国内旅行編(沖縄 / 石垣島)

石垣島滞在3日目。この日はレンタカーで石垣島を一周することにしていた。前回来たときは路線バスで白保海岸とサビチ洞へ行ったが、やはりレンタカーだと行動範囲が違う。石垣島最北端の平久保崎、観光地として有名な川平湾などを見ることができた。


バスで「平得東」というバス停へ移動し、レンタカーを借りる。この付近にレンタカー店が集まっていて、今回はジャパレンを利用した。(注:後にジャパレンはオリックスレンタカーに統合され、この店舗は現在はオリックスレンタカー八重山店になっている)

前回石垣島へ来たときに宿泊した「リゾートインラッソ石垣島」の前にあるスーパーマーケットで食料品を買い込み、まずは島の最北端の平久保崎灯台へ向かった。

途中の道路状況は本当に快適。公共事業が島の主要産業らしいから、必要以上と思えるくらいに整備されている。島の北側はほとんど信号もなくなり、走っている車もかなり少なくなってくるが、それでも道路は立派。まあ、このあたりのことについては、部外者がとやかく言うことでもないとは思うが。

玉取崎展望台

途中、玉取崎展望台で休憩。

ぱらぱらと雨が降るような天気だが、しかし眺めはきれい。

ところどころにブーゲンビリアの花も咲いていた。

平久保崎

石垣島最北端の平久保崎は、意外と閑散としていた。ときどき観光客がやってくるものの、かなりまばら。まだ3月だし、それにシーズン中もここまで来るような人は少ないのかもしれない。

灯台には入れないが、周囲を回ることはできる。

向こうに見える小さな島が、石垣島の本当の最北端だと思う。

灯台の背後にあるちょっとした丘には、登ることができる。頂上からの眺め。

ここで周囲を見渡した動画。

荒涼とした感じが心地いい場所だった。私にとって初めての海外一人旅だったアイルランドの風景を思い出させる。1998年のアイルランド旅行は本当に楽しかった。

最果て感を味わえるので、石垣島の観光スポットとしてはかなりおすすめ。

吹通川

平久保崎から、島の西側の道路を南下する。ほとんど車は通らないが、それでも道路は立派なので、移動は快適。途中、吹通川というところで車を降りてみた。

ここは、カヌーで川を下る体験などができる場所らしいが、今は誰もいない。河原に下り、マングローブを観察。

この沖縄旅行の1ヶ月前は知床で流氷を見ている。そのすぐ後にマングローブを見るなんて、日本は本当に広い国だと思う。

川平湾

次の目的地は、おそらく石垣島で最大の観光地といえる川平湾。前回の旅行では来なかったので、今回初めて見ることになる。さすがに有名観光地だけあって、3月だというのに駐車場はほぼ満車状態だった。

何とか空きを見つけて車を停め、展望所へ歩くと川平湾が一望できた。朝は天気があまりよくなかったが、この時間になると晴れて暑くなってきている。

いやあ、海の色は本当にきれい。さすがに日本百景に選ばれただけのことはある。

砂浜まで下りてみた。透明度も抜群。

川平湾では遊泳は禁止されているので、シュノーケリングやダイビングなどはできない。グラスボートで海底を眺めるだけになり、駐車場周辺にグラスボートのチケット売り場がいくつか並んでいる。1,200円でチケットを買い、船に乗り込む。

ダイビングで潜ってみたいという気持ちになるが、まあ仕方がない。ちなみにここで遊泳が禁止されているのは、かなり流れが速いためらしい。他に、グラスボートが行き来しているので危険という理由もあると思う。

というわけで、大人しく船底から海中風景を眺めるだけにしておいた。サンゴなどはきれい。

ただ、ガラスを通して見ているだけに、ちょっと透明度が落ちるのが残念。魚はまあまあ泳いでいる。

クルーズ時間は約30分。「ちょっと残念」みたいなことを書いたものの、石垣島の定番観光コースだけあって面白かった。ここはおすすめ。


石垣島での最後の目的地は鍾乳洞。川平湾からそこへ向かう途中、「バンナ公園展望台」というところに立ち寄ってみた。

遠くに石垣空港まで眺められる。

八重山鍾乳洞

石垣島には、観光鍾乳洞が3ヶ所ある。島の北側にあるサビチ洞と、石垣市街に近い八重山鍾乳洞と石垣島鍾乳洞で、サビチ洞は前回の石垣島旅行で行ったことがある。今回は後の2ヶ所を回ってみた。

まずは八重山鍾乳洞へ。ここは鍾乳洞だけでなく屋外に「八重山自然村」「動植物園」「天然薬草園」という施設が作られていた。

(注)2021年時点、「八重山鍾乳洞」で検索すると様々な悪評の他に「超B級スポット」などという評判もヒットする。どうやら、後述する動物園の管理が行き届いていないとか、建物が荒廃してきているというのが理由らしいが、この八重山鍾乳洞が現状どうなっているのかについては把握していない。これらの写真は2012年当時の記録として見てほしい。

1,500円でチケットを買い、まずはそちらのほうに入る。

しかし観光客にはあまり人気のないスポットなのか、まったく人が歩いていない。まずはこういうジャングルの中の道みたいなところを進む。

小道の先に観光エリアが広がっているが、大きな池もあったりして予想よりずっと広かった。いろんなスポットが点在しているので、歩いていると楽しめる。まずは「海人の家」。

