ベトナム旅行記(台北編)

朝10時過ぎに福岡空港を出発。11時半ごろ台北の桃園国際空港に到着した。台湾へ来るのは2年ぶりで、この日は台北で1泊することになる。あちこちを回る時間はないので、市内のスポットをいくつか見ることにしていた。


これから台北市街へ向かうわけだが、最初は空港からエアポートバスを考えていた。しかしながら空港内にあった台湾高速鉄道という文字を見て気が変わり、台湾新幹線に乗ってみることにした。

空港のバスセンターで桃園駅までのチケット(30元)を買い、バスで桃園駅へ。ここが空港に一番近い新幹線の駅で、ここから台北駅までが手軽に乗れる区間として外国人に人気が高いと聞いていた。実際、桃園駅までのバスも外国人が多く、みんな新幹線の駅へと向かっていった。

駅に入り、自動販売機で台北までのチケットを買ったところ自由席の値段は130元(1元は3円弱)。予想外に安いことに驚かされた。

ホームは地下にあり、15分ほど待つと列車が到着した。台湾新幹線は日本の新幹線技術が使われているので、列車の外観も日本の新幹線に似ている。

台北までの所要時間は30分。列車内は揺れも少なく、快適なものだった。外の景色を眺めながら移動を終え、台北駅の地下ホームに到着した。

下の写真は降りるときに撮った列車内の様子と座席のテーブルで、見ての通り日本の新幹線そのままという感じ。

わずか30分だったが、やはり乗ってみてよかったと思う。桃園~台北間は空港を利用する際に手軽に使えるので、今後も台湾へ行く際は乗ってみたい。


では、まずは泊まる所を決めないといけない。2008年の台湾旅行では「林森北路」というところで安宿を探したが、今回は台北駅の裏手の「太原路」という通りにも安宿街があるという情報を得ていたので、そちらへ行ってみた。台北駅から歩道橋を渡り、少し歩くと太原路があった。

旅行前にお勧めの安宿として情報を得ていた「嘉榮大旅社」という建物を探したところ、すぐに見つかった。この路地の奥に入口がある。

入口の「合法旅館」という表示に驚くが、ともかくも入ることにする。上の写真の「休息250元、宿泊500元」という表示を見ても、ラブホテル的な利用もされているところではないかという気がしていたが、この「合法旅館」を見てますますその感じが強くなる。

薄暗いフロントではお婆さん2人が世間話をしていて、泊まれるかどうか聞いたところ部屋は空いているということだった(もちろん英語が通じるわけではないが、こういったことは雰囲気で何とかなるもの)。ホテル前に書かれていた通り、宿泊料金は500元。

鍵をもらって部屋へ移動すると、窓がない部屋なので少し薄暗い。お世辞にもきれいとはいえないが、まあ1泊だけなら問題ない。部屋は狭いものの、トイレとシャワーはある。テレビが置いてあるが、アンテナとうまくつながっていないのか、砂嵐がひどくてほとんど見ることはできなかった。

部屋にあったアメニティグッズ。前回の台湾旅行のときも見た「おはいよう」は健在だった。台湾の人たちは日本語の挨拶をこのように考えているのだろうか。

少し休憩した後、出かけることにした。フロントでお婆さんに500元を払い、ホテル名を忘れたときに備えてカードをもらうと、これがもろにラブホテルの図柄だった。これだけあからさまだと、むしろ感動する。

台北市の「台」が唇になっているところなど、なかなか凝っている。

それにしても、決してきれいとはいえないあの部屋でそういう行為が行われていることに驚く。もっとも、カップルで来るというより、そういう職業の女性を連れ込むケースのほうが多いとは思うが。


台北駅からMRTに乗り、龍山寺駅へ。台北では1日しか時間がないのでどこへ行くか迷ったが、今回は龍山寺(ロンシャンスー)へ行ってみることにした。台北の代表的な観光地のひとつで、旅行者の多くが一度は訪れる場所だと思う。旅行前にインターネットで見た写真では、かなり雰囲気のいい寺という感じがする。

地上に出ると、こういう案内板があった。

よく見るとこういう表示になっていた。まあ「ソ」と「ン」の違いなどは微妙だから、これは仕方がないとも言えるだろう。しかし無理にカタカナではなく「地図」「駅」にすればよさそうなものだが。

この公園を抜けたところに龍山寺があるのだが、公園内は大勢のおじいさんたちがたむろしていた。みんな将棋や麻雀に没頭していたり、世間話に興じていたり、中には屋外カラオケで歌っている人もいたりする。最初は何かのイベントが行われている日に来たのかと思ったが、帰国後に調べたところこの公園はいつもこんな感じということだった。

