スロベニア旅行記(ピラン)

スロベニア滞在中、一度はアドリア海を見たいと思っていたのでアドリア海に突き出した半島の先端にあるピランという町へ行ってみた。人口5千人ほどの小さな町で、中世の町並みが残り、かなり印象深い町だった。


ヨットハーバー沿いにあるバスターミナルで降り、歩いて市街中心部へ。中心部にピラン出身の音楽家タルティーニの銅像が建っている広場があり、広場のまわりには土産物店やレストランなどが集まっている。

ツーリストインフォメーションで帰りのバスの時刻を調べてから、まずは市街が一望できる高台へ行ってみることにした。

下の写真は広場から高台へ向かう路地。まるで絵画のような光景になっている。

高台には聖ユーリ教会があり、その横に「聖ユーリの塔」という鐘楼(上の写真に写っている高い塔)がある。ここから市街が一望できるので、料金100トラールを払って登ってみた。階段は狭く、勾配もかなり急になっている。途中、数組の老夫婦とすれ違ったが、みんなきつそうにしていた。それにしても、かなり老朽化が進んでいるような感じ。

塔の上からの眺め。左の写真は市街中心部の広場。右の写真は半島先端を眺めたもので、びっしりと家に覆われているのがわかる。

塔の上は狭く、大小2つの鐘がある。しばらく景色を眺めた後、ガイドブックを読んでいるときに小さいほうの鐘が突然鳴りだした。町を歩いているときにときどき鐘の音が聞こえていたため、定期的に鐘が鳴るのはわかっていたが、しかし何の前触れもなかったため不意を衝かれてしまった。さすがに、これだけ近くにいると相当な大音響。

しばらく景色を眺めた後、塔を下りて海沿いに半島の先端へ歩いてみた。このあたりはアドリア海の中でも「トリエステ湾」といわれるところで、ピランの町から北側を眺めると遠くに大きな町が見える。あれがイタリアのトリエステになる。

海岸沿いを離れて路地に入り込むと、とたんに周囲は薄暗くなる。半島内には細い路地が迷路のように張り巡らされていて、しばらく歩くと現在位置がわからなくなるほど。下の写真のように路地の先が家の入口になっているところもある。

半島の南側には海沿いにシーフードレストランが並んでいる。ごくわずかに砂浜がある場所があり、ビキニ姿の若い女性が数人泳いでいた。

半島の先端に見えているのは、石造りの要塞のような建物。

海沿いの町だけあって風が涼しい。観光客相手なのでレストランの値段は少し高いと思ったが、しかしなかなか快適な町だった。夕方まで、海岸沿いに並んでいるベンチに座って景色を眺めたり、路地を散策して過ごした。住んでみると居心地がよさそうな気がする。

午後6時50分、ピランからリュブリャーナへ向かう最終バスに乗り、約3時間後の夜9時40分、リュブリャーナに帰着した。