アルメニア旅行記(フンゾレスク渓谷)

フンゾレスク渓谷はゴリス郊外にある景勝地のこと。ただ、単に景色がきれいというだけでなく、かつての洞窟住居跡が残されていることでも有名になっている。今回はその洞窟も見てみたかったので、ゴリス到着日の午後に訪れてみた。


ゴリスからタクシーで郊外へ。最初は快調に走っていたが、しばらくして横道に入り、さらに途中からは草原の中の未舗装道路になった。かなりの悪路を走破し、ようやくフンゾレスク渓谷の駐車場に到着した。タクシーにはここで待っていてもらうことにして、渓谷を見下ろすと吊り橋が見える。

では、山道を下りて吊り橋へ。深い渓谷に架かっている橋だが、私は高いところはそんなに怖くない人間なので、別にどうということはない。むしろ足がすくんでしまう人が不思議に思える。

では、橋を渡って渓谷の向こう側へ。橋の中央でこんな写真を撮ってみた。高所恐怖症の人はこういう写真でも怖いと思うものなんだろうか。

渓谷を渡り、橋を見渡してみた。かなり長い橋ということがわかると思う。それなりに揺れるが、怖いと思うほどのことはない。

では、周辺を散策。早速、かつての住居跡が現れた。崩れかけた石組みがいい感じ。

さらに先へ進む。雰囲気は完全にハイキングロード。

このあたりは「洞窟住居跡」なので、実は先ほどのような石組みは多くはない。ほとんどは岩肌に洞窟が開いているだけで、この景観から「アルメニアのカッパドキア」とも呼ばれている。

いくつかは中に入ってみたが、特に奥行きもなく、かなり湿っぽい。カッパドキアのように大規模な洞窟でもなさそうだし、ここでどうやって生活していたんだろう。住居跡といわれても、かつての集落の様子が想像できない。

景観を楽しみながら歩いていると、キャンプ用品を携えた若者グループが追い越していった。こういうところでキャンプとは楽しそうですね。

キャンプの集団は、谷底に見える石造りの建物の方へ歩いていった。こちらも、そのあたりへ歩いてみることにする。

遠くから見下ろしたときは崩れかけの廃墟かと思ったが、近くまで来てみると外壁はしっかりしていた。中に入ってみることにする。

内部は完全な廃墟になっていた。ただ、教会だったらしくアーチ状の構造がきれい。床にたくさん落ちている石材もいい感じ。こういう廃墟の雰囲気は好きなので、建物内を隅々まで歩き回ってみた。

先ほどのキャンプの集団が供えていったのか、かつて祭壇だったと思われる場所の前にはロウソクが立ててあった。なかなかいい雰囲気。

かつて教会だった建物を出て、先へ進もうとすると先ほどの集団がキャンプの準備を始めていた。そこで、邪魔をしないようにここで引き返すことにした。

この教会跡は別にして、かつてここに集落があったとは想像できない感じだが、ただ景色は本当にきれい。ちょっとしたハイキングを楽しみながら吊り橋のところへ戻ってきた。

渓谷の向こう側に戻る前に、こんな写真を撮ってみた。

では、これで散策を終えて橋を渡ることにした。下の写真は橋の上からの眺め。

帰りはこういう写真を撮ってみた。これを「パラグライダーの写真」と言ったら信じる人もいるかもしれない。しかし高所恐怖症の人は写真を見ても怖いと思うものなんだろうか。

橋を渡り、山道を上って駐車場へ。洞窟住居跡というよりも渓谷の景色のほうが楽しめた。フンゾレスク(Khndzsoresk)で検索しても日本語のページがあまり見つからないので、ここへ来たことのある日本人は少ないかもしれない。

待ってくれていたタクシーに乗り、ゴリスへ戻ることにした。私が渓谷を歩いていた時間は1時間15分ほど。景色がきれいな場所なので、ゴリスに滞在する機会があれば訪問してみてほしい。


ゴリスの中心部でタクシーを下り、周辺を歩いていると遊園地があった。ただ、誰も歩いていないし遊具も動いていない。きれいに整備されていることから廃墟ではないので、この日は休園日なのかもしれない。

そろそろ夕食にしようと思ったが、ちょっと困ったことになった。遊園地の近くに「デラックスラウンジ・カフェ」というレストランはあるものの、ちょっと高そう。そこで、他にないかと思って町の中心部をかなり歩いてみたが、小さな食料品店などはあるものの、レストランやカフェが見つからない。この町の人たちは外食することがないということなのか、まさかここまでレストランがないとは思わなかった。

仕方がないので、ホテルに戻って夕食にすることにした。下の写真がホテルのレストラン。

注文したのはビーフシチュー、スープなど。それなりに高いホテルだけあって、味はなかなかうまい。値段は5,050ドラム。

ただ、翌日もここで食べるのは味気ないので、どうしても安そうなレストランが見つからなかったらデラックスラウンジ・カフェへ行ってみることにした。

いったん部屋に戻り、しばらくしてから近くの店へ水を買うために外出してみた。かなり暗くなっていたので、ペットボトルの水を買ってから足早にホテルに戻っていると、路上に若者数人がたむろしていた。ちょっと緊張しながら通り過ぎようとしたところ、予想外の笑顔で「Hello !」と声を掛けてきた。ちょっと安心したが、こういう田舎には変な若者はいないということか。

翌日はタテヴ修道院へ行くことにしている。この日は夜11時に就寝。