台湾旅行記(台北 / 士林夜市)

昼12時10分、福岡からエバー航空で台北へ向かう。この便は「ハローキティジェット」で運行されていて、機体にはハローキティが描かれている。離陸前には機内のモニターでハローキティが踊っていて、子供客などは喜んでいた。

あと、機内食についていた塩胡椒にハローキティが描かれていたので、記念に持ち帰ってみた。

これは案外、ハローキティグッズコレクターにとってはレアアイテムかもしれない。オークションに出したらいくらくらいつくだろう。

福岡から約2時間で、台北の桃園国際空港に到着した。前回台湾へ来たときは「中正国際空港」(中正とは蒋介石のこと)だったが、最近の脱蒋介石化の流れにより改名されたようである。

3年ぶりに台湾に入国し、100ドルを台湾元に両替したところ1元は約3円だった。それから、台北市街へのエアポートバスのチケットを買い(140元)、台北駅へ向かった。

確かに乗り込むときに「台北駅」と言ったはずなのだが、どうやらうまく伝わっていなかったらしい。運転手は台北駅で降りる客はいないと思っていたらしく、台北駅近くはスルーされてしまった。なかなか駅が見えてこないので、不審に思って運転手に聞いてみたらすでに台北駅から遠ざかりつつあるとのこと。すぐにバスを降りることにしたが、ときにはこういうアクシデントもあるもの。

バスを降りたのは、MRT(「台北捷運」という名前の高速鉄道。市街中心部では地下鉄になっている)の忠孝新生駅近く。ここから MRT に乗り、林森北路に一番近い中山駅に向かった。

林森北路

まずは泊まるところを決めないといけない。中山駅から10分ほど歩いて林森北路に入り、通りを歩いてみたが特に安そうなホテルが立ち並んでいるというわけではなく、ときどき “HOTEL” という表示を見かける程度。それほど大きな安宿街というわけではなさそうな感じ。

というわけであまり選択肢もないので、ビルの一角に看板が出ていた「69賓館」というホテルに入ってみることにした。このビルの4階がホテルになっている。

旅行前に少し調べてみたところ、台湾ではこういう市街地の小さなホテルは「時間貸し」も行っているそうで、つまりラブホテル的な使い方もされているらしい。現地の人たちはそういうことをあまり気にせずに普通にビジネスホテルとしても利用しているそうだが、おそらくはここもそういうホテルなのだろう。何しろ名前が「69賓館」だ。

エレベーターで4階に上がるとホテルの入口がある。

では、勇気を出して中に入る。ドアを開けるとフロントらしきカウンターがあり、料金表に宿泊料金が1,000元(約3,000円)、他に1時間あたりの休憩料金も書かれていた(これは何元だったか憶えていない)。やはりラブホテルも兼ねているらしい。

しかしながら、今の時間はカウンターには人は見当たらない。と思ったら、カウンターの奥に3畳ほどのスペースがあり、なんと管理人らしいおばさんが布団を敷いて寝ていた。声をかけると布団の中で上半身を起こし、1,000元を受け取ってから101号室の鍵を渡してくれたが、それにしてもカウンターの奥で管理人が寝ているホテルは初めて見た。

下の写真は、この後散策に出かけるときにちょうどおばさんがいなかったので、そのときに撮ったもの。さすがに寝ているところの写真を撮るのは気が引けた。

朝ホテルから出かけるときはいつもおばさんは熟睡していたし、夜に帰ってくると布団の中でテレビを見ていた。なんだか変わったホテルだと思う。

下の写真が、今回泊まった101号室。人によってはラブホテル的な雰囲気を感じる人もいるかもしれないが、しかしダブルベッドと冷蔵庫、ホットシャワー付きで1泊3,000円ほどなら、かなりお得ではないかと思う。

