ポルトガル旅行記(シントラ / レガレイラ宮殿)

午後2時、前日も訪れたシントラ駅前に到着した。シントラを再訪したのは、前日は時間がなくて行けなかったレガレイラ宮殿を見るため。

旅行前にインターネットでポルトガルの観光地を調べているときに見つけ、まるで RPG のダンジョンのような世界が気に入ったので、シントラではペーナ宮殿と並んでぜひとも見てみたいスポットだった。


シントラ駅からは駅前~王宮~ムーアの城跡~ペーナ宮殿~王宮~駅前と観光地を循環するバスがあるが、なぜかレガレイラ宮殿は通らない。地図を見ると歩いていける距離なので、まずは王宮方面へ歩くことにした。

駅からは緩やかな上り坂が続き、やがて遠くに王宮が見えてくる。木々が多いので、歩いていると気分がいい。

途中、こういう小さな公園があったので入ってみた。ガイドブックの地図にも載っていないような公園だが、入口に説明書きがあるので案外由緒のある公園なのかもしれない。

ちょっとした時間つぶしに入った公園だったが、こんなオブジェがいくつもあって予想外に楽しめた。この間抜けな感じがなかなかいい。

意外なB級スポットだった公園をしばらく散策した後、再び王宮方面へ歩く。途中、こちらはガイドブックにも載っている観光スポットの「ムーアの泉」がある。アスレージョ(装飾タイル)がきれい。

水が湧き出しているが、飲むのは自制して手を洗うだけにしておいた。

駅から20分ほどで王宮の前に到着した。ここからレガレイラ宮殿に向かう前に、近くに観光客向けのレストランが並んでいたので、まず昼食にした。注文したのは「バカリャウ・ア・ブラシュ」というポルトガル料理で、バカリャウ(タラ)とポテトフライの卵とじのような料理。味は普通にうまい。

このときは隣りのテーブルに座っていたのは日本人観光客の家族連れだった。さすがに有名観光地だけあって、シントラでは日本人旅行者を見かけることも多かった。


昼食後、今回のシントラでの主目的地、レガレイラ宮殿へ。町のはずれのほうにあり、王宮前から15分ほど歩くと見えてくる。ここから見ても、なんだかゾクッとするような雰囲気が伝わってくる。

では6ユーロでチケットを買い、中に入る。チケット売り場でもらった地図を見ると敷地はかなり広く、端から端まで歩くとかなり時間がかかりそうな気がする。まずは入口からも見えていた大きな城館へ。

城館の中は迷子になりそうなほど部屋数が多く、歩いていると楽しめる。いわくありげな胸像やら図書室やら「これはバイオハザードの洋館だ!」とすっかり興奮した。かつて(1997年ごろの話)バイオハザードの1作目にすっかりはまり、ほとんど徹夜でプレイしていたことのある者としては、この城館の中の雰囲気は本当に楽しかった。適度に薄暗いところもなかなかいい。

私は家庭用ゲーム機は今まで一度も買ったことがなく、PlayStation も Wii も持っていないという変わった人間なので、今までにはまったゲームはいずれも Windows PC 版。ゲームパッドも持っていないので、キーボード操作だけでゾンビやケルベロスやタイラントと戦っていたのが懐かしい。

城館から外を眺めると、深い森の中に石造りの塔が建てられているのが見える。

城館を出て敷地内を歩いてみた。パンフレットによれば、ここは12世紀に建設された王族の別邸を、20世紀前半にイタリアの建築家ルイージ・マニーニが改築した宮殿だという。

敷地はかなり広い上にアップダウンも大きく、さらに登りたくなる塔も多いので歩いていると疲れるのだが、しかし雰囲気は本当に面白い。まさにファンタジーの世界。

どの塔にもしっかりと階段が作られていて、上まで登ることができるのは嬉しい。

深さ30メートルほどの井戸は、らせん階段で底へ下りることができる。これはダンテの神曲をモチーフにした「イニシエーションの井戸」だそうで、よくこんな深い穴を掘ったものだと思う。

