メキシコ旅行記(イスラ・ムヘーレス / ガラフォン国立公園)

メキシコ滞在4日目。この日から4日間は自由行動で、それぞれ「イスラ・ムヘーレス」「チチェンイツァ遺跡」「シカレ海洋公園」「カンクン市内散策」を考えていた。

まず、この日はカンクンから10キロほど沖合にあるイスラ・ムヘーレスという島(スペイン語で「女たちの島」という意味)へ行ってみた。


朝9時に起床。10時にホテルを出て、近くのバス停へ歩いて移動。カンクンとイスラ・ムヘーレスを結ぶ高速船は4ルートあり、ハイアットリージェンシーに一番近いのはダウンタウンへ向かう途中にあるプラヤ・トルトゥガスという港になる。前日も乗ったR2のバスに乗り、高速船乗り場が見えたところで下車。

チケット売り場でチケットを買い(往復で220ペソ)、歩いていくと乗り場があった。しかしカンクンではどこへ行っても海はきれい。

その横にバンジージャンプ台があった。そんなに高くもないし、周囲にスタッフらしい人が誰もいなかったから挑戦してはいない。もっとも、後から考えてみたら、あまり高い所よりもこのくらいの方が下の景色がよく見えるのでむしろ怖いかもしれない。(このメキシコ旅行の4ヶ月後、マカオタワーで高さ233メートルのバンジージャンプをやってみた)

ここからイスラ・ムヘーレスへ向かう高速船は1日8便。乗船時間になり、桟橋の先へ向かうと前々日にコスメル島まで乗ったときほどではないもののカラフルな高速船が泊まっていた。水の透明度が高いので船が宙に浮いているようにも見える。

イスラ・ムヘーレスまでの所要時間は20分。船内ではイスラ・ムヘーレスを紹介するビデオ映像なども流れるが、やはりというか流しのミュージシャンも多い。特にギターを鳴らしながらラ・バンバを熱唱していたおじさんには、少し感動したので多少のペソを渡してきた。この人たちもチケットを買って乗っているそうなので、それ以上のチップがもらえなければ赤字というリスクを背負って歌っていることになる。

11時20分にイスラ・ムヘーレスの港に到着した。

船を下り、ターミナル前の道路まで歩くと周辺はなんとものどかな雰囲気。車の他に観光客が運転するゴルフカートも走っている。

さて、イスラ・ムヘーレスもそんなに小さな島ではないので、一周するというわけにもいかない。どこへ行くかについては、前日から「島の北端にあるプラヤ・ノルテビーチ」「島の南部にあるガラフォン国立公園」の2ヶ所で悩んでいたが、今回はガラフォン国立公園を選んだ。

プラヤ・ノルテは海以外は特に何もないのどかなビーチだそうだが、事前に調べたところによると トップレスが多い という。トップレスビーチといえば、2001年のキプロスのアギアナパ(今は町の名前がアヤナパに変わったらしい)での入院体験が今でも記憶に残っているが、今回は施設が整備されているガラフォン国立公園を優先した。

これは2001年の体験(レストランで倒れて救急車で搬送される)がトラウマになっているというわけではなく、ここにはもう1回来ることになるだろうから、トップレスはそのときに見ればいいと考えたため。今回のメキシコ旅行があまりにも楽しく、この時点ですでに「カンクンは数年以内に間違いなく再訪することになる」と考えていた。

(誰に話しても大ウケになるキプロスでの入院話については、当サイトのエジプト~キプロス~ギリシャ旅行記を参照)

島内の交通手段としては「ゴルフカートのレンタル」という手もあるが(ライセンスは不要)、今回はガラフォンまで往復するだけなのでタクシーを利用した。10分ほどで到着し、料金は80ペソ。

公園の入口は高台にあり、地図を見ると海岸近くにさまざまな施設が並んでいる。料金はテーマパークのように何種類か設定されていて、今回は昼食とシュノーケリング料金が含まれているセットを選んだ。料金はさすがに高く64ドルもしたが、もちろん入園料金のみのチケットならもっと安いはず。

ゲートを通り、坂道を下りていくと土産物店やレストランやロッカールームなどが並んでいた。とりあえず土産物店は通り過ぎ、ロッカールームで着替えを行ったが、ここはロッカーが並んでいるエリアは男女共用。その奥の更衣室とシャワールームが男女別になっていた。ロッカーは空いているところを自由に使っていいので、非常に小さなビキニを着た若い女性がすぐ近くのロッカーを使っていたりして、考えようによってはものすごく刺激的な場所。いやあ、いいものですね。

ビーチタオルはロッカールームの前で無料でレンタルできる。まずはシュノーケリングをやってみることにして、海の方へ歩いていくとビーチ沿いにプールがあった。

プールは後で入ることにして、シュノーケリング用品のレンタルを行っているカウンターへ行ってみた。私の場合はマスクとシュノーケルは自分のダイビング用品を持参しているから、レンタルするのはフィンとライフジャケットになる。なぜかレンタルするのにデポジットの20ドルが必要だったので、いったんロッカールームに戻ったりしたが、問題なく借りることができた。

桟橋の先でフィンを付け、海中へ。

この通り、水の中は透明度が高くて非常にきれい。ただし岩場ではなく砂地の上なので魚は少ない。海岸近くには珊瑚があるものの、その上は進入禁止でロープが張ってある。珊瑚の近くにはそこそこに魚はいるが、この時に見えたのはこのくらい。

