メキシコ旅行記(コスメル島ダイビング)

カンクン滞在2日目はコスメル島のダイビングツアーに参加することにしていた。コスメル(マヤ語でツバメの島という意味)は年間を通して水の透明度が高く、人気のダイビングスポットになっている。カンクンではセノーテと並んでダイビングで訪れたいスポットだった。


朝7時に起床。集合時間は8時20分で、メッシュバッグを持ってロビーで待っているとクイーンエンジェルのスタッフが迎えにやってきた。一緒にワゴン車に乗り込み、ホテルを出発。

車の中で申込書に記入し、Cカードとログブックでライセンスとダイビング履歴を確認してもらった。今回のダイビングガイドはKさんで、ログブックの最後が 沖ノ島 だったため自分も福岡出身と話してくれた。

途中、4ヶ所のホテルに立ち寄り、4組のツアー客が乗ってきた。いずれも新婚旅行中の若い夫婦で、計9名でカンクンを出発。そのうち7名がコスメル島ダイビング、2名がセノーテのシュノーケリングということだった。車内で「やっぱり新婚旅行ばかりですね。1人で参加する人は少ないのでしょうか」と聞いたところ、決してそういうことはなく、1人参加も少なくはないということだった。それを聞いて少し安心。

カンクンから南へ走り、約1時間でプラヤ・デル・カルメンに到着した。ここから船でコスメル島へ渡ることになる。セノーテのシュノーケリングはもう少し車で移動するということなので、ここで7名とガイドのKさんが車を下りた。

絵に描いたような観光通りを船着場に向かって歩く。

船着場付近から見たビーチ。多くの旅行者にとって、プラヤ・デル・カルメンはコスメル島への通過点という認識しかないようだが、ここに滞在するのもよさそうな感じ。

桟橋の先にコスメル島への高速船が停泊している。

チケットを受け取り、カラフルな高速船に乗り込む。

船内はほぼ満席だったので、デッキ上の椅子に座ることにした。揺れはそこそこにあるが、天気がいいので航海中は気分がいい。きれいな海を眺めながら約40分でコスメル島に到着した。


高速船を下り、島には上陸せずに桟橋で小型ボートに乗り換えて出発。途中、小さなダイビングショップの桟橋(多分、クイーンエンジェルの支所のようなところだと思う)に立ち寄ってタンク等を積み込み、ダイビングポイントへ向かった。

最初に潜るのは、島の南西にある “cedral” というポイント。他のツアー客はすべてレンタルしていたが、私はウェットスーツ等は自分のものを持参しているのでレンタルするのはBCDなどの重器材のみ。自分のウェットスーツは 5mm だが、ここは水温が高く、海に入る前などはかなり暑かった。レンタルのウェットスーツは 3mm だったので、ここではレンタルでもよかったかもしれない。

あと、ここではタンク圧力の単位が日本式の kg/cm2 ではなく PSI という単位になる(帰国後に調べたら「重量ポンド毎平方インチ」だそう)。圧力ゲージの針が「3200」なんていうところを指しているので、最初は少し戸惑う。

では、機材を装備して海にエントリー。ドリフトダイビングなのでアンカーロープはなく、ボート下付近の海底で集合。

この日の透明度は約40メートルで、噂通りにきれいな海に感動した。この後、海洋生物を観察しながら珊瑚の上を移動したが、ここでは珊瑚に触るのは禁止でグローブの使用も不可となっている(砂地に着地するのは可)。したがって中性浮力が苦手だとコスメル島で潜ることはできないので、旅行前に十分に練習しておくことが必要。

水中の写真には特に説明は必要ないと思うので、海洋生物の写真を下に載せておく。上から3段目の写真に写っている、尾びれが黄色い扇型の魚がクイーンエンジェルフィッシュ。カリブ海の固有種で、今回利用したショップの名前の由来になっている。あと、かなり立派なロブスターを見られたのもよかった。