らせん階段の途中から見上げたところ。

底まで下り、上を見上げてみた。

井戸の底が行き止まりではなく、ここから横穴が続いている。その方向の写真を撮ると、ちょうど中から人が出てきて、いい感じの心霊写真になった。

ここから横穴のほうに進むと、先には洞窟のような地下道が続いていた。この宮殿のために日本から持参した懐中電灯を使い、注意しながら先へ進む。

地下道を抜けると、先ほど歩いていた建物のところから地上に出た。

こんな感じで、離れた場所にある構造物が地下道でつながっていたり、この宮殿内は遊び心にあふれている。まさに RPG のダンジョンという感じで、探検しながら歩くと本当に面白い。これなら一日中いても楽しめると思う。

こちらは別の井戸で、先ほどの井戸より荒々しい感じ。

らせん階段で下へ降り、上を見上げてみた。

この井戸の底からも地下道が続いている。この地下道は本当に真っ暗なので、懐中電灯がないと先へは進めない。日本から懐中電灯を持参して本当によかったと思えた。(下の写真はフラッシュを使っている)

地下道を抜けると、こういうところに出た。外から見ると自然の洞窟のようだが、やはりこれは人工的に作られたものなのだろう。本当によくできている。

あちこちに川や池やちょっとした滝が作られていて、雰囲気は素晴らしい。おかげで、どこを撮ってもきれいな写真になる。小さな階段が見つかると、これはどこへ通じているのかと思って歩いていかずにはいられない。そのためかなり歩き疲れるのだが、しかしこんな楽しい場所はない。

小さなチャペルの1階から細い地下道が続いていて、これはどこへ通じているのかと思って歩いていったら、ここだけは行き止まりだった。こういうフェイントはあるものの、基本的には小さな階段や地下道はどこか別の場所へ通じているので、この日だけで相当な距離を歩いてしまった。石造りの建物の他、いわくありげな彫像などもあって楽しめる。

宮殿の敷地内を3時間ほど歩き回ったが、本当に楽しかった。前日に訪れたペーナ宮殿と王宮は観光客であふれていたが、ここはシントラの循環バスのルートから外れているためか、それほど人は多くない。インターネット上にあるシントラの旅行記を見ても、ペーナ宮殿とムーアの城跡と王宮はほとんどの人が訪れているようだが、このレガレイラ宮殿へ来た人はそれほど多くないように思える。雰囲気はまるでゲームの世界だし、こんなに探検を楽しめる場所は世界にもそうはないと思うので、シントラへ来る際はぜひとも宮殿内を歩き回ってみてほしい。


名残惜しかったが、レガレイラ宮殿を後にして、歩いてシントラ駅へ。シントラから列車でリスボンのロシオ駅へ戻り、地下鉄を乗り継いで国鉄のオリエンテ駅へ移動した。この駅へ来たのは、翌日のエヴォラと3日後のラゴスへの列車の時刻を調べ、チケットを購入するため。リスボンには方面別にいくつかのターミナル駅があり、エヴォラとラゴスへの列車はオリエンテ駅から出発するというのは調べていた。

幸い、チケット売り場近くに行き先別の時刻表があり、翌日のエヴォラ往復と3日後のラゴスへの片道の時刻を調べることができた。紙に行き先と時刻を書いて窓口の男性に見せ、無事にチケットが購入できた。値段は合計で47.25ユーロ。

チケットが購入できたので、続いて夕食にした。駅のすぐ近くに「バスコ・ダ・ガマ」という大型ショッピングモールがある。

東南アジアで見かける巨大ショッピングセンターほどではないが、それでも規模はわりと大きい。最上階にフードコートがあり、ここで夕食にした。いくつか料理を選んで皿に盛ってもらうスタイルで、バカリャウやジャガイモの煮物などを選んでみた。レストランではなくフードコートなので、味はそれなり。

ショッピングセンター内やオリエンテ駅構内をしばらく散策した後、地下鉄でアンジョス駅へ移動。夜10時にホテルに戻った。

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