メキシコ旅行記(シカレ海洋公園 / 後編)

シュノーケリングを終え、続いて2本目の川下りを行うため出発地点へ。その途中、インフォメーションセンターに立ち寄って「すみません、ロッカーの鍵を紛失してしまったんですが」と伝えたところ、届け出がないかどうか調べてくれた。その結果、別のインフォメーションセンターに届けられていることがわかり、そちらで無事に受け取ることができた。半分ほど諦めていただけに、親切な人がいてくれて一安心。これで安心して川下りができる。

地下の川下り(地下ルート)

シュノーケリングの前に下ってみた川とは違い、こちらは地下が多いルート。下の写真が川下りの開始地点で、実にいい雰囲気。

先ほどの川下りと同様に水は冷たいが、しばらくすると慣れてくる。ライフジャケットとフィンを装着し、川下り開始。

いやー、楽しい!

このアクティビティは本当に面白い。カンクンに来たらぜひともやってみてほしい。

地下水が湧き出したものなので透明度は非常に高い。こんな風に、近くを泳いでいる人がはっきり見える。

すみません。 怒られる前に謝っておきます。

地下が多いルートだけあって、洞窟の中に入っていくことも多い。この先がどうなっているのか期待しながら中に吸い込まれていくことになる。

洞窟の中は、外から自然光が入ってくるところもあるが、一方で完全に真っ暗になっているところもある。こういうところを流れていくのも面白い。

洞窟に入ったり地上を眺めたり、周囲の景色が様々に変わるので、流れていると飽きない。マッサージエリアの近くでは「お静かに」という注意書きがあったりする。

洞窟が続くエリアを過ぎると、もう1本の川下りと同様にマングローブの中に入る。

マングローブ地帯を過ぎると開けた水面に出た。ここでもう1本の川下りと合流し、この先で川下りは終了。下の写真が川下りの終了地点で、スタート地点で預けた荷物はここまで運んでおいてくれる。

川を下っていた時間は約40分で、流れている間は本当に楽しかった。このアクティビティはおすすめなので、シカレでは2本とも下ってみてほしい。


川下りを終え、海沿いを歩いていると観光地の定番といえる表示板があった。日本までは12,000キロらしい。

昼間は観光客で賑わっていたイルカのプールも、アクティビティが終わった後は閑散としていた。イルカたちがゆったりと泳いでいたのが印象的で、まるで仕事を終えてほっとしているように見える。イメージとしては、仲間内で「お疲れっしたー」と声をかけながら泳いでいる感じ。

ロッカー室まで戻ってくると、近くにボラドーレスの塔があった。ときどきテレビでも見ることがあるので知っている人も多いと思うが、ボラドーレスとは塔の上からロープ1本だけを頼りに回転しながら下りてくるという儀式のこと。1000年以上前から行われている雨乞いの儀式だそうで、シカレでも観光用のボラドーレスがときどき行われているそうだが、このときは見る機会がなかった。

ロッカー室で着替えを行い、続いて野外シアターへ移動した。

ナイトシアター

野外シアターで毎日夕方からショーが行われる。旅行前に得た情報によるとレベルがかなり高いらしいので、楽しみにしながら会場へ向かう。

こちらが会場の野外シアター。前のほうはすでに満員だったので、後ろのほうに座ることにした。

6時半に開演。ステージの後ろから出場者たちが並んで入場してくる。

この後、様々なショーが行われたのだが、内容を一言で言うと非常にレベルが高い。歌にしてもダンスにしてもまさにプロフェッショナルという感じで、どれも真剣に見入ってしまうほど。

特に感動した場面を2つ紹介しておく。8人の仮面を着けた男性が激しいダンスを続けるのだが、最後に舞台に並んで仮面を外すと、みんな70歳以上と思われる老人たち。「この歳の人たちがあのダンスをやってたのか!」という衝撃で、照明が消えてからも劇場内は騒然としていた。

こちらはロープを巧みに操る人。馬に乗って舞台に現れ、ぎりぎりでロープが地面に着かないように巧みに振り回している。何気なくやっているように見せているが、これは本当にすごい。特に馬を下りてからのロープの操り方は圧巻で、すごい速さでロープをくぐったり、これはもう神業と言っていいほど。最後は拍手が鳴り止まないほどだった。

YouTube で探したら、馬を下りるところまでの動画があった。この後が本当にすごいので、途中までなのが残念。最後まで見たい人は実際にシカレを訪れてほしい。

夜7時半過ぎにフィナーレ。最後は観客が自然に総立ちになるほど、本当にレベルが高かった。

フィナーレの動画を載せておく。

本当に、涙が出るくらいに感動した。こんな素晴らしいショーは滅多に見られるものではない。シカレに来たら、このショーだけは絶対に見逃さないように。


野外シアターを出ると、周囲はすでに真っ暗。野外競技場では別のショーが行われるらしく、太鼓の音が聞こえてくるが、その前にまだ開いている施設を見ることにした。それにしても月がきれい。