屋根にはもちろんシーサー。

こちらは「崖墓(キティパカ)」。説明書きによれば「天然自然の断崖を横へ掘り抜いたもの」「喜界島に極めて多く見られ、徳之島、沖永良部、与論島にも多い」ということだった。

動物園エリアにはこういう注意書きが。そんなに危険なんでしょうかね。

なぜかダチョウもいた。こちらの方が不用意に近づくと危険という気がするが。

放し飼いにされているチャボの群れ。他にクジャクもいた。

動植物園に時間を取られ、ようやく鍾乳洞へ。なお「水牛鍾乳洞」「せせらぎ鍾乳洞」というのもあったが、ほぼ入ることは不可能な状態になっていた。このとき入ることができたのは、こちらの「古代人館鍾乳洞」だけ。

洞内はこんな感じ。鍾乳石などはわりと立派で、もともと洞窟めぐりは好きなので楽しかった。黄金鍾乳石(高さ8メートル、直径5メートル)なんて、かなりの観光資源になりそう。

鍾乳洞を出て、本館らしい建物の方へ歩いているとこういうものが。ネーミングがなんとなくB級スポット的。

建物の中にはいろんな展示物が並んでいた。貝殻や海の生き物の化石が多かったが、「悪意から守る巨大ジャコ貝」というネーミングもB級スポットみたい。

続いて、八重山鍾乳洞エリアにあるもうひとつの鍾乳洞「龍神鍾乳洞」へ向かう。途中、唐突にカウボーイが現れた。

かなりいい感じの人形だが、どういう理由でここにいるんだろう。

こちらが龍神鍾乳洞の入口。

こちらは先ほどの古代人館鍾乳洞よりは規模が大きく、わりと本格的な洞窟めぐりが楽しめた。見学できる部分の長さは300メートルほど。

これで八重山鍾乳洞を一通り見たので、続いてもうひとつの鍾乳洞「石垣島鍾乳洞」へ向かうことにした。それにしても、エリア内を歩いている間、観光客は見事に誰一人いなかった。ここは経営的に大丈夫なんだろうか。

(2021年 追記)

前述の通り、この八重山鍾乳洞が現状どうなっているかについては気になっている。ネット上では「動物たちの世話が行き届いていない」「ダチョウの死骸があった」「建物が無人だった」「古代人館鍾乳洞は照明が消えていた」などという訪問記も見かけたし、本当に今はどうなっているんだろう。石垣島を旅行する機会は当面ないと思うので、最新情報を知っている人がいたら教えてほしい。

石垣島鍾乳洞

この日最後の目的地が、石垣島鍾乳洞。こちらは、先ほどの八重山鍾乳洞と違って正統派の観光地。

それにしても、よほど八重山鍾乳洞と間違えてほしくないのか、公式サイトで「間違えないようにご注意ください。近くに同様な鍾乳洞があります。施設名が石垣島鍾乳洞であることをご確認ください。疑問や不安を感じたらお気軽にお問い合わせ下さい」としつこいくらい注意喚起されているのが笑える。

こちらはきんさんぎんさん来園記念という長寿ガジュマル。しかし二人がテレビに出演していたころはすでにかなりの高齢だったはずだが、石垣島まで来ていたとは知らなかった。

1,200円でチケットを買い、鍾乳洞へ。見学できる長さは660メートルほど。

鍾乳石などはもちろん見事だったが、ここはむしろ洞内のライトアップの方が面白かった。

こういうイルミネーションを使っていると何となく安っぽく見えてしまうんだが、まあ感じ方は人それぞれか。

こちらは「トトロ鍾乳石」。まあ、そう見えなくはないかも。

「おちてたまるか!(受験石)」はちょっとしたB級物件。

さすがに「八重山鍾乳洞と一緒にするな!」と主張している鍾乳洞だけあって、なかなかの迫力だった。ここは普通におすすめできる観光地。

公式サイトはこちら。

これで、この日の石垣島観光は終了。さすがにレンタカーを使うと行動範囲が広がり、石垣島のめぼしい観光地を一通り見ることができた。石垣島で見かける車の多くが「わ」と「れ」ナンバー(市街地を離れると、体感では半分以上)なのも納得。

この後、市街地に戻ってレンタカーを返却し、ホテルに帰った。


旅行最終日は、飛行機の出発時刻が午後1時20分なので、それまで石垣市街を散策することにしていた。いったん離島ターミナルに入ってみると、与那国島の海底遺跡の写真が展示されていた。

一般的には海底遺跡と呼ばれているが、しかし与那国島の地層と同じ角度で傾斜しているという時点で自然の地形なのは明らかだと思う。人工物の遺跡なら、わざわざ傾けて作ったりはしない。それに、徐々に水没したのであれば必ず残るはずの波の浸食の跡もないらしい。

しかし自然の地形だとしても観光資源としては価値があると思うし、一度は実際に見てみたい。すでにダイビングのライセンスもアドバンスまで取得したので、いつか与那国島へ行ってみたい。

この後、石垣島公設市場などで土産物等を買い、バスで石垣空港へ。石垣島に出発して那覇へ移動し、さらに乗り継いで夕方5時半に長崎空港に帰着した。

(2012.3.19~20)


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