この段階では1泊分の料金しか払っておらず、何泊するかは部屋を見てから決めるつもりだったのだが、この設備を見て3泊することに決めた。

浴室がなんだか妖しげな感じでオレンジ色に光っているのは、ほぼ全面が窓ガラス(しかも透明ガラス)になっていて、そこにオレンジ色のカーテンが設置されているため。こういうところもなんだかラブホテル的という感じもする。

しばらく部屋で休んだ後、出かけることにした。

士林夜市

ホテルを出て、歩いて中山駅へ向かう。駅近くにあった「新光三越」に入ってみると、ちょうど日本物産展をやっていて、日本の食材やら日本人形やらが並んでいた。

新光三越を出て、MRT で剣潭駅へ向かう。MRT は民権西路駅を過ぎると地上に出るので、剣潭駅に着くと駅前に大きな市場が見える。ここが台北で最大規模という「士林夜市」。

この建物の中にたくさんの屋台がひしめいていて、まだ外は明るいがそれでもかなりの人出で混雑していた。

もちろん食べ物の屋台が多いのだが、ここにはわりと広いゲームコーナーがあり、地元の人たちがゲームに興じていた。そして、ここで一番目立っているのが、驚くほどたくさん並んでいる UFO キャッチャー。

翌日に訪れた淡水でもたくさん見かけたし、台湾では UFO キャッチャーがブームなのかもしれない。見てみるといろいろと面白いものがあったので、以下に並べてみる。

ま、定番ですね。

こちらも定番。やはり日本のアニメは人気。

これは手袋か?

恋の愛サル。

「っと入れるとかわいいよ」

「於酒公開局」の「香蕉・町楽園」。何かの薬?

ヤクルトか?

さりげなくピンクパンサー。

てるてるぼうず?

おいおい、これは NHK のキャラクターか?

いやー、やはり台湾は面白い。UFO キャッチャーを眺めながら歩くだけで、これだけ楽しめる。個人的に UFO キャッチャーはほとんどやったことがなく、自信がなかったので挑戦はしなかったが、今思えばヤクルトやてるてるぼうずなどは取ってみても面白かったかもしれない。ちょっと後悔。

あと、こういうタオルも見かけた。まあ、これらも定番ですね。

では、そろそろ腹が減ってきたので食事にする。食べ物の屋台が並んでいるエリアはかなり混雑していて、歩くのも苦労するくらい。頻繁に日本語が聞こえてくるので、日本人観光客もかなり多いみたい。

店のメニューを見ながら歩いていると、ここにもさりげなく日本のアニメキャラがいたりする。

まずは、定番の「カキのオムレツ」と「魯肉飯(ルーロウファン)」を注文してみた。これで70元(約210円)。

魯肉飯はご飯の上に醤油で煮たそぼろ肉をのせたもので、これはかなりうまい。台湾滞在中は毎日食べることになった。

この後、いろいろな料理を食べ歩いてみた。なお、台湾料理では「臭豆腐」が有名で、このあたりにはその臭気が立ち込めている(もっとも、それほど強烈な臭いというわけではない)。この臭豆腐は、この日ではなく翌日に食べることになった。

下の写真は巨大なソーセージ。ちょっと辛味があって実にうまい。

デザートとしてタピオカミルクティーを飲んだ後、そろそろホテルへ戻ることにした。それにしても、夜市は本当に面白い。翌日もこの士林夜市を訪れたし、翌々日は饒河街夜市へ行ってみたが、どこも刺激的だった。

台湾旅行の際は、夜はぜひ夜市を歩いてみてほしいと思う。台北のお薦めスポット。


士林夜市の近くにあったのが、この看板。まさに劇的ビフォーアフター。

ホテルの近くで、日本語の間違い方として定番といっていい看板を見つけた。

こういう「シ」と「ツ」の他、「ソ」と「ン」、「キ」と「ま」、「さ」と「ち」の間違いなどもあちこちで見かけた。やはり、これらの区別は外国人には難しいようだ。