ここで振り返って陸の方を写してみた。オレンジ色の屋根が見えるのがシュノーケリング出発地点の桟橋。

魚はあまりいないが、実はこのシュノーケリングにはもうひとつの見所がある。下の写真がそれで、シュノーケリング中にすれ違う人たちの格好が、まあ刺激的。

もっとも、あまりこのことに触れると人格を疑われそうなので、これ以上は語らない。ここでのシュノーケリングにはこういう楽しみもあるということだけ知らせておく。

先の方へ泳いでいくと、旅客船用の長い桟橋が見えてくる。

沖のほうを見ると、ちょうど高速船が近づいてくるところだった。実はカンクンからガラフォンへの直行便もあるらしいというのは知っていたが、便数が少ないということと、イスラ・ムヘーレスの街中も見てみたかったので今回は利用しなかった。

ちょうど桟橋の下に近づいたところで、高速船から下りてきた人たちがぞろぞろと桟橋を歩いていった。ビキニ姿の女性をこの角度で見上げるのも、なかなかいいもの。

下が砂地なのであまり魚はいないが、桟橋の柱の根元あたりだけはときどき魚の群れがいた。今回、これが唯一シュノーケリングらしい風景。

桟橋の下をくぐったあたりで引き返し、元の方向へ戻った。結局、魚を見るのかすれ違う女性の水着姿を見るのかよくわからないままシュノーケリングは終了。魚はあまりいなかったが、それをどう楽しむかは人それぞれ。

海から上がり、レンタルしていた道具を返してデポジットの20ドルを受け取ってから昼食にした。昼食はビュッフェ形式で、料金は入場料に含まれているので払う必要はない。ごく一般的な料理が並んでいたので写真は撮っていないが、食べ放題なのは嬉しい。

昼食後、今度はビーチ沿いのプールへ。

この気候なのでプールの水は生暖かい。プールの縁にもたれて海を眺めていると、なんだか温泉に入っているような気分。

いい湯だな~~

いや、冗談ではなく本当にそういう気分になってくる。海を眺められる露天風呂に入っているような感じ。

しかし、あまり長く浸かっていると体がふやけるので、次は公園内を散策することにした。海沿いに遊歩道が続いていて、半島の先端まで歩いてくことができる。

途中で階段を上がって丘の上に出ると、何やらオブジェらしいものが並んでいる遊歩道があった。天気もいいし、海もきれいだし、本当に気分がいい。

半島の先端にあるのがイスチェル遺跡。崩れかけた石組みがあるだけの小さな遺跡なので、正直言ってそれ自体は大したことはなく、そもそもこれが何の建物の跡なのかもわからない。ただ、ここからの眺めはきれいなので、ここまで歩いてくる価値はある。

それから、周囲にはこういうトカゲがあちこち歩いていた。日本ではこんな大きなトカゲはまず見ないので、こういうのが苦手な人は周囲が気になって仕方がないかもしれない。

うろ覚えだが、かなり前に手塚治虫の漫画で「人間は蛇が嫌いなタイプと蜘蛛が嫌いなタイプに分けられる。両方が苦手という人は少ない」という記述を見たことがあり、なるほどと思ったことがある。私は蜘蛛が大嫌いで、蛇やトカゲは平気。

後は周囲に散らばっているオブジェを見ながら散策。それぞれ何かの芸術作品だとは思うが、さっぱり意味がわからない。

白い灯台の周りがカフェになっていたが、何しろ財布をロッカーに入れたままなので、ここではまったく金を持っていない。コーヒーでも飲みながら休憩したいところだが、ここは諦めた。

ゆっくりと歩きながら元の場所へ戻り、再びプールに入浴。

はあ~、極楽極楽。

水に浸かっていると気分がいいが、帰りの高速船の時間もあるし、そろそろ出ないといけない。ロッカールームで着替えを済ませてビーチタオルを返却し、土産物店でTシャツ2枚とと菓子類をいくつか買ってから(全部で41ドル)、これでガラフォン国立公園を出ることにした。

公園のゲートまで坂道を上がり、ここでスタッフのお姉さんにタクシーを呼んでもらった。私が公園内にいたのは5時間ほどで、なかなか楽しかった。特にすごいアトラクションがあるというわけではないが、なんだかのんびりできる。私は次回イスラ・ムヘーレスへ来るときは北部のビーチでトップレスを見ることにするが、ガラフォン国立公園もお勧め。


タクシーで港に戻り、17時20分の便でカンクンへ出発。20分でカンクンのプラヤ・トルトゥガス港に到着し、R2のバスでホテルゾーンへ移動した。午後6時にホテルに戻り、いったん休憩。

7時に外出し、手持ちのペソ紙幣が少なくなってきたのでフォーラム・バイザシーの両替所で両替を行った。ごく小さな両替所だが、割とレートが良く、100ドルを両替して受け取ったのは1,205ペソ。レートの悪い空港よりも2割ほどお得だった。

続いて前日と同様にタコ・ファクトリーで夕食にした。料理名は憶えていないが、溶かしチーズと牛肉をトルティーヤで巻いて食べるというもの。

値段は、ソルビールと最後に注文したアイスティを加えて全部で200ペソ(チップを含む)。相変わらずカンクンでは食事に金がかかる。

その後、しばらく周辺を散策して夜9時にホテルに戻った。フォーラム・バイザシーの周辺が深夜になると大盛り上りになるということを知っていればもっと遅くまで散策したのだが、それに気づくのはこの翌日。この日は0時半に就寝。