ベトナム旅行記(ハノイ / 水上人形劇)

午前11時にハノイのノイバイ空港に到着した。ベトナムに入国するのは、仕事でハイフォンに滞在した2007年以来3年ぶりになる。ハイフォンはハノイ近郊の町だが、当時はハノイへ来る時間はなかったので、ハノイを見るのは今回が初めてになる。


まず空港で50ドルを両替した。入手したのは945,000ドンで、目安としてドンを200分の1にすれば日本円になるという感じ。ちなみにドン紙幣に描かれている肖像はすべてホーチミン。

空港からミニバスでハノイ市街へ。料金は50,000ドンで、約50分で終点のベトナム航空オフィス前に到着した。とりあえず泊まるところを決めないといけないが、その前に旅行会社へ行くことにした。ハノイ近郊のスポットは現地発のツアーのほうが楽なので、今回のハノイ滞在ではツアーを利用することにしている。

2006年にベトナムのホーチミンを旅行した際に現地の TNK トラベルという会社を利用して、印象がよかったので今回も利用することにしていた。TNK トラベルのハノイ店は APT トラベルという名前で、バイクタクシーで5分ほどで到着した。

中に入って日本人スタッフと話した結果、ハロン湾へのツアー(48ドル)とパヒューム・パゴダへのツアー(43ドル)を申し込んだ。旅行前に考えていたのはこの2ヶ所だが、さらに話を聞くとホアルーとタムコックも面白そうだったので行ってみることにした(45ドル)。

また、この日の夜にハノイのナイトツアー(夕食と水上人形劇つき)があり、欠員が出たのでどうかと勧められ参加することにした(29ドル)。さらに滞在最終日の空港への送迎を頼み、料金はすべて合わせて184ドル。ツアーというのは個人旅行者にとっては好き嫌いが分かれるところかもしれないが、現地発の少人数のツアーについては私はときどき参加することがある。交通手段の心配をしなくていいし、やはり楽なもの。

滞在中の予定もほぼ決まり、続いて宿泊先を決めることにした。これについても、APT トラベル系列の “APT-EZ HOLIDAY HOTEL” というホテルがあるということなので、そちらへ行ってみた。道路沿いに並んでいる市場の露店を眺めながら歩き、細い路地の中にあるホテルに到着した。

部屋を見たところ、快適そうなので1泊することにした。宿泊料金は20ドル。ハノイ滞在は6日間だが、別のホテルも見てみたかったので後半はホテルを変えることにしている。

少し休憩した後、2時半に外出して昼食にした。ホテル近くの路地には安食堂も多く、そこでチャーハンとフォーを注文してみた。値段はコーラを含めて85,000ドン。

個人的に、今まで旅行した国の中で食べ物のうまさに関してはベトナムと台湾が双璧と考えている。ベトナム料理はタイほど辛くはなく、マイルドな味付けが多いように思うので気に入っている。このときの料理もかなりうまいものだった。

昼食後、周辺を散策してみた。

ベトナムといえばバイクの洪水というイメージ通り、街中はバイクであふれている。信号はあるものの、青に変わる前に動き出したりしているので接触事故が起きないのが不思議に思えるほど。

下の写真は線路の踏切り付近の風景。

線路に沿って歩けるので、進んでいくとゲーム店があった。数台のPCが並んでいて少年たちがゲームに熱中しているが、線路側からしか入れない店というもの面白いものだと思う。

もうしばらく散策を続け、いったんホテルに戻った。


夕方6時半、ロビーで待っているとガイドがやってきた。日本語が堪能な若い女性(かなり美人)で、近くに停めてあったワゴン車に乗り込み、いったん APT トラベルへ移動。参加者は8人ほどで、半分は1人旅の途中ということだった。

APT トラベル前から徒歩で出発。ちょうどベトナムも連休の期間だそうで、とにかく人が多い。人ごみの中を歩き、まずはレストランで夕食。料理はなかなかのもので、雷魚の煮込みや生春巻などのベトナム料理を食べることができた。

食事中、他の参加者の中に鉄道技術者の方がいたので少し話してみた。ハノイ~ホーチミン間に計画されているベトナム新幹線の調査のために滞在されているそうで、休日を利用してツアーに参加したという。ここでは新幹線についていろいろと意見を聞くことができた。

この旅行の直後、2010年6月にベトナム国会で高速鉄道計画案は否決された。やはり費用がかかりすぎるというのが否決の理由で、現在は新幹線計画は止まっている。2011年に計画修正のうえ再提出される見込みだそうだが、やはり距離が長いこと(ハノイ~ホーチミンは青森~福岡に相当)と巨額の費用がかかることから、はたして計画が実施されるかどうかは微妙なところだと思う。

夕食後、再び徒歩で水上人形劇場へ移動。この劇場はホアンキエム湖畔にあり、周囲はかなりの人出になっている。夕食中にガイドの女性に聞いたところによると、ちょうどこの週はベトナム戦争終結35周年(現ベトナム政権の視点によれば「南ベトナム解放35周年」)にあたり、ベトナム全土でお祭りが行われているということだった。

ホアンキエム湖では花火も打ち上げられていた。

では、チケットと日本語のパンフレットを受け取り劇場に中に入る。ハノイの有名観光地だけあって、館内は外国人観光客もかなり多い。この水上人形劇は、個人ではチケットの入手が難しくツアーに参加しないとなかなか見ることができないと聞いていたが、たしかに外国人のほとんどは団体旅行者のようだった。

午後9時すぎに開演。農村の風景やベトナムの伝説など17項目が演じられ、日本語のパンフレットをもらっているので内容は大体わかる。舞台の横に楽団がいて、伴奏も本格的。

演者は肩まで水に浸かって長い棒の先の人形を操っている。あのすだれの奥に演者がいるはずなのだが、こちらからはまったく見えない。

下の動画は楽団の伴奏と田植えを表現した風景。牛の動きなど、なかなかよくできている。

夜10時に終了。最後に演者が前に出てきて挨拶がある。ツアー客御用達の定番観光地だが、実際に見てみるとかなり面白かった。うまくチケットが入手できたら、ハノイではぜひ見てほしいスポットといえる。

実際に劇中で使われている人形が展示されていたので、それを少し見学してから外に出た。

劇場を出ると、この時間でも喧騒は続いている。周囲の建物もライトアップされていて、かなりきれい。

やがてやってきた車に乗り、ツアー参加者それぞれのホテルへ送迎。ガイドに挨拶して別れ、夜11時にホテルに戻った。翌日はツアー参加日ではないので、ハノイ市内のスポットを丸1日かけて見ることにしている。