キルギス旅行記(カラコル~チョルポン・アタ)

この日はアルティン・アラシャンのトレッキング拠点だったカラコルを離れ、イシククル湖北岸のチョルポン・アタへ移動することになる。トレッキングをやらない限りカラコルはキルギス旅行でもあまり訪れない町かもしれないが、しかしいい感じの町だった。


朝7時半に起床。朝食を終え、9時半にホテルをチェックアウトした。キルギスでは珍しく英語が通じるので、カラコルに滞在する際は MADANUR ホテルはお勧め。

英語の堪能な娘さんに別れの挨拶をして、さらに建物の奥の庭にいた犬にも手を振ってからホテルを出た。

ホテルからタクシーでバスターミナルへ移動。バスターミナルは北側の町外れにあるので、ここはタクシーを利用した。料金は50ソム。

ターミナルはわりと立派な建物になっているが、カウンターは閉まっていてほとんど人がいない。

まあ、首都ビシュケクのバスターミナルも同じような感じだったので、ここでもミニバス乗り場を探してみた。やはりミニバスの方が本数が多くて人気があるらしく、こちらは多くの乗客で賑わっていた。

チケット売り場でチョルポン・アタへのバスチケットを購入したところ、値段は120ソムだった。ミニバスは「満員になったら出発する」というシステムだが、乗客が乗り込んで出発していくのはいずれもビシュケク行き。チョルポン・アタ行きはそれほど人気がないのか、あまり乗客が集まらない。これでは出発まで時間がかかるかも、と考え始めてきた頃、満員になっていないのにミニバスが動き出した。この路線は定時運行だったのかもしれないが、結果的にバスターミナルで待っていた時間が45分ほどで済んだのは幸運だった。

カラコルからチョルポン・アタまでの所要時間は2時間半ほど。途中の車窓からは地平線まで続く草原を見ることができる。

やがて左側に湖が見えてきた。これがキルギスのシンボルともいえるイシククル湖で、ビシュケクからカラコルへ移動したときは近くで見えなかったので、こんなにきれいに見たのは初めて。

ここからは道路はほぼ湖沿いを通るので、景色はかなりきれい。天山山脈をバックにしたイシククル湖の景色を楽しめた。

午後1時、チョルポン・アタの町に到着した。ミニバスの終点は町の中心部を少し通り過ぎたところで、「ここで下りたほうがいいかも」と考えているうちに下りそびれてしまい、結局終点まで乗ることになった。といっても終点から町の中心部までは歩いて10分もかからないので、たいした問題ではない。

まずは宿泊先を決めないといけない。周囲を見ると道路沿いに快適そうなホテルの看板があり、どうやら湖畔に建つホテルらしいので、そちらへ行ってみることにした。

湖畔へは予想以上に距離があり、大きな荷物を背負っていると疲れる。途中に快適そうな感じの小さなホテルが何軒かあったが、まったく人の気配がしない。門もかたく閉ざされているので、どうやらオフシーズンということで営業していないらしい。この感じだと先ほどの看板のホテルも閉まっているのではないかと不安になったが、とりあえず先へ進む。

しかしながら、その不安が見事に当たり、ホテルは営業していなかった。そこそこの距離を歩いてきたので、このときは疲れが倍増した。

仕方がないので元の方向へ戻り、再びミニバスの終点付近へ。ここから歩いてチョルポン・アタの中心部へ移動した。

しかし、町の中心ならホテルやゲストハウスがあるだろうと考えていたものの、しばらく周辺を歩いてもそれらしい建物は見つからない。少し不安になってきたころ、郵便局の横の路地を入ったところに「ペガサス」というゲストハウスが見つかった。

中に入ろうとすると、正面の入口は閉まっている。裏へ回ると大きな鉄製の門の前に馬が2頭いて、ここの女主人が鞍などの準備をしていた。ここに宿泊している旅行者が、これからホーストレッキングに出かけるらしい。

女主人に部屋があるかどうかを聞くと、ここはドミトリーしかなく、フランス人の旅行者2人が泊まっているがベッドに空きはあるということだった。これ以上ゲストハウスを探し回る気力がなくここに泊まることにしたが、ドミトリーは2008年の香港以来5年ぶり2回目になる。

いったん荷物を置くために部屋に入ると、テーブルやピアノがある部屋の奥が寝室になっていて、ベッドが4台置いてあった。後で知ったところによると、この2人はフランス海軍の士官で、休暇を利用してキルギスを旅行しているということだった。

やがてフランス人たちと女主人はホーストレッキングに出かけていった。私のほうは、近くの大通り沿いにある「ライオン・カフェ」というレストランで昼食にした。注文したのはラグマンとチャイ。

今までウズベキスタンやキルギスで食べたラグマンは汁気の多いうどんタイプだったが、ここではパスタのような感じだった。見た目から想像できる通り、味はスパゲティミートソースに近い。

昼食後、チョルポン・アタの中心部を散策することにした。まずはイシククル湖を近くで見てみようと思い、湖畔の方向へ歩いていくと、なにやら有料の公園らしい場所があった。湖畔に出られるようなので入ってみることにしたが、ここは予想外にすごいB級スポットだった。

宗教公園「ルフ・オルド」の風景については、次のページに載せることにする。