魚の写真の中でも特に気に入っているのがこれ。魚と目が合ったような感じがするところがいい。

そしてウミガメのタイマイがいた。これには感動。

ダイバーと比べても、その大きさがわかると思う。

ダイビング中に水面を見上げた写真。ダイバーから気泡が水面に立ち上っていくのが見える。この写真からも水の透明度が高いのがわかると思う。

名残惜しかったが1本目のダイビングはこれで終了。水深5メートルの地点で安全停止してから水面に浮上し、ボートに戻った。

参考までにダイビングログを記載。

  • 天候:快晴
  • 気温:31℃
  • 水温:29℃
  • 潜水時間:51分
  • 最大深度:20.4m
  • 平均深度:14.6m

ボートで休憩し、2本目のポイントへ移動。先ほど潜った “cedral” より北にある “Paraiso Reef” というポイントで、”cedral” と比べて水深が浅く砂地が多いということだった。2本目もドリフトダイビングなのでアンカーロープはない。

2本目についても以下に写真を並べておく。

砂地が多いポイントだけあって、こういう景色も見ることができる。砂丘みたいできれい。

この魚が、カリブ海の固有種で「見られたらラッキー」というほど珍しい Spotted Drum の幼魚。体と比べて不釣合なほど大きな背ビレと尾ビレを持ち、ヒラヒラさせている。動画では撮れなかったが、このヒレの動きを見ているとなかなか面白かった。

そして、こちらはさらに珍しい Splendid Toadfish というコスメル島の固有種(トゲのようなヒレがたくさんある紫色の魚)。いつも小さな穴に潜み、出てくることが滅多にないため写真を撮るのが難しいそうで、ガイドが示してくれた穴の中を覗き込んで少しだけ姿を見ることができた。

この海域でしか見ることのできない固有種を2種類も見ることができ、今回は幸運だった。

2本目のダイビングも終わりになり、安全停止していると水面をこういう人たちが移動してきた。多分シュノーケリングツアーだと思うが、水着姿の女性をこの角度で見上げるとかなりいい感じ。(すみません)

水面に浮上し、ボートに戻った。2本目についても参考までにダイビングログを記載。

  • 天候:快晴
  • 気温:31℃
  • 水温:29℃
  • 潜水時間:47分
  • 最大深度:13.1m
  • 平均深度:9.7m

ダイビング前にタンク等を積み込んだ場所へボートで戻り、島に上陸した。ここで機材等を真水で洗い、着替えてから昼食にした。メニューは鶏肉と魚のどちらかを選択することになっていて、ここでは魚を選んだ。料理はスープと白身魚のグリルで、味はかなり良かった。しかし自分以外の参加者が3組の新婚さんというのも、人によっては心が折れそうになるかもしれない(笑)。

食後、ガイドのKさんにダイビングのことなどを聞いていたところ、イモトアヤコがカンクンへ来た時のことを話してくれた。それによると、セノーテでもダイビング風景を撮影したものの、放送ではセノーテの部分がすべてカットされていたという。これは今でも理由がよくわからない。

休憩後、機材をメッシュバッグに詰め、ボートに乗って出発。途中、COZUMEL と書かれた灯台が見えた。

さらに、カリブ海を巡るクルーズ船が寄港するという桟橋の沖を通過。もっとも、この時は対岸へのカーフェリーしか停泊していなかった。

高速船の桟橋でボートを下り、高速船に乗り込んで午後4時にコスメル島を出発。来た時と同様に約40分でプラヤ・デル・カルメンに到着した。車に乗る前に少し周囲を歩いた時の風景。

セノーテ・シュノーケリングの2人と合流し、車でカンクンへ移動。1時間ほどでカンクンのホテルゾーンに到着し、ホテルを順次回りながらツアー客が下りていった。やはり新婚さんは誰もが高級なホテルに泊まっている。

最後がハイアットリージェンシーホテルで、ドライバーにチップの3ドルを渡し、クイーンエンジェルのスタッフの方たちに「明日はまたよろしくお願いします」と伝えてから車を下りた。翌日はセノーテのダイビングになる。


部屋で少し休憩し、夕方6時半にホテルを出て周囲を歩いてみた。散策したのは前日に続いてフォーラム・バイザシー周辺で、夕食も前日と同様にフードコートにした。値段が安いのはいいが(この時は65ペソ)、しかしフードコートばかりというのも味気ないので翌日からはレストランに入ってみることにした。

前のページに記載した通り、この周辺は夜中になると騒々しいくらいの大盛り上りになるのだが、この時点ではそれに気付いていない。深夜には別世界のようになるということは、この3日後、チチェンイツァから帰ってきた時に知ることになった。

夜8時半、ホテルに戻り、後はテレビを見て過ごした。シャワーを浴び、夜11時半に就寝。