台湾旅行記(高雄 / 蓮池潭)

朝10時過ぎに福岡空港を出発し、台北へ。台湾へ行くのは2010年以来だが、このときはトランジットでの1日だけの滞在だったので、ちゃんと観光するのは2008年以来になる。2時間半のフライトで11時40分に台北の桃園国際空港に到着した。

今回は台湾南部の高雄と台南に滞在するので、台北市街へ向かう必要はない。バスで桃園駅へ行き、新幹線で直接高雄へ移動することにしていた。ターミナル内にあるバス会社のカウンターでチケットを購入し、桃園駅へ移動。なお、この区間のバス料金は30元。

自動販売機でチケットを購入したところ、桃園から終点の左営駅までの料金は1,410元だった。日本円では約5,000円で、日本の新幹線と比べても料金は安い。今回乗るのは12時57分発の左営行き。(新幹線を高雄まで延伸する計画はあるようだが、時期は未定らしい。今のところ、ひとつ手前の左営駅が終点になっている)

地下に下りると新幹線のホームがある。2010年にここから台北駅まで乗ったことがあるが、南に向かうのは初めて。

さすがに日本のシステムを導入しているだけあって、時間は非常に正確。時間通りにやってきた列車に乗り、左営に向かって出発した。

桃園から左営までの所要時間は1時間半ほど。乗り心地などは日本の新幹線とほとんど変わらず、快適なものだった。それから、車内で騒ぐような人もおらず、わりと静かなところが中国とは違うという感じがした。(もっとも、私も中国で鉄道に乗ったことはほとんどないので「大陸側の人間は列車内でも大声で騒ぐはず」というのは勝手な思い込みかもしれないが)

車窓風景については帰りに台南から桃園まで乗った時のページに載せることにする。午後2時半過ぎ、終点の左営駅に到着した。

改札口を出て、少し駅の中を歩いてみた。ちょっとしたショッピングモールになっていて、この辺りは日本とほとんど雰囲気は変わらない。

高雄には「蓮池潭」という定番の観光地があり、ここへ来る観光客のほぼすべてが蓮池潭を訪れると思う。地図で見ると左営駅の近くらしいので、高雄市街へ移動する前に蓮池潭へ行ってみることにしていた。

地図上では近くだが、大きな池を回らないといけないので歩くのは無理。最初は左営駅から蓮池潭方面へのバスが出ているだろうと考えていたが、バス乗り場を見てもよくわからない。仕方がないので、事前に調べていた方法に従って地下鉄とバスで移動することにした。

高雄捷運(MRT)の左営駅から紅線に乗り、1駅目の生態園区駅で下車(料金は20元)。地上に出てすぐのところにあるバス停から小型のバスに乗り、蓮池潭へ移動した。さすがに有名観光地だけあってバスにも蓮池潭の前を経由することがはっきり書かれていたので、どのバスに乗ればいいかはすぐにわかった。バス料金は12元。

バスでの移動中、こういう横断幕があったので写真を撮ってみた。帰国後に調べたところ「鴨覇」とは「横暴」「野蛮」という意味だそうで、中国とは違って堂々と政府を批判できるところはさすが台湾だと思う。

湖畔のバス停でバスを下り、少し歩くと湖上の龍虎塔が見えてきた。高雄の定番観光地なので、写真で見たことのある人も多いと思う。

有名観光地なので建物の由来についてはインターネット上にたくさんある訪問記を参照してほしい。個人的には「意外とこじんまりとしているな」というのが最初の印象。もっと規模の大きな観光地かと思っていた。

では、ジグザグに続いている通路を歩いてメインの龍虎塔へ。なぜジグザグなのかというと、悪魔はまっすぐにしか歩けないと言われているからだそう。

この龍虎塔は「龍から入って虎から出る」というのがルール。こうすることで「自分のこれまでの悪行が消え、災いも消える」という、なんとも都合のいいご利益があるという。しかし龍と虎の造形はよくできている。

では、決まりに従って龍の口から中に入る。龍の体内はこんな感じで、親孝行の場面や地獄の刑罰の様子がレリーフで作られている。

龍虎塔は7階建てのツインタワーなので、最初の龍の方はみんな上まで登るものの、次の虎には疲れて登らない人も多い。私はどちらの塔も最上階まで登ってきた。下の写真は塔の上から見たジグザグの通路や湖や龍虎の風景。

塔を下り、虎の口から外に出た。別に普段から悪いことをしているわけではないが、ともかくもこれで善人に変わることができた。

もっとも、この旅行の5ヶ月後、ブルガリア旅行の際に黒海沿岸のビーチでトップレスの写真を撮ったりしたので、もしかしたら怒られるかもしれない。この行為を帳消しにするために、近いうちにまた蓮池潭へ来ないといけない。

