ベリーズ&メキシコ旅行記(ブルーホールダイビング)

いよいよブルーホールダイビングの日になった。かつてここでダイバーたちを羨ましいと思ったことが自分がダイビングを始めるきっかけになったので、自分にとってダイビングの原点になる。ここでシュノーケリングをやってから6年、ついにブルーホールに潜ることができる。


早朝5時半に起床。6時過ぎにホテルを出て、まだ薄暗いキーカーカーの町を歩いて桟橋へ。日の出前の水平線の風景。

今回利用するのは旅行前に手配してもらっていた AQUA SCUBA CENTER というダイビングショップで、キーカーカーではなくサンペドロの店になる。サンペドロからのボートがここに立ち寄って乗せてくれるということなので、桟橋のベンチでしばらく待機。

予定では6時半と聞いていたが、なかなか来ないので忘れられたのかと不安になってきた7時前に、ようやく船がやってきた。まあ、何事も時間通りに行くと思ってはいけない。

出発するころには、すっかり明るくなっていた。

さすがサンペドロのショップだけあってボートはわりと大きい。スタッフ以外に20人くらい乗っているので、みんなダイバーなのかと思っていたらシュノーケリング客が多いということだった。ダイバーは6人ほど。

移動中、船は揺れまくり。

ブルーホールはキーカーカーからかなり沖合いにあるので、移動には2時間半ほどかかる。船が飛び跳ねるように揺れるので気分が悪くなった人も続出していた。酔いやすい人にはつらい船旅かも。

朝9時半、ブルーホールに到着した。その10分ほど前にガイドがブリーフィングをやってくれるが、流暢過ぎて半分以上は聞き取れない。まあ「アイスエイジ」という単語からブルーホールが形成された理由(氷河期の鍾乳洞が海面上昇により水没した)を話しているのだろうということは推測できたし、他にも断片的に聞き取れた内容から「かなり深いところに潜るダイビングだが、自分と同じ深さにいれば大丈夫」と説明しているらしいことはわかった。

今回はマスクとシュノーケル以外はレンタルなので、器材は準備してある。タンクを背負い、海にエントリー。

これからブルーホールに入っていくわけだが、何しろ巨大な縦穴なので下っていく一方。ブルーホールの縁を越えると、後はフリーフォールのように沈降するだけ。

深度はすぐに30メートルを超えたが、普段は30メートルまで潜ることなど滅多にないので、ダイブコンピュータの表示が気になってきた。

そしてブルーホール最大の見所、鍾乳石が並んでいるポイントに到着した。鍾乳石は水中ではできないので、かつてここが地上にあったことを示す証拠になっている。予想以上に立派な鍾乳石に驚き、今回のダイビングで一番見たかった風景を無事に見ることができて感動した。

しかしながら、ここはかなり深いポイントなので感動に浸ってはいられない。鍾乳石の写真を撮っているときはデコとの戦いで、あと1分なんていう数字になったりしてかなり焦った。潜行と浮上を繰り返しながら、時間が許す限り鍾乳石エリアを探索。

ダイビングをやらない人に説明しておくと、デコ “Decompression” とは減圧不要限界のこと。深く潜るほど、その深度にあと何分いられるかという時間が短くなる。この残り時間がダイブコンピュータに表示されるが、これがゼロになるとすぐには浮上できず減圧停止というステップが必要になり、また減圧症の危険が高まることになる。

ダイバーであれば、ガイドからデコを出さないようにという注意を受けたことが何度もあるはずなので、ダイビング中はいつも気にしているはず

後で最大深度を確認したら41.2メートルだった。レクレーションダイビングの最大深度は40メートルと規定されているので、それを超えてしまったことになる。厳密には違反行為になるが、まあ今回だけは仕方がない。今後、40メートルを超えるダイビングをやる機会はないだろう。

上を見上げると、こんな感じ。

デコを出す前に、浮上して浅いポイントへ移動した。しかし意外だったのは、このとき潜ったメンバーの中でダイブコンピュータを使っていたのがガイドと私の2人だけだったこと。ダイバーは深度を自分で管理しないといけないと考えていたが、海外ではそうでもないらしい。ここで、ガイドがブリーフィングの際に「自分と同じ深さにいれば大丈夫」と話していた理由がわかった。

