ペルー旅行記(アメリカ~クスコ到着)

佐世保を午前11時に出発し、福岡空港へ。これまでの旅行と違って、今回は日本を夕方出発することになる。考えてみれば日本から飛行機で東へ向かうのは初めて。

福岡から関西空港へ移動し(この区間はANA便)、午後5時半発のアメリカン航空124便でダラスへ向かう。米系航空会社には初めて乗ったが、やはり荷物のチェックは厳しい。今まで日本を出発するときは荷物は機内持ち込みとしていたのだが、今回は液体類はすべて持ち込み禁止。コンタクトレンズの保存液を入れているバックパックを預け、小さなリュックサックを機内持ち込みとした。そのリュックサックも、通常のX線検査の他、機内に乗り込む直前にも検査がある。仕方が無いのかもしれないが、面倒なシステムになったものだ。


ダラスまでは約12時間のフライトだが、ほとんど寝ていたので退屈することはなかった。日本では客室乗務員というと若い女性をイメージするが、今回乗ったアメリカン航空はミセスという感じの年配の女性がほとんどだった。ちょっと意外だったが、アメリカでは一般的なのかもしれない。

ダラス・フォートワース空港到着は午後3時40分。日本時間だと早朝になっているわけだが、こちらではまだ前日の夕方。国内線に乗り継ぐので、いったんアメリカに入国しないといけない。パスポートコントロールには長い行列ができていて、入国までに1時間近くかかった。

トランジット目的の入国なので、係官の質問は “Where are you going ?” のみ。”Peru” と答えると、それ以上は何も聞かれなかった。その後、最近話題になった指紋の採取と虹彩の写真撮影を受け、約14年ぶりにアメリカに入った。前回来たのは学生時代の乗船実習のときで、このときは “Landing Permit”(上陸許可証)での上陸だったので正式な入国にはなっていないはず。なので、パスポートで入国するのは今回が初めて。

預けた荷物をいったん受け取って税関審査を通過した後、再び荷物を預けて出発ゲートへ。ダラスでの乗り継ぎ時間は約2時間だったが、入国審査等にかなり時間がかかったため2時間でもほとんど余裕はなかった。この空港の公式インフォメーションによると、国際線 → 国内線の必要乗り継ぎ時間は70分以上になっているが、これを信用して厳しいスケジュールを組んだりしないほうがよさそう。

5時50分にダラスを出発し(機内放送は英語とスペイン語になる)、約3時間後の夜9時40分にマイアミ国際空港に到着。ダラスとマイアミには1時間の時差がある。マイアミを夜11時50分に出発し、翌日の早朝4時20分、リマのホルヘ・チャベス空港に到着した。しかし機中2泊は予想以上に疲れた。


入国審査はパスポートをチェックしてスタンプを押すだけという簡単なもので、これで私にとって22ヶ国目になるペルーに入国した。約15年ぶりの南半球、初めての南米、初めてのスペイン語圏になる。ロビーに出ると、この時間だというのに大勢のタクシー運転手が客引きをしている。私のところにも数人が寄ってきたが、こちらはこのまま国内線に乗り継ぐので、運転手たちにそう言ってから到着ターミナルの隣にある国内線出発ターミナルへ歩いて移動した。

ランペルー航空のカウンターには、すでに長蛇の列ができている。クスコ行きの出発時間は6時10分で、2時間ほどの乗り継ぎ時間があったのだが、カウンターでのチェックイン、ペルーの通貨ソルへの両替、空港使用料(国内線は約5ドルだったと思う)の支払い、手荷物検査を終えると、もうあまり時間がなかった。まだ薄暗い中、建物の外に出て(かなり寒い。季節が日本と反対ということを実感)タラップで飛行機に乗り込みクスコへ出発。当然ながら機内放送はスペイン語と英語になる。

クスコへ向かう途中、日の出を見ることができた。

下の写真は飛行機からの眺め。飛行機はそれなりの高度を飛んでいるのだろうが、アンデス山脈を横断するため、すぐ下にずっと山並みが見え続けている。かなり雄大な景色を楽しむことができた。

クスコまでの飛行時間は約1時間半。機内では軽食のサービスがあり、このときにペルー名物「インカコーラ」を初めて飲んでみた。噂通り、かなり甘い。

やがて次第に高度が下がってきて、クスコの町並みが見えてきた。

7時35分、クスコのベラスコ・アステテ空港に到着。

クスコの標高は 3,400m。飛行機でやってきた旅行者の3人に2人は高山病になると言われている町で、たしかに空気が薄いように感じられる。ターミナルを出て、タクシーで予約していたホテルへ向かった。

ちなみにペルーのタクシーにはメーターはなく、料金はすべて交渉で決まる。外国人旅行者には高い金額を吹っかけてくる運転手が多いと予想していたのだが、意外とそうでもなく(ペルー滞在中は何度もタクシーに乗ったのだが)ほぼガイドブックに記載されている程度の金額を言ってくることが多かった。また、このシステムだと遠回りして料金をつり上げられることもなく、必ず目的地まで直行してくれるという利点もあり、外国人にもかなり利用価値が高いといえる。

旅行前にスペイン語の数字(ウノ、ドス、トレス、クアトロ、シンコ、~)を覚えていたのが、タクシーに乗る際にかなり役に立った。