3連休の宮崎旅行最終日。この日は高鍋大師を見てから宮崎市内へ移動することになる。高鍋大師は初訪問で、たくさん並んでいる奇妙な石像を見るのが楽しみ。
朝、ホテルの部屋から外を眺めると遠くに高鍋大師が見える。
ここから見ても高鍋大師の石像は特徴的で、ああいう形は他では見られない。
今回の宮崎旅行はSUNQパスで移動しているのでバスで行きたいところだが、この路線は本数が非常に少ない。そのため、行きだけはタクシーを使用した。
丘の上にある高鍋大師に到着し、タクシーを下りて少し歩くと石像群が見えてきた。
写真では見ていたが、実際に見ていると予想以上に大きくて迫力がある。それらがいろんな場所に林立している風景は本当に奇妙。
これらの石像は、すべて地元の岩岡保吉という人物によって作成されたもの。大小合わせて700体ほどあり、1932年ごろに制作が始まり87歳になる1976年まで作り続けられたそう(本人は89歳で死去)。
以下、主な石像を並べておく。これらの最大の特徴は、どれも平面形状に厚みを持たせるという手法で立体化してあること。3次元CADの「押し出し」という機能をイメージしてもらえばわかる人もいると思うが、つまりプロの彫刻家であれば絶対に使用しないはずの手法が堂々と使われていることになる。
あえてこういう言い方をするが、このような「素人の手法」を堂々と使っているのは岩岡保吉氏がプロの彫刻家でも仏師でもなかったから。これにはむしろ清々しささえ感じてしまう。
石像の顔はバリエーションがあって表情が豊か。笑顔を見せている石像もある。
不動明王のそれぞれ上下を向く目と牙もしっかりと再現。
ここはあくまで高鍋大師という公園であって寺院ではないが、敷地内には本堂みたいに見える建物もあった。中に入ってみる。
寺院ではないものの、千羽鶴がたくさん掛かっている仏壇があった。
仏壇にお参りし、壁に並んでいる写真を眺めてみた。岩岡保吉氏の姿と、製作途中の石像の風景が興味深い。
石像が大きいため、かなり労力のかかる作業だったみたい。
岩岡老人と書かれているので、この石像は岩岡保吉氏の姿をモデルに作られているのだろう。
奉納品(多分)もたくさん並んでいた。カタカナが刻まれた石碑はどういう目的で奉納されたんだろう。
並んでいる写真の中で、よくわからなかったのがこちら。ユニフォームに JAPAN と書かれているから日本代表の野球チームなのだろうが、いつの時代なんだろう。高鍋大師とどういう関係があるのか、説明書きがないからわからなかった。
建物を出て、外を眺めてみた。のどかな田園風景が広がっている。
奇妙な石像の姿を楽しみながら、しばらく散策。
「茶碑」と刻まれているということは、この頭巾を被っている石像は千利休?
この石像は指揮者なんでしょうかね。
天上天下唯我独尊?
繰り返すが、平面形状の押し出しという「禁断の手法」で作られた石像をこれだけ見ることができる場所は、世界でもここだけだろう。唯一無二の風景を楽しむことができるので、変わった石像を見たい人だけでなくデザインに興味がある人にもおすすめの場所。
名残惜しいが、これで高鍋大師を後にして丘を下りることにした。
途中、道路脇に賽の河原みたいな場所があった。
杉林を抜けて麓の道路へ。
バスの時刻を調べていたので、帰りは高鍋バスセンターまでバスで移動。この路線は便数が少ないので、バスで訪れる場合は時刻を調べておくのが必須。
高鍋バスセンターでバスを乗り継ぎ、宮崎市内へ戻った。次の目的地は宮崎市内の平和台公園。
(2008.7.21)