タイ旅行記(チェンダオ洞窟)

チェンマイ滞在3日目。この日は郊外にあるチェンダオという町へ行き、チェンダオ洞窟を見ることにしていた。ここを選んだのは、もともと鍾乳洞を見るのが好きなのと、近くにワットメーイートという寺院が見つかったため。ちょっと面白そうな寺院だったので併せて訪問してみた。


朝8時半に起床。地図を見る限り、チェンダオ方面へのバスが出ているチャーンプアク・バスターミナルはホテルからそう遠くなさそうだったので歩いて移動した。しかし実際は意外と距離があり、40分ほどで到着。窓口で確認すると、こちらの赤いバスがチェンダオ行きだった。チェンダオまでの運賃は40バーツ。

バスに乗り込んだら天井がステンレスなので完全に鏡になっている。ちょっと面白い光景で、日本ではこういうバスは見たことがない。

バスには相当な数の乗客が詰め込まれる。どう考えても2人掛けという座席に3人が座るのが標準で、ほぼ身動きできない。窓側に座っていたら横に若い女性2人が来て、ほぼ密着状態になってしまった。日本だといろいろと問題になるところだが、ここでは誰も気にしない。

それから後ろの座席に日本語が話せる若い女性が座っていて、少し話すことができた。最近、タイではテレビ番組の影響で九州の人気が上がっているという噂を聞いたことがあるが、こちらが長崎から来たというと「九州ですか、いいところらしいですね」という反応が返ってきた。噂は本当だったらしい。

10時15分に出発。チェンダオまでの所要時間は1時間40分ほどで、車内は窮屈だが車窓風景を楽しむことができた。後ろの女性はチェンダオの少し前のバス停で降りていったが、この女性にチェンダオ洞窟へ行くということを話していたため、それを車掌に伝えてくれていたようだった。バスターミナルの手前で車掌に声を掛けられ、チェンダオ洞窟への分岐点のところで下ろしてくれた。

バスを見送り、標識を見るとチェンダオ洞窟までは5キロになっている。

チェンダオ洞窟方面を眺めると、遠くに特徴的な岩山が見える。おそらく洞窟があるのはあの辺りのはず。

事前情報では「チェンダオではタクシーやモーターサイ(バイクタクシー)は全くといっていいほど見ない」ということだったので、当初は歩くことも考えていた。ところが偶然にもすぐ近くにモーターサイが停まっていたので、ここからはバイクでチェンダオ洞窟へ移動できた。これは予想していなかったので本当に幸運だった。

出発してすぐ、右側に寺院が見える。ここがワットメーイートで、帰りに立ち寄ることにしていた。というわけで、ここでは通過。

しばらくは両側に家が並んでいたが、やがて林の中の道になった。しかし上り坂が多いので歩いていたら大変だったはず。モーターサイに乗っている幸運を実感。

林の中を抜けると、あの岩山が近くに見えた。もう洞窟も近いはず。

バスを降りた幹線道路から10分ほどでチェンダオ洞窟に到着した。歩いたら1時間以上かかったはずで、やはりモーターサイを利用すると移動が楽。ただし今回は幸運だったが、いつもモーターサイが見つかるとは限らない。これからチェンダオ洞窟へ行ってみようと考えている人は、歩くことも覚悟しておいてほしい。

バイクタクシーの運転手には60バーツを払った。チェンダオでのバイクタクシーの相場を知らなかったので高く払った可能性もあるが、それは気にしていない。

門の中に入ると、ちょっとした観光地になっていた。ただし、かなり町外れにあるためか、観光客はそれほど多くはない。十二支のオブジェを見ながら少し歩いてみた。

噴水のある池はきれい。涼しいので池を見ていると癒される。

ではチケット(40バーツ)を買って洞窟に入ることにした。こちらが洞窟の入口。

洞窟に入ると、まずはこんな感じ。

ちょっと広いところに出ると、こんな風に石像が並んでいた。洞窟内をこんなに改造していいのかという気もするが、それは気にしない。石像の前に座り、しばらく休憩。

さらに奥へ進む。鍾乳石もきれいだし、それに赤や緑のライティングがいい感じ。通路も整備されているので歩きやすく、さすが有名観光地。

こんな風に、ところどころに仏像が置かれているところがタイらしい。

途中、涅槃像みたいな姿があった。石を切り出そうとして途中で止めた後なのか、詳しいことは分からない。なんでマネキンが横に置いてあるのかも不明。

大きな鍾乳石が通路を塞いでいるような場所もあった。まるで、のどちんこみたい。

最奥部まで歩いてくると、こちらにも仏像が安置されていた。鍾乳洞自体はまだ奥まで続いているようだが、ここから先へは進めない。仏像に参拝してから来た道を戻ることにした。

