ポルトガル旅行記(ロンドン編)

ポルトガル旅行の帰り、ロンドンに半日滞在した。イギリスに入国するのは5回目だが、今まではトランジットで通過しただけだったので、ちゃんと観光したことはない。

あまり時間はないが、とりあえずテムズ川を見たかったので河畔にあるロンドン塔へ行ってみることにしていた。


ファロからの飛行時間は約2時間半。LCC のライアンエアーだけあって機内の飲み物等はずべて有料なので、今回は利用しなかった。ただ、スタンステッド空港からリバプールストリート駅までのスタンステッド・エクスプレスのチケットが機内で買えば20ポンドだったので、クレジットカードを使って購入しておいた。駅で買うと22.5ポンドなので、少しお得になる。

着陸する前、次第に高度が下がってきた頃に外を見ると畑のモザイク模様がかなりきれいだった。

午前7時半、ロンドンのスタンステッド空港に到着した。今回もトランジットなので、出国のチケットを見せると特に何も聞かれずに短時間で入国できた。

ポルトガルの出発が早朝で、朝食がまだだったためターミナル内のバーガーキングに入ってみた。ここでチーズバーガーとハッシュドポテトとカフェラテのセットを注文したところ、値段は何と6.59ポンド。8日前にトランジットで入国した際にもロンドンの物価の高さに驚いたが、しかしセットメニューが約900円とは、もはや狂乱物価というしかない。

異常に高い朝食を終え、ターミナルの地下にあるスタンステッド・エクスプレスの乗り場へ。

スタンステッド・エクスプレスに乗るのは2004年のスロベニア旅行のとき以来。当時は車内で検札があったが、今回は誰もチケットを確認に来ないことを不思議に思っているうちに約45分でリバプールストリート駅に到着した。

列車を下りてホーム出口へ歩くと、ここでチケットの回収をやっていた。

ロンドン塔周辺を歩く間、重い荷物をどこかに預けたいが、ロンドンの駅にはコインロッカーというものはない。これはテロ対策という理由だそうで、駅には爆弾が隠せるようなロッカーやゴミ箱などは置かれていないという。その代わり、日本では少し懐かしい感じがする「手荷物一時預かり所」がある。

表示にしたがってその場所へ行くと、利用者が荷物を預ける際にX線検査が行われていた。イギリスでは、日本では考えられないくらいテロというものが意識されていることを実感する。

行列に並び、私の順番が来ると英語でいろいろと聞かれたが、やはりネイティブの発音はよく聞き取れない。まあ、空港と同様に「危険なものは入っていないか」「人から預かったものは入っていないか」等が聞かれていることは推測できたので、ここは何とか切り抜けることができた。料金は8.5ポンド。

荷物を預けて身軽になり、地下鉄のリバプールストリート駅へ。ここで1日有効のトラベルカードを7ポンドで購入した。チューブという愛称の通り、丸いトンネルからそのままの形の列車が出てくるのを見ると毎回笑いそうになる。

ロンドン塔の最寄り駅のタワーヒル駅へは、リバプールストリート駅からはサークルラインで2駅目になる。しかしながら、この日はなぜかサークルラインのリバプールストリート駅付近は運休になっていた。仕方がないのでセントラルラインでマイルエンド駅へ移動し、ここでディストリクトラインに乗り換えてタワーヒル駅へ。地上に出ると、いかにもロンドンという風景が広がっている。

そして目の前にロンドン塔が見える。さすがに有名観光地だけあって観光客は多そう。

大勢の観光客に混じって、チケット売り場でチケットを購入した。料金はなんと20.9ポンドで、つまり3,000円以上になる。ここでもロンドンの物価の高さを実感。

ではロンドン塔の中に入る。

ロンドン塔の風景を下に並べておく。ロンドンの有名観光地なので、インターネット上には旅行記などはたくさんあるため、ここがどういう建物なのかについての説明はしない。詳しいことは Wikipedia あたりを参照してほしい。

ここは幽霊が出るスポットとしても有名らしいが、確かにそういう雰囲気はある。夜中にここを歩いたら面白そう。

ロンドン塔の建物の中からテムズ川とタワーブリッジを眺めることができた。下の写真が5回目のイギリス入国でようやく見ることができたテムズ川。有名な川なので一度は見たいと思っていたが、ロンドンを何度も通過しながら今まで見る機会がなかったのは自分でも意外。

もっとも、川の水は予想通りというか、かなり汚い。

中に入ることのできる建物はどれも展示室になっていて、鉄兜は写真撮影用にかぶってみることができる。

やはり一国の歴史の中には暗いものもある。ガラス越しにミニチュアで作られている光景を眺めるコーナーでは、こういう場面が多数作られていた。さすがに大きな人形で再現することはためらわれたということか。

そして、この建物にロンドン塔のハイライトともいえるクラウン・ジュエルが展示されている。さすがに大変な人気で、この建物の中に入ってしまうともはや逆戻りはできない。身動きできないほどの人波の中で、少しずつ出口のほうへ歩いていくしかないが、途中には王室の財宝やエリザベス女王の映像などが大画面で流れているので、意外と疲れない。この建物内は写真撮影禁止。

目玉のクラウン・ジュエルは、動く歩道に乗って鑑賞するようになっているので立ち止まってゆっくりと見ることはできない。目の前を流れていくだけだが、国王の頭上を飾った本物の王冠などが実際に置かれているのだから興味深い。宝石もえげつないくらいに巨大で、一度は見てみる価値はある。