では龍山寺へ。門に電光掲示板があることに驚く。

ここは1738年に創建された台北市内で最も古い寺院。本尊の観音菩薩が安置された本堂を見ても、かなり格式高いのがわかる。

仏教だけでなく道教の神様も祀られ、あらゆる願いを聞いてくれるということで台湾中から参拝者が訪れるという。このため寺の中は人であふれていて、線香の煙が絶えない。真剣に参拝している人たちの邪魔にならないように控えめに歩いてみた。

やはり、一神教より多神教の寺院のほうが個人的には合っていると思う。キリスト教の教会やイスラム教のモスクより、仏教寺院のほうがずっと心が落ち着く気がする。

門の横には滝が流れ落ちている池もあり、鯉が泳いでいる。こういう寺の雰囲気は好きなので、かなり楽しめた。最近はアジアを旅行するときは珍寺を探すことのほうが多くなったような気がするが、こういう正統派の寺院も実にいいものだと思う。


MRTで剣潭駅へ移動すると、台北で一番有名な夜市の「士林夜市」がある。前回2008年の旅行のときも訪れ、かなり楽しめる場所だったので今回も夕食はここで食べることにしていた。

上の写真の建物の近くに、この看板がある。前回の旅行のときは 劇的ビフォーアフター の写真が大きく掲げられていたが、今回は韓国整形中心の看板は控えめで、隣の皮膚科の写真が目立っていた。しかし施術前、施術中、施術後の写真をよくこれだけ堂々と晒せるものだ。この女性の度胸に感服する。

では夜市の建物の中に入る。食べ物の屋台の他に広いゲームコーナーもあり、地元の人たちがゲームに興じている。前回来たときはUFOキャッチャーがたくさん並んでいて、台湾ではUFOキャッチャーがブームなのかもしれないと思ったのを憶えている。今はブームは去ったかもしれないと考えていたが、この通り今でもたくさん並んでいた。

以下、ここで見たUFOキャッチャーをいくつか載せておく。

おなじみの、アジアの超人気キャラクター。台北ではあちこちで見かけた。

人気商品らしい。ピンクパンサーの肩たたきだろうか。

生ビールって…

前回台湾へ来たときも思ったが、この NHK のキャラクターはアジアで人気なんだろうか。

鉄腕アトムがいた。

トトロもいた。

「草の物語」と書かれている。どういうキャラクターなのかわからない。

「新鮮多汁」。アダルトグッズか?

UFOキャッチャーを見ながら歩くだけで楽しめるのだから、やはり台湾は面白い。今回は、せっかくなのでNHKのどーもくんをゲットしようと思い、何回かやってみたが結局取れなかった。まあUFOキャッチャーは日本でもほとんどやったことがないので仕方がない。得意な人は、ぜひ台湾で挑戦してみてほしい。

夕食は定番のカキのオムレツ、魯肉飯(ルーロウファン)、臭豆腐、ソーセージなどを食べ歩いてみた。料理は本当にうまく、やはり食に関してはアジアの屋台が世界一だと思う。地元の人たちだけでなく外国人旅行者も大勢食事している。

食後にタピオカミルクティーを飲んだ後、さらに夜市周辺を歩いてみた。そのときに見た屋台。

海鮮系のお好み焼き屋「おおさかヤま」。実に惜しい。これは2008年の旅行のときも見た記憶があるので、ずっと直していないらしい。もっとも、あえて間違いを指摘するような無粋なことをやる人もいないだろう。士林夜市を歩くことがあれば、この屋台を探してみてほしい。

続いてこれ。

「トラコソ・マッサーヅ・エグゼクティブ・フロア」。近日オープンらしく、まだ店の内装工事をやっていた。マッサーヅは定番の間違いだが、龍がトラコソというのはちょっと笑える。しかし看板を作る前に日本人に確認すればよさそうなものだが。

この夜市は食べ物の屋台だけでなくスマートボールや射的や輪投げや金魚すくいなど縁日のような光景が多く見られ、歩いていると本当に面白い。台北滞在中は毎日来ても楽しめると思う。

夜8時、散策を終えてホテルに戻った。


翌日は朝5時に起床。5時半に部屋を出て、フロントの奥で寝ていた管理人のお婆さんに挨拶してからホテルを出た。

台北駅前からバスで空港へ移動し、台湾を出国。今回は1日だけの滞在だったが、食べ物はうまいし、人は親切だし、やはり台湾はいいところだと思う。次はゆっくりと滞在したい。

しばらく免税店を見た後、8時半に離陸してベトナムのハノイへ向かった。