南部アフリカ旅行記(ヨハネスブルグ / サントンシティ)

午後2時40分にヨハネスブルグ国際空港に到着。ジンバブエから再び南アフリカへ戻ってきた。この日は「世界一危険な都市」といわれるヨハネスブルグで1泊し、翌日の昼に南アフリカを離れることになる。

滞在がもう1日あれば市街中心部を回るツアーに参加するのだが、今回は時間がないため郊外のサントンシティしか見ることはできなかった。


「世界一危険な都市」といっても危険なのは市街中心部の話で、郊外はそれほどでもない。主要なホテルやショッピングセンターは次々と市街中心部を脱出して郊外に移ってきている。今回はそのうちのサントン地区にあるホテルを予約していた。

まずは空港からホテルへ向かうことにする。最初はサントン地区行きのシャトルバスを利用するつもりだったが、チケット売り場で宿泊するホテルを伝えると「シャトルバスはサントンシティまでしか行かない。このホテルはサントンシティから数キロ離れている」「各ホテルの前まで行ってくれるシャトルサービス(乗り合いタクシーのようなシステム)のほうがいい」と教えてくれた。窓口の男性がシャトルサービスに連絡を取ってくれるということなので、ここはシャトルサービスを利用することにした。

カウンターの前で待っていると、やがて運転手がやってきて8人乗り程度のワンボックスカーへ案内してくれた。他に2人の客と同乗し、郊外に向けて出発した。

2010年のワールドカップの準備なのか、外を眺めていると道路等のインフラ工事がやたらと目に付いた。それから、信号のある交差点では数人の子供や若者が待機していて、赤信号で停まった車に近寄ってきて新聞や果物などを売ろうとする。ケープタウンではこういう物売りは見かけなかっただけに、ここでは南アフリカが格差社会であることを実感した。

他の乗客はいずれも途中で降りていき、空港から40分ほどで予約していたホテル “City Lodge Bryanston” に到着した。シャトルサービスの料金は280ランド。

チェックインを行い、部屋で30分ほど休憩。1泊約1万円の部屋だけあって設備はかなりいい。コーヒーメーカーも用意してある。

時刻は午後4時半。とりあえず大型ショッピングセンターの「サントンシティ」へ行くことにした。ヨハネスブルグといえば巨大ショッピングセンターが名物だそうで、サントンシティはその中でも最大規模ということだった。

フロントでタクシーを呼んでもらい、サントンシティへ。5分ほどで到着し、タクシー料金は80ランドだった。

中に入ると、さすがにヨハネスブルグ最大規模というだけあって歩いているうちに現在位置がわからなくなるほど広い。私はブランド品にはまったく興味がないのでその種の店には入っていないが、書店や骨董品店や大型スーパーマーケットなどを見ていると面白い。スーパーマーケットには南アフリカ名産の「ルイボスティ」がずらりと並んでいたり、日本では見かけない「グアバの缶詰」が何種類もあったり、土産物によさそうなものがたくさん並んでいたので翌日に買うことにした。

サントンシティから見た日没。

フードコートでシーフード料理の夕食を取り、さらにサントンシティ内を歩いていると次第に店が閉まっていった。まだ8時過ぎだが、ここではあまり夜遅くまで外出する習慣はないようだ。(大型スーパーマーケットは驚くことに午後7時閉店)

夜8時半、かなり店も閉まってきたので散策をやめてタクシーでホテルへ戻った。


翌日は朝8時半にホテルをチェックアウトし、前日に続いてタクシーでサントンシティへ向かう。前日にサントンシティ内のスーパーマーケットが朝9時開店ということを調べていたので、南アフリカ滞在最終日はここで土産物等を買い込むことにしていた。

下の写真は買物の途中にサントンシティから見たヨハネスブルグの遠望。遠くのほうに「リアル北斗の拳」などと呼ばれる世界一危険な場所がある。個人で出歩くなどとんでもないところだが、ツアーなら訪れることができる。旅行日数がもう1日あればツアーに参加してみたいものだが、今回は仕方がない。

10時過ぎにサントンシティに隣接する超高級ホテル “Inter-Continental Sandton Sun & Towers” へ移動。このホテルの前から空港行きのシャトルバスが出るということを調べていたので、空港へはこれを利用することにしていた。

呆れるほど豪華なロビーに入り、フロントでシャトルバスの時刻を聞いて予約を行った。このシャトルバスはサントン地区にある高級ホテルをいくつか回ってから空港へ向かうようなルートになっている。つまり本来はこれらの高級ホテルの宿泊者向けサービスのようなもので、フロントでは当然ながら「このホテルの宿泊客ですか?」と聞かれた。ちょっと申し訳なさそうに装って「実は違います」と言うと、スタッフも苦笑して「しょうがないなあ」という感じで予約を入れてくれた。まあ、こちらも最初からそれを狙っていたわけだが。

やがてやってきたシャトルバスに乗り、空港へ向かう。シャトルバスといっても10人乗り程度のワンボックスカーで、途中のホテルで乗客を乗せながら11時に空港に到着した。シャトルバスの料金はシャトルサービスよりかなり安く、110ランドだった。ということは、来たときもシャトルサービスではなくシャトルバスでサントンシティへ行き、そこからタクシーでホテルへ移動したほうがずっと安かったことになる。ちょっと後悔したが、まあ仕方がない。

南アフリカを出国し、トランジットエリアで最後の買い物をしてから午後1時15分のシンガポール航空機でシンガポールへ向かった。