キルギス旅行記(トクマク / サーカス)

キルギスでの最初の目的地として選んだのは、ビシュケクから約60キロのところにあるトクマクという町。ブラナの塔とバラサグン遺跡というスポットがあり、草原に建つ塔を見てみたかったので行ってみることにした。


トクマクへのミニバスは、ビシュケクの東ターミナルから出発することになっている。ゲストハウスから1キロほどの距離なので歩いていくことにした。天候は小雨だが、歩けないほどのことはない。

途中、ちょっと面白い建物があったので写真を撮ってみた。多分、ナイトスポットのような店だと思う。

東バスターミナルはそれほど規模は大きくはなく、十数台のミニバスが停まっているだけなのでトクマク行きはすぐに見つかった。満員になったら出発するというシステムだが、トクマク行きは主要路線らしく、すぐに乗客が集まってきた。トクマクまでの料金は60ソム。

昼12時半に出発。しばらくは景色を眺めていたが、やがてウルムチでの空港泊の影響が出てきて、うとうとしているうちにトクマクのバスターミナルに到着した。ビシュケクからの所要時間は45分。

バラサグン遺跡は、ここからタクシーで15分ほどのところにある。当初はすぐにタクシーで向かう予定で、バスターミナルでは何人ものタクシー運転手が「ブラナ?」と言いながら寄ってきたのだが、少し迷うような状況になっていた。

ビシュケクでは小雨だったが、トクマクではそこそこに雨が降っている。といっても本降りというほどではないのだが、これでは塔の上からの眺めもそれほどきれいではないかもしれない。そこで、運転手の勧誘を断り、しばらくバスターミナルで様子を見ることにした。

バスターミナルのベンチからはサーカスのテントが見える。

テントの様子を見に行くと、なかなか面白そうな感じがする。こういうサーカスを見かけるのは2年前のウズベキスタン旅行以来で、調べたところ旧ソ連諸国はサーカスが盛んらしい。

開演時間を調べると、次は午後2時のスタートになっている。この日はサーカスを見て、キルギス滞在最終日に再びトクマクへ来るか、または当初の予定通りこれからバラサグンへ行き、最終日はビシュケクの観光に専念するか、少し悩んだ結果、バラサグンは諦めてサーカスを見ることにした。残念ながら雨は止みそうにない。

もちろん最終日はさらに大雨になる可能性もあるのだが、そのときは仕方がない。250ソムでチケットを買い、テントの中に入った。

このサーカスは “RRULA” という名前らしい。テントの中はこんな感じで、観客が半分もいないのが寂しい。これでは団員も力が入らないかもしれないという気がして、少し気の毒になった。

午後2時に開演。団長らしい髭の大男の「インターナショナルサーカス、ルーラ!」という声とともに、最初は団員がキルギス国旗を持って中央に現れ、国歌が演奏される。このときは観客全員が起立していたので、私もそれに合わせて起立しておいた。

続いて様々な演目が行われる。写真と動画で紹介したいところだが、このサーカスは撮影は禁止だった。最初は他の観客たちが写真を撮っていたのだが、それを見るとすぐに団員が飛んできて止めさせている。隠し撮りもできなさそうな感じだったので、撮影は諦めた。

まあ、首都ではなく地方都市で興行しているところからも予想できる通り、そんなにすごいサーカスではなかったので写真を取れなかったことはそれほど残念ではない。馬がぐるぐると疾走する場面は迫力があったが、他には猿とプードルくらいしか動物はいない。スパイダーマンの群れは面白かったが。

というわけで演目の写真はないが、最後の観客と団員の写真撮影サービスのときだけは写真を撮ることができた。右下の写真に少しだけ写っている赤いキャラクターがスパイダーマン。

ちなみに、この6日後にビシュケクで見たサーカスは、トラなどの猛獣や象がいたりしてさすがにレベルが違っていた。こちらは撮影可だったので、キルギスのサーカスについてはそちらのページを見てほしい。

それほどたいしたレベルではないといっても、観客は盛り上がっていたし、まあ面白かった。今後も、旧ソ連地域を旅行する際はこういうサーカスのテントを見かけることがあるかもしれない。可能な限り、中に入って観賞したいものだ。


テントの外に出ると、雨はやや強くなっている。ビシュケク行きのミニバスに乗り、4時半に出発した。来たときと同様、約45分でビシュケクの東ターミナルに到着すると、いよいよ雨は本降りになっていた。

傘は日本から持ってきているものの、靴が濡れるのが嫌なのでタクシーで市街中心部のツム百貨店に移動し、しばらく百貨店内を散策してみた。電気店や衣料店や骨董店などの小さな店がたくさん入っているという昔ながらの百貨店で、歩いていると面白い。店内の写真は、旅行最終日に1枚だけ撮ることができたので、そのときに載せることにする。

こういう百貨店は、日本だったら最上階(5階)にレストランがあって景色が眺められるところだが、ここにはそういうものはなかった。最上階のカフェで市街を眺めようと考えていただけに、これには拍子抜け。

外に出て、周辺を歩いていると両替店が並んでいる通りがあったので200ドルを両替した。受け取った金額は9,600ソムで、空港より少しレートがいい。

散策の途中、カフェで夕食にした。料金は135ソム。

その後もしばらく散策を続けたが、雨は小降りにはなったものの、止みそうにはない。そこそこで切り上げ、午後7時にゲストハウスに戻った。翌日はビシュケクを離れてトレッキングの拠点となるカラコルへ移動する予定だが、飛行機から見たときはイシククル湖周辺は晴れていたので、おそらく天気は大丈夫だろうと淡い期待を持っている。シャワーを浴び、夜10時に就寝。