ブルガリア旅行記(ネセバル)

サニービーチ滞在2日目。この日は天候を見てネセバルへ行くかビーチで泳ぐかを決めることにしていた。結果、午前中から曇り空が広がっていたので、黒海で泳ぐのは翌日にしてネセバルへ行ってみた。


朝6時頃に目が覚めたとき、ベランダに出てみるとカモメがいた。この時点ではそれほど天気は悪くなさそうだったが、8時に起きたときはかなりの曇り空になっていた。

曇ってはいるが雨は降っていない。朝食後、10時半にホテルを出て、大通りのバス停からネセバル方面行きのバスに乗ることにした。前日はホテルの位置がよくわからなかったのでバスターミナルからタクシーを使用したが、前日の夕方にあちこちを歩いた結果、サニービーチの町の構造はかなり単純ということがわかった。ビーチと平行に南北に走る大通り沿いに町が広がっているので、とりあえず大通りまで出ればバスに乗ることができる。

ただ、ネセバルは人気の観光地なので、最初にやってきた路線バスは超満員で乗れなかった。これを見て3~4人のグループで来ている人たちはタクシー乗り場に流れていったが、私はもうしばらくバスを待ってみることにした。その結果、2階建ての大型バスがやってきたときに乗り込むことができた。こちらも車内は満員だったが、とりあえずほっとした。ネセバルまでの運賃は2レヴァ。

サニービーチから15分ほどでネセバルの町の入口に到着した。

ネセバルは黒海に突き出した小さな半島にある町で、旧市街全体が世界遺産に登録されている。特に欧米人たちに人気で、旧市街の中は観光客であふれていた。

しかしながら、人気の観光地といっても日本人などのアジア系の人間はまったく見ない。おかげで歩いていると周囲の人が一瞬こちらを見るような気がする。ちょっと注目されているような感じで、個人的には別に不快ではない。

旧市街に入ってすぐのところに小さな広場があり、カフェやレストランが並んでいた。散策の前にコーヒーでも飲もうと思い、こちらの小さなカフェに入ってみた。

ここは観光客というよりも地元の人向けの店だったのか、テレビではドッグレースの実況をやっていた。それはいいが、店内でレースを買っていた人の絵に描いたような人間のクズっぷりがなんとも。日本では、こんな典型的な人は地方の公営競技場でしか見ない。

ギャンブラーのおっさんたちと一緒にしばらくドッグレースを見て、コーヒーを飲み終わったところで店を出た。

少し歩いたところに、こういう建物があった。これも旧市街の建物のひとつだろうと思ったのだが、よく見るとストームトルーパーがいる。近寄ってみると、ここは映画博物館だった。

別に、どういう博物館を作ろうと自由なのはわかるが、しかし周囲の建物との場違い感は凄まじい。SF映画関連のグッズが展示してあるようだったので、帰りに立ち寄ってみることにした。

ストームトルーパーで思い出すのは、やはり頭をぶつけるシーン。

広場の先へ歩くと、こういう遺跡があった。ビザンチン帝国時代の聖ソフィア教会で、今は壁の一部しか残っていないが、アーチがいい感じ。

遺跡はいくつか点在しているが、ここは遺跡を見るというよりも旧市街の雰囲気のほうが楽しめる。細い路地が入り組んでいるので、好きなように歩き回るだけで面白い。

旧市街を抜けると、半島の反対側の海沿いに出た。こちら側の高台には展望レストランが何軒も並んでいる。

そういう高級そうなレストランで食事をするわけではないので、海沿いに下りて突堤の先まで歩いてみた。

さらに海沿いを散策。黒海は意外と波が高い。

海沿いを離れて旧市街の中心を歩いていると、聖ステファン教会という古い教会があった。せっかくなので中に入ってみることにする。チケットは5レヴァ+カメラチケット4レヴァ。

この教会の見所は、なんといっても内部のフレスコ画。古びてはいるものの色合いはかなりきれいで、これは一見の価値はある。カメラチケットを買っておいてよかった。

教会を出て、さらに旧市街を散策。細い路地が迷路のようになっているので、気ままに歩いていると楽しめる。

旧市街に並んでいる土産物店では、黒海の風景に関する絵葉書もたくさん売られている。いろいろと面白いものもあったので「明日はこんな景色が見られるかなあ」なんてことを思いながら10枚ほど買ってみた。以下のページに並べているので、興味のある人は見てみてほしい。ただ、怒られる前に謝っておきます。すみません。

