タイ旅行記(サラ・ルーシー)

バンセーンでの最後の目的地は、市街のやや外れにあるサラ・ルーシーという寺院。今回のタイ旅行の直前に見つけ、それほど広い寺院ではなさそうだったが面白いオブジェがいくつもあるということなので行ってみることにしていた。


正門の前でバイクタクシーを下り、1時間後に再び来てもらうことにして寺の中に入った。大通りからかなり離れたところなので、迎えを頼んでおかないと帰りの交通手段がなくなる。

正門にある漢字表記は「呂氏祖師廟」で、タイ語ではサラ・ルーシーと言うらしい。漢字から想像すると、おそらくは呂氏という開祖が祀られていると思う。(中国語はわからないので、違っていたらすみません)

中に入ると、まずは太鼓腹でにこやかに笑う羅漢さんがお出迎え。

ワットセーンスックでも同じような坊さんを見たが、こっちのほうが親しみを感じる笑顔。

先へ進むと、本堂の周りの狭いスペースにたくさんのオブジェが乱立していた。どれも派手で面白いが、脇の下に三角形の枕を置いた涅槃像は初めて見た。これなら横になっていても疲れないから楽だ。

虎の造形が細かいところまで凝っていて、股間はこの通り。「ここまで作り込むか?」と感心した。

この筋骨隆々の神様(猿神?)の顔は、どこかで見たことがあるような気がする。

ワッキーさんですか?

写真ではそれほど伝わらないかもしれないが、実際に見るとかなり似ている。ペナルティのファン(そういう人がいれば)は必見。

こちらの祠には、おそらくは何かの聖人だと思う人物が祀られていた。

近寄ってみると、なんだか貧相な人物。しかし、よく見るとこの顔もどこかで見たことがあるような気がする。

漫画家の加藤芳郎さんですか?

いや、もちろん別人なんでしょうけど、しかしタイの地方都市で連想ゲームを思い出すことになるとは思わなかった。

こちらは酒樽にもたれて酒を飲んでいる人。前から見るとちゃんとした格好をしているが、後ろから見ると服がつぎはぎだらけ。多分、なにか由来のある人とは思うが、よくわからない。

2015年に台湾の高雄を旅行した際、鳳山寺という寺院を訪れたときに正体がわかった。南宋時代の僧がモデルとなった済公活佛という神様で、鳳山寺には高さ21メートルの巨大な神像が建てられている。生い立ちや逸話については台湾旅行記(2015年)のページを参照してほしい。

では、本堂に入ってみることにする。

本堂内では寺院の関係者(だと思う)が食事をしていて、その一家団欒といった風景に会釈をしてから靴を脱いで中に入った。奥の小部屋に入ると、何体かの仏像が安置されていた。

本尊だと思う老人像(この人が呂氏か?)に参拝し、外に出た。写真を撮るのは気が引けたので、ここの写真はない。

続いて、大きな老人像と観音像があるエリアへ。

石段を上がって、虎柄の衣をまとった老人像へ。多分、この人が呂氏だと思う。清貧を強調するためか、足元は裸足。

この老人像の奥には大きな観音像がある。予想以上に立派な姿に驚かされたが、しかしこの顔もなんだか見たことがあるような気がする。

野田元首相ですか?

しかし、どこかで見たことがあるような人に3人も出会うとは思わなかった。これらの姿を見るだけでも、ここへ来る価値はあると思う。

寺院の端から海の方を遠望すると、先ほど訪れた道徳天霊宮が眺められる。この距離から見ると、道徳天霊宮はかなり規模の大きい寺院だったということが改めて実感される。

では、今までに紹介したオブジェがずらりと写っている写真を下に載せておく。そんなに広い寺院ではないので、オブジェの密度はかなりのもの。

いったん寺院の外に出て、周辺を歩いてみた。実はこの寺院の周辺は猿だらけで、車が来てもお構いなしに歩いている。どの車も猿を避けながら徐行していて、猿を見物するために車を停めたらすぐに屋根に乗ってくる。どうしてこうなったのかは知らないが、少し厄介。

再び寺院に戻って、バイクタクシーが迎えに来るまで散策。規模は大きくはないが、面白いオブジェが多く、かなり楽しめた。旅行の直前に見つけたスポットだったが、行ってみてよかったと思う。バンセーンに滞在する際は、ワットセーンスック、道徳天霊宮、サラ・ルーシーの3ヶ所はセットで訪れてみてほしい。

頼んでいた時間ぴったりにバイクタクシーが迎えに来て、バンセーンビーチに戻った。