これで龍虎塔の観光は終わり。湖畔には他にもいくつかの観光スポットが並んでいるので、そちらへ歩いてみることにした。


龍虎塔の前に「慈濟宮」という寺院がある。しかし台湾の寺院はどれも豪華絢爛で、このあたりは日本とは違う。

柱の彫刻も細かく作り込まれているし、本堂内などは目が痛くなるほど金色に光っている。特にガイドブックに載っているわけでもない寺院でもこんな感じなのだから、台湾の人たちの寺院にかける情熱にはいつも感心する。

続いて湖畔を北へ歩く。「春秋閣」という龍と観音像がある塔、「五里亭」という湖に突き出した東屋、さらにその先に「北極玄天上帝像」が見える。

龍虎塔からは意外と距離があり、ようやく春秋閣の前に着いた。春秋閣の前にあるのが先ほどの慈済宮よりも規模の大きな「啓明堂」という寺院。本堂の前には電光掲示板まである。

この時点でかなり歩き疲れていたが、ともかくも春秋閣を見ることにした。龍の体内はこんな感じ。

しかし本当に疲れてきたので、次第に観光が適当になってきた。春秋閣をざっと見た後、五里亭の方へ歩く。

本当は五里亭まで歩くつもりだったのだが、途中まで歩いたところで啓明堂の方から騒ぎが聞こえてきた。振り返ると、赤と黄色の旗を持った人達が道路を行進してきている。何かの祭りのようなので、急いで啓明堂へ戻った。

この時に見た祭りについては詳しいことはよくわからない。ただ、偶然にもこういう祭りを見られたことは幸運だった。下の写真を見て、どういう団体の祭りかがわかる人がいたら教えてほしい。

ここで撮った動画を載せておく。

こちらは本堂前の階段で祭りを見物する人たち。

祭りの行事が一通り終わった後は、祭りの行列に参加していた人がみんなで啓明堂に参拝していた。いったいどういう団体だったのだろう。

最初の予定ではこれから北極玄天上帝像まで歩くつもりだったが、いい加減に歩き疲れてきた。そこで今回は北極玄天上帝像を見るのは諦めることにした。これは高雄には数年以内にもう一度来ることになるため。

今回の高雄滞在では「佛光山」という寺院を見ることにしているが、高雄にはもう1ヶ所「鳳山寺」という寺院もあり、今回は日数の関係で鳳山寺訪問は諦めている。このため、鳳山寺を見るために高雄を再訪する必要があり、その時に蓮池潭へも来ることになるはず。北極玄天上帝像の内部がどうなっているかは、そのときの楽しみとして残しておくことにする。


午後4時半、龍虎堂の前からバスに乗って生態園区駅へ。MRT に乗り、高雄駅へ移動した。地上に出ると、すぐ近くに国鉄の高雄駅がある。

まずは泊まるところを決めないといけない。最初は駅の近くにある「瑞城別館」というホテルを考えていたのだが、行ってみると満室ということで泊まれなかった。この日は無理としても翌日なら空きはあるかと聞いてみたところ、翌日も満室だという。仕方がないので瑞城別館は諦めた。

高雄駅付近には他にも安そうなホテルはいくつもあるので、宿泊先には困らないだろうと考えていたのだが、予想に反してどこへ行っても部屋が空いていない。フロントに「客満」「No Vacancy」と表示されているのが外から見えるので、無理とはわかっていても一応聞いてみたりしたが、ことごとく断られる。まさか高雄駅周辺に宿泊する人がこれほど多いとは思わず、次第に焦りを感じ始めてきた。

どうしようかと思いながら歩いていると、一度は満室ということで断られた「高源大旅社」というところのお婆さんから呼び止められた。

話を聞くと「こういう部屋でいいなら泊まれる」と言って1階の奥にある部屋を見せてくれた。場所が台所の横なので、もしかしたら客用ではなく従業員用の部屋なのかもしれないが、もう選択肢がない。言い値の700元に見合う価値があるかはわからないが、ここに泊まることに決めた。

部屋はこんな感じ。写真ではきれいに写っているが、実際はもっと薄汚い。

荷物を置いて外出し、近くの「新源大旅館」というところで翌日の空きがないか聞いてみた。すると、翌日なら泊まれるという。こちらの方が高源大旅社よりもきれいそうなので、翌日の宿泊を予約しておいた。料金は高源大旅社と同じく700元で、もしかしたら高源大旅社は値切れたのではないかという気がしたが、まあ仕方がない。

高雄での宿泊先もなんとか決まり、次は高雄で一番規模が大きいという「六合観光夜市」へ向かうことにした。