<ネセバルで見つけた絵葉書>

旧市街をひと回りして、最初の広場に戻ってきた。続いて、周囲とはあまりに場違いな映画博物館に入ってみることにした。入口では、先ほど記念撮影に応じていたストームトルーパーはいなくなり、代わりにスーパーマンが立っていた。

料金は10レヴァ。中に入ると、意外と広いスペースにたくさんのキャラクターが並んでいる。ライティングも凝っているし、まさかこんな本格的な博物館とは予想しなかった。おそらく、これらは個人が趣味で集めたSF映画関連グッズだと思う。

旧市街の観光客も興味本位で入ってきているらしく、来訪者は意外と多い。

ヨーダやらターミネーターやら壁を突き破ってくるエイリアンやら、なかなか金のかかった収集品が並んでいる。マニアにとっては、こういう収集品を展示した個人博物館を作るというのは夢だろうから、ちょっとうらやましいという気持はある。場所がなぜネセバル旧市街の中なのかという気はするが。

繰り返すが、どういう博物館を作ろうと自由だと思う。ただ、例えるなら京都の古い街並みの中に突如SF映画博物館が現れるようなもので、やはり場違い感は凄まじい。私はもともとSF映画は好きなので楽しめたが、地元の人たちはこの博物館のことをどう思っているのだろう。

ちょっとした余談。宇宙を舞台にしたSF映画などを見ているときに感じることだが、私は戦闘機や戦車に人が乗っているのが不思議で仕方がない。これだけ技術が発達していたら、当然すべて無人化されて AI が操縦しているはず。撃ち落されたら死ぬようなリスクの高いことをやるはずがない。

まあ、そうしないと映画として味気ないんだろうが、軍事の専門家あたりに言わせるとスターウォーズで戦闘機に人が乗っているのが理解できないらしい。

映画博物館を出て、さらに周囲を歩いていると何だか晴天になってきた。海の向こうに見えるサニービーチの町も天気がよさそう。

そこで、これでネセバルの散策を終えてサニービーチへ戻ることにした。午後3時、旧市街の入口からバスに乗りサニービーチへ。帰りは観光用の2階建てバスではなく通常の路線バスだったため、運賃は1.3レヴァだった。


大通り沿いでバスを降り、歩いてホテルへ。

部屋でしばらく休憩してから、再び出かけることにした。天候は晴れになっているが、すでに夕方なのでホテル前のビーチは閑散としている。翌日はここでくつろぐ予定なので、このまま晴れが続くことを願いながら散策してみた。

ビーチと平行に、完全に観光客向けの歩行者専用道路が通っている。いろんな店やアトラクションがあるので、歩いているとかなり面白い。

こんな店もあった。SEX SHOP は外から覗き込んでみたところ売られていたのはランジェリーやアダルトグッズだった。どういう観光客が買うのだろう。(さすがに1人で店内に入るのは気が引けた)

アトラクションはすでに営業が終わっているようだが、レストランは大賑わい。

こちらは逆バンジー。バンジージャンプは3回やったことがあるが、逆バンジーは未体験。いつかやってみたい気もするが、ここではやめておいた。

かなり先の方まで歩いていくと、桟橋があったので先端まで歩いてみた。しかし黒海は意外と波が高い。

ビーチの北の方の街並みを眺めると、遠くに虹が見えた。

こちらはいかにも高級そうなナイトクラブ「VIP Girls」と、意味がよくわからない5D映画館。4Dは体感型という意味らしいが、5Dとは何だろう。気にはなったが、結局中には入らなかった。

午後7時、散策を終えてホテルに戻り、レストランで夕食。しかし宿泊料に夕食が含まれているというのは楽でいい。それに、宿泊料に対して信じられないくらい料理のレベルが高いので、食事に関しては本当に満足できた。

翌日も晴天が続くことを願いながら、夜11時に就寝。