といっても、この時間では開いているところはほとんどない。とりあえず近くにあった教会が開いていたので入ってみたところ誰もいない。しかし教会の建物が立派に作られているのに対し、参列者の手抜きぶり(どれも等身大のパネル)が面白い。ちょっとしたB級物件。

他に開いているところもなさそうなので、太鼓の音が聞こえてくる野外競技場へ行くことにした。

ナイトショー

シカレで最後に見たのが野外競技場で行われるナイトショー。もっとも、ショーというよりもサッカーのように敵味方に分かれて相手方のゴールにボールを押し込んだほうが勝ちという競技(だと思う)。マヤ原住民の競技だと思うが、特に説明もないので正直言って見ていてもよくわからなかった。

サッカーのような競技といっても、足を使ってボールを蹴ることはない。ではどうやってボールを操るかというと、すべて腰を使っている。そういうルールの競技らしく、ボールが近くに来ると地面に寝るような姿勢になってボールを弾いている。何だかずいぶんと変わった競技だが、やっているほうはかなり疲れると思う。

それから、ゴールといってもサッカーゴールのようなものではなく、競技場横の斜面の上にある石の輪(上の写真の矢印)にボールを通すことがゴールになるらしい。ボールが斜面に上がると観客が少し盛り上がるが(惜しいシュートはあったものの)このときはゴールシーンを見ることはできなかった。

ただ、途中から火のついたボールが使われるので、これはかなり迫力がある。

結局、両方ともゴールがないまま終了。最後は原住民の格好をした人が客席を回ってロウソクに火をつけてくれる。このロウソクは競技の途中で観客席に配られたもので、観客席全体が明るくなるので眺めはきれい。

夜9時前にショーは終了した。盛り上がったのか盛り上がらないのかよくわからない感じだったが、まあ面白かった。事前に競技のルールをよく知っていれば、もっと楽しめたとは思うが。

競技場を後にして、出口の建物のほうへ向かうと斜面にこういう人たちが立っていた。シカレ海洋公園の別れの挨拶。

後は、バスの時間まで出口付近の土産物店で買い物をしたりして過ごした。この日に各種ツアーで撮られた写真が大きくプリントされて展示してあるエリアがあり、もしかして自分の写真があるかと思って探してみたらシュノーケリングツアーのコーナーで見つけることができた。まさか自分がこんなに大きく写されているとは気付かなかったが、せっかくなので購入することにした(14ドル)。

午後9時半、シカレ海洋公園を出てバス乗り場へ。ここが始発なのですでにバスが待っていることを期待していたが、しかしバスはいなかった。他の利用客と一緒にしばらく待ち、ようやくやってきたバスに乗って9時55分にシカレを出発した。


夜11時過ぎ、カンクンのバスセンターに到着した。前日は夜9時半着だったので、さらに遅い時間に着いたわけだが、ターミナルの外に出ても特に治安上の問題があるようには見えない。他の市民に混じってバスを待ち、やってきたバスでホテルゾーンに戻った。

前日、夜のフォーラム・バイザシー周辺が昼間とは別世界というくらい喧騒に満ちていることを知ったわけだが、この日もバスを降りると大音響の音楽と大騒ぎの声が聞こえてきた。そちらを見る前に、まずはタコ・ファクトリーで夕食にした。

今回注文したのは CHARRO BEAN という豆のスープ、ステーキ・ファヒータ、ソルビール。これで値段は179ペソ。

しかしホテルゾーンでは食事に金がかかる。おそらく1週間くらいが限界。

それから、ここでウェイターに「どこから来た?」と聞かれたので、日本と答えると「東京?、福島?」と聞いてきた。最近は福島という地名が世界で有名になったということを実感した場面だったが、「長崎」と答えるとこちらもすぐに理解したようだった。世界各地をあちこち旅行していると長崎という地名が世界でどれだけ有名かがよくわかる。

夕食後、前日に続いてナイトスポットを外から見物。

こちらは、前日はみんなナースの格好をして踊っていた店。この日はアニマルパーティだそう。

というわけで女の子たちはこんな格好をしている。

それにしても、ナイトスポットの盛り上がりぶりには呆れるばかり。欧米人たちの典型的なバカンスの過ごし方だと思うが、ちょっと真似できない。

しばらく周辺を見物して歩いた後、午前0時半にホテルに戻った。この日は深夜2時に就寝。