こちらはまるで蟻塚みたいな鍾乳石(多分)。赤いライティングがきれい。

入口近くまで戻ってきたが、まだ鍾乳洞を出るつもりはない。ここからは別ルートに入ることにしていた。


このチェンダオ洞窟には、通常の観光ルートの他にスタッフに案内してもらう探検コースみたいなルートがある。このことは事前に調べていたので、洞窟内の石像が並んでいるあたりにたむろしていたスタッフのおばさんに声を掛け、支洞に入ってみることにした。このルートの料金は100バーツ。

ランタンを持ったスタッフに続いて、暗闇の中へ。

実は趣味でケイビングを始めたいと考えているほど洞窟探検は好きなので、こういうのは本当に楽しい。もちろん本格的なケイビングとは違って狭いところを通り抜けることはほとんどないが、鍾乳石もきれいだし、ときどきコウモリも見える。

途中、このルートにも小さな仏像が置かれていた。

上の写真では明るく写っているが、ランタンの光が当たっていないところは真っ暗。広い空間に出ると、光が拡散してこんな感じになる。光っているのは別のグループのランタン。

前を歩いていた一行に追いついたところで、観光ルートの明かりが見えてきた。階段を下り、観光ルートに合流して探検は終了。

案内してくれたスタッフにはチップが必要で、相場は100バーツということだったのでその金額を払っておいた。高いと思うかどうかは人それぞれだと思う。私にとっては合計200バーツを払う価値はあった。

仏像が並んでいるエリアに座り、しばらく休憩。

結局、1時間近く洞窟内を歩いていた。鍾乳洞が好きな人なら、特に探検コースは楽しめるはず。興味があればチェンマイ滞在中に訪問してみてほしい。


洞窟を出て、歩いていると博物館があったが、このときは閉まっていた。もっとも、この通り展示物は外から丸見えだし、わざわざ金を払って入るまでのこともないと思う。何でこんな開放的な展示室にしたんだろう。

周辺にはこういう建物もあった。壁と柱の装飾が統一感があってきれい。

続いてこちらの安そうな食堂で昼食にした。

注文したのはフライヌードルとバナナシェイクで、合計95バーツ。どちらもかなりうまい。安食堂でもこれだけうまいものが食べられるのだから、タイの食のレベルは高い。

昼食後、土産物店を歩いているとスパイス類を売っている店が多かった。このあたりは香辛料で有名な地域だそうで、偶然にもテレビ番組の撮影に遭遇した。通行人として映り込もうかとも考えたが、やめておいた。

午後2時半、チェンダオ洞窟の滞在を終え、チェンダオの町のほうへ戻ることにした。

もともと鍾乳洞が好きということもあり、かなり面白いスポットだった。しかしチェンマイにあれだけたくさんいた外国人をまったく見なかったので、旅行中にここへ来る人はほとんどいないらしい。公共交通機関では行きにくい場所だが、洞窟が好きなら訪問してみてほしい。


モーターサイがいないので、チェンダオ洞窟からの帰りは徒歩。しかし周囲の景色がきれいなので、最初のうちは歩くのは苦にならない。

歩いている途中に、こんなカフェがあった。箒に乗った魔女のオブジェが意外とよくできている。

歩道もない道路をひたすら歩く。気候が暑いので下り坂が多いといってもなんだか疲れてきた。

やがて林の中の道になった。この時点でチェンダオ洞窟から3キロほど歩いたことになる。

あの特徴的な岩山が次第に遠くなっていく。しかしまだまだチェンダオの町までは距離がある。

途中、こんな場所があった。いったい何だろうと思ったが、私有地みたいなので入らなかった。タイ語が読める人がいたら横断幕の内容を教えてほしい。

さらに歩いていくと何かの教育施設みたいな建物があった。日本の国旗が描かれているので、おそらく日本の援助で作られた学校だと思う。こちらも正体がわからないので、タイ語が読める人がいたら教えてほしい。

歩き始めてから1時間ほどで、幹線道路近くにあるワットメーイートの前に戻ってきた。それなりに疲れたが、下り坂が多かったので、まだましだったといえる。途中で魔女のオブジェも見られたし、チェンダオ洞窟へ行く際は帰りは徒歩というのもお勧め。

ワットメーイートについては次のページで。