分。日本に帰ればまたトルコと同じような冬の気候になるわけで、数日で1年歳をとるような気がする。
下の写真は園内の風景の一部。逆柱いみりの「馬馬虎虎」を思わせる風景。
園内はわりと広く、大きなオブジェから小さな人形を使ったジオラマまで所狭しと並べられている。面白いものや間抜けな感じのものがたくさんあり、感心したり呆れたり、歩いていると退屈しない。
力士については、モデルは大乃国と寺尾ではないかと思ったのだが、写真を見ると寺尾には似ていない。考えてみれば寺尾は横綱にはなっていないからこういう土俵入りをするはずはないのだが、しかし実物は寺尾に似ていたような気がする。
それよりも、これらのオブジェの中で一番面白かったのが蟹人間。逆柱いみりの「道楽者の海」を思わせるが、いったいこれにはどういう意味があるのでしょうか。
園内には地獄めぐりもある。龍の口が地獄めぐりの入り口になっている。
ここでは人形を使って様々な地獄風景が再現されている。閻魔大王の裁きのシーン、針地獄や灼熱地獄や極寒地獄など、一般的にイメージされるトラディショナルなジオラマが続く。責め苦の場面は結構グロテスク。
それほど広くないのが残念だが、なかなかリアルで面白かった。
途中、園内にあった食堂(レストランというより食堂といったほうがぴったりくる感じ)で休憩したりしながら2時間ほど園内を散策した後、タイガーバームガーデンを後にした。
ここは日本人観光客はあまり訪れない場所のようだが、個人的にはかなり楽しめた。ガイドブックに大きく載っていないからといって行かないのはもったいない。シンガポール旅行の際はぜひ訪れてみてほしいスポットといえる。
タクシーで “Buona Vista” 駅へ戻り、今度は地下鉄でオーチャードロードへ行ってみた。ここはシンガポール最大のショッピング街で、日曜日ということもあって大勢の若者でごった返していた。
当初は夕方までオーチャードロード周辺を歩いてみるつもりだったのだが、長時間のフライトで疲れた上に気候が急に変わったことが原因で、歩いているうちになんだか気分が悪くなってきた。ここで倒れたら大変なので、残念だがここで散策を切り上げて空港に戻ることにした。
地下鉄といっても市内中心部以外は地上を通っているため、周囲の景色を眺めることができる。それまではいい天気だったのだが、空港へ戻る途中、天候は一転してすさまじい雷雨になった。さすがに熱帯は天候が変わりやすい。
空港に戻り、シンガポールを出国。トランジットホテルにチェックインして、シャワーを浴びて夜まで一眠りしたところ体調は回復していた。免税店で土産としてタイガーバーム軟膏を買い、深夜1時10分にシンガポールを離陸。午前8時ごろ、福岡空港に帰着した。
<2002年 / トルコ旅行記のインデックスページ>
この旅行の5年後、2007年9月の南アフリカ&ジンバブエ旅行の際にトランジットでシンガポールに滞在し、タイガーバームガーデンを再訪した。そちらには写真を多く載せているので、以下のページも見てみてほしい。