国内旅行編(沖縄 / 西表島・由布島、仲間川)

沖縄旅行3日目。この日は当初の予定では船で西表島の上原港へ行き、浦内川のクルーズに乗るつもりだった。しかしながら、船の欠航により予定が狂ってしまった。


ホテル前からバスでバスターミナルへ移動し、歩いて離島ターミナルへ。西表島への便を運航している船会社のカウンターでチケットを買おうとしたところ、西表島北部の上原港への便は欠航ということだった。石垣島から西表島へは北部の上原港と南部の大原港への路線があり、上原港への路線は欠航しやすいらしい。大原港への路線はほとんど欠航しないそうで、上原行きが欠航したときは大原港から上原港への代行バスが運行されるということなのだが、移動に時間がかかりすぎるため滞在時間がかなり短くなってしまう。

どうしようかと考えたが、調べてみたら大原港近くの仲間川でもクルーズができるということなので、この日は浦内川は諦めて仲間川へ行くことにした。それに、大原港のわりと近くには観光地として有名な由布島があるので、水牛車も見ることができる。

チケットを買い、待っていると大原港行きの高速船がやってきた。

船は小さいが、それほど揺れることもなく50分ほどで西表島の大原港に到着した。高速船にはわりと多くの乗客が乗っていたが、ほとんどは民宿などの送迎の車で行ってしまい、ターミナル内はすぐに閑散とした感じになった。

とりあえず仲間川クルーズの乗り場へ向かい、時間を確認ことにする。ターミナルからは少し距離があり、歩いて5分ほどかかった。

クルーズの事務所で時間を聞くと、潮の干満により運航時刻は毎日変わるそうで、次の出航までかなり時間がある。この時間を利用して、いったん由布島へ行くことにした。

由布島

ターミナル前から路線バスに乗り、由布島の水牛車乗り場へ向かう。西表島の幹線道路は島の東側を半周するように通っていて、南の大原港から北の上原港まで路線バスが走っている。その途中に由布島の水牛車乗り場があるのだが、路線バスの本数は多くはないため、帰りの時間を確認しておく必要がある。

20分ほどで「由布島水牛車乗り場前」に到着した。バス停から少し歩くと土産物店があり、ここでチケットを購入することになる。最初は客が集まり次第出発するのかと考えていて、わりと観光客が多いからすぐに乗れるかと思ったのだが、実際はダイヤが決まっていて30分おきの出発になっていた。

そして、そのダイヤを見て問題が発生した。ちょうど水牛車の出発直後だったため、次の便に乗って由布島へ渡り、さらに次の便で戻ってくると帰りのバスに間に合わない。どうしようかと考えたが、由布島へ渡ることは結局諦め、砂浜で水牛車を見るだけにすることにした。残念だが仕方がない。

砂浜に出ると、看板の下に水牛のオブジェが作られている。

この水牛の造形が面白い。この角度で見ると一つ目に見える。何で目だけこんなチープな作りにしたのか。

由布島行きの便が出発した直後だが、砂浜には数台の水牛車が残っていた。水牛を近くで見ると、さすがに迫力がある。由布島までは浅瀬が続いているので、無理をすれば歩いて渡ることは不可能ではなく、実際に水牛車が付いていない由布島植物園だけのチケットも売られていた。時にはこういう変わった旅行者もいるのだろう。

やがて由布島からの便が到着してきた。水牛の歩みは非常にゆっくりとしたものなので、乗っていても特に揺れることはないはず。今回は乗る時間がないのが残念。

やがてバスの時刻が近づいてきたので、バス停に戻った。観光バスやレンタカーでやってくる人がほとんどで、私のように路線バスで来た人はほんの数人だったが、それでも路線バスのダイヤを考えて水牛車の出発時刻を決めてほしいと思う。次回ここへ来るときは水牛車に乗ってみたい。

仲間川クルーズ

バスで大原港方面へ戻り、ターミナルのひとつ手前のバス停で下車。ここが仲間川クルーズ船乗り場に一番近い。事務所の建物でチケットを買い(値段は1,500円)、川へ向かうと船が停泊していた。

十数人の観光客が乗り込み、クルーズに出発。乗り込んだのは河口付近で、川を上流へ遡っていくことになる。

船から見た風景。周囲には亜熱帯のジャングルとマングローブが広がっていて、眺めていると面白い。まるで東南アジアで見かけるような風景で、日本にもこのような場所があるのかと驚かされる。

クルーズ船のスタッフは船長一人で、この人が操縦しながら周囲の景色を説明してくれる。途中、ここで獲れたというシジミを見せ、観光客の間で回してくれた。この大きさだが、これはシジミだという。

川を30分ほど遡ったところに桟橋が作られていて、ここで上陸。といっても、ここからトレッキングを行うわけではなく、歩いてすぐのところにある大きな木を見ることになる。

これが、ここで見た「サキシマスオウノキ」という種類の木。写真からわかる通り「板根」という平たい板のような根が特徴になっている。

サキシマスオウノキの説明書きによると、樹齢約400年、樹高18メートルで「平成12年4月に森の巨人たち百選に選ばれた全国でも珍しい巨樹・巨木です」ということだった。

周囲をしばらく歩き、サキシマスオウノキと周辺の景色を眺めた後、船に戻った。ここがクルーズの終点で、これで出発地点へ戻ることになる。当初の予定では来ることのなかったクルーズだが、かなり面白かった。大原港から歩いていける距離だし、手軽なクルーズとしておすすめ。


この後、大原港のターミナルに戻り、高速船で石垣島に戻った。当初の目的だった西表島の上原港だが、この時点では諦めていた。しかし、ホテルの部屋で考えていると、翌日の夕方の便で那覇へ移動するので翌日も西表島へ行く時間があることになる。そこで翌日の朝に離島ターミナルへ行き、上原港への便が運航されるかどうか確認することにして、この日は就寝。

(2010.2.13)