建物を出て、衛兵の交代を眺めてみた。こんな絵に描いたような衛兵を見ると、不謹慎ながら笑ってしまいそうになる。

そしてロンドン塔といえばカラス。芝生の上をカラスが我が物顔に歩いている。

カラスのアップ。「カラスがいなくなるとロンドン塔が崩れ、ロンドン塔を失った英国が滅びる」と言われているそうで、イギリスではカラスを殺すことは不吉な行為らしい。近くで見るとカラスは意外と威圧的。

もっとも、この旅行の翌年、マンションでハト対策で苦労した後はハトの天敵(というより、ハトが大嫌いな)カラスに対して非常に好感を持つようになった。ベランダから隣の建物を見ていても、カラスが一羽いるとハトはまったく寄り付かないが、カラスが飛んでいった途端にハトが何羽も集まってくる。ヨーロッパなどではハト除けとしてベランダにものすごく精巧なカラスの置物を置いたりするというし、ハトは本当にカラスが大嫌いらしい。ハトの天敵は、つまり私の味方。

個人的な話はこれくらいにして、続いてホワイト・タワーの中にある展示室に入ってみた。

甲冑や武器などが展示されているが、特に面白いと思ったのがこれ。ヘンリー8世の甲冑ということだが、こんなものを着てよく動き回れるものだと思う。股間がしっかりとガードされているところはさすが。

こちらは歴代の王が乗っていた馬をモデルにした木馬だそうで、ここだけ見るとメリーゴーラウンドみたいな感じ。

それから、これらの展示品の中で正体がわからなかったのがこれ。多分ドラゴンだと思うが、由緒ある展示品に混じってこういう作品が置いてあるところが面白い。かつて(20代のころの話)19世紀の英国ファンタジー小説を読みふけっていたことがある者としては、さすがイギリスという感じがして嬉しくなる。

好きだった作家は、ジョージ・マクドナルドやロード・ダンセイニなど。短編集としてお勧めは ヴィクトリア朝妖精物語 だが、現在は中古でしか手に入らないようなのが残念。

この後、敷地内をもうひと回りしてみた。かつてロンドン塔で行方不明になった二人の王子(暗殺されたと言われているが、確証はない)のコーナーやかつて使われていた拷問器具など、興味深い展示も多かったのだが、人が多すぎて写真は撮らなかった。ネット上にロンドン塔の訪問記はたくさんあるので、見たい人はそちらを参照して欲しい。

ロンドンの定番観光地だけあって、内容はかなり面白かった。入場料は高いが、一度は入ってみる価値はあると思う。もっとも、何度も繰り返して訪れるというより1回行けば十分というスポットかもしれない。


ロンドン塔を出て、続いてタワーブリッジへ。あまり時間がないが、とりあえず橋を渡ってみることにした。

道路に上がる前に近くで川を眺めてみた。やっぱり水は汚い。

タワー部分に展示室もあるが、時間がないので橋を往復するだけにしておいた。1894年に完成した跳開式可動橋だが、今でも現役というのがすごい。今でも月に数回、橋の真ん中が跳ね上がるところが見られるそうだが、さすがにこの時は動いてはいなかった。

もっとゆっくりと見たいところだが、残念ながらもう時間がない。名残惜しいが、そろそろ空港へ向かうことにして、近くを歩いているとイルカと戯れる少女のオブジェがあった。

少女のアップ。こういう写真を撮るのが好きなので。

顰蹙ものの写真を撮ったあと、地下鉄のタワーヒル駅へ。ロンドン塔の石壁に沿って歩いていると、反逆者の門があった。かつてはテムズ川とつながっていて、囚人たちが船で運ばれてきていた場所だという。

タワーヒル駅に着くと、先程は運休していたサークルラインが動いていた。サークルラインならリバプールストリート駅まで2駅なので、早速乗ったところ次のアルドゲイト駅までの運転だった。列車を降りたところ、この先は列車が動いていないらしい。タワーヒル駅に表示があったのかもしれないが、全く気付かなかった。

これから別の路線に乗り継ぐと時間がかかるし、あと1駅なので歩くことにした。地図を見ると歩けない距離ではない。荷物を背負って早足で歩くのは疲れるが、その代わりこういうロンドンらしい景色を見ることができた。

リバプールストリート駅で預けていた荷物を受け取り、地下鉄でパディントン駅へ移動。セントラルラインでオックスフォードサーカス駅へ行き、ベイカールーラインに乗り換えてパディントン駅に到着した。

パディントン駅からヒースローエクスプレスで空港へ。料金は19ポンド。約15分でヒースローセントラル駅に到着し、シャトル列車に乗り換えてターミナル4駅へ。大韓航空のカウンターでチェックインを行い、すぐにイギリスを出国した。

5回目のイギリス滞在でようやく少しだけ観光したが、雰囲気はなかなかいいと思うものの、やはり物価の異常な高さには驚かされた。いつかストーンヘンジやネス湖を見たいという気持もあるものの、この物価では躊躇してしまう。ネス湖を見るのはいつになるだろう。

午後7時半、ロンドンを出発。機内では行きに続いて再度「ヒューゴの不思議な発明」を見て、後は食事の時間以外は寝て過ごした。翌日の午後2時半、ソウルに到着したが、かなり疲れた。夜行便での移動が次第にきつくなってきたように思う。

トランジットエリアで4人分の椅子を使って仮眠し、午後4時半にソウルを出発。約1時間のフライトで長崎空港に帰着した。


<2012年 / ポルトガル旅行記のインデックスページ>

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