しかし日本だとダイビングを始めて早い段階で自分のダイブコンピュータを持つものだが、考えてみればかなり高額の機器なので(このとき使っていたダイブコンピュータは約7万円。この旅行の1年後に買い換えたのは10万円以上する限定モデル)、外国では誰でも買えるものではないかもしれない。

深いところには生物がほとんどいなかったので、浅いポイントでは生物を見ながらまったりとダイビング。

しかし、いったん深いポイントに潜ったので残り時間は長くない。安全停止を行ってボートに上がることになった。

これでブルーホールダイビングが終了。参考までに、ダイビングログは以下の通り。

  • 天候:晴
  • 気温:25℃
  • 水温:27℃
  • 潜水時間:25分
  • 最大深度:41.2m
  • 平均深度:22.0m
  • 透明度:20m

潜水時間はわずか25分。キーカーカーからの移動時間と比べるとあっけないダイビングだが、しかし楽しかった。おそらく、ここが自分にとって生涯でもっとも深く潜ったポイントになるはず。

ボートの上からはブルーホールの縁がうっすらと見える。

やがてシュノーケリングの人たちもボートに上がってきた。

全員がボートに上がり、ブルーホールを出発。いつになるかわからないが、また必ずここに来たい。

20分ほど移動して休憩し、ハーフムーンウォールというポイントで2本目のダイビング。先ほどのダイビングが深かったので、こちらでは浅いところで生物を見るのがメイン。

このポイントではサメに遭遇することができた。ダイビングログはこちら。

  • 天候:晴
  • 気温:25℃
  • 水温:28℃
  • 潜水時間:44分
  • 最大深度:20.7m
  • 平均深度:13.7m
  • 透明度:20m

ガイドがダイバーたちの残圧を確認するのは世界共通だが、他のダイバーたちは残圧が少なくなるのが早く、ガイドから「浮上しなさい」という指示を受けて次々に水面に上がっていく。結局、最後まで潜っていたのはガイドと私の2人だけ。他のダイバーはみんな欧米人で、体格の関係なのかエアの消費が早いようだった。他の参加者よりも水中世界を長く楽しむことができ、ちょっと得した気分。

これで午前中の2本のダイビングを終え、昼食のポイントへ移動することになった。


昼食の場所は、こちらも前回来たときにものすごく感動したハーフムーンキー(ハーフムーン島)。南の島というイメージ通りの、絵に描いたような楽園の風景に今回も感動した。

島に上陸し、しばらく散策。前回も感じたが、地上の楽園とはこういう場所のことをいうと思う。

前回来たときは快晴だったが、今回は残念ながらちょっと曇り。それでも海は本当にきれい。

シーフードや野菜やピラフの昼食の後、島の奥にある野鳥の観察場所へ行ってみた。

ここからの眺めも前回来たときと変わらない。野鳥が舞っている様子や営巣をしばらく観察。残念ながら鳥の種類には詳しくないので、ここから見える鳥の名前はわからない。

ボートの近くに戻ると、次第に風が強くなってきた。天候も下り坂という気がする。

ハーフムーンキーでの1時間ほどの休憩を終えて午後1時に出発。この島にも、いつかまた必ず来たい。


3本目のポイントは、ブルーホールほどではないものの、それなりに深いところへ潜る。2本目と同様に生物を見るのがメイン。

このポイントでのダイビングログはこちら。

  • 天候:晴
  • 気温:25℃
  • 水温:28℃
  • 潜水時間:47分
  • 最大深度:25.6m
  • 平均深度:14.3m
  • 透明度:15m

これで、この日のダイビングが終了。念願のブルーホールダイビングだったが、期待通りに楽しかった。キーカーカーに戻る途中に日没になり、この日は朝から1日中楽しんだことを改めて実感。

移動に2時間半ほどかかり、夕方6時にようやくキーカーカーに戻ってきた。ブルーホールはかなり沖合いにあるので移動だけで疲れてしまうのが難点だが、その分たどり着いたときの感動は大きい。さらに、そこで潜るというのは相当に希少な体験だと思う。

この船はサンペドロに戻るので、キーカーカーで下りるのは自分だけ。ガイドにチップ(10ドル)を渡し、握手をしてから下船すると船が次第に遠ざかっていった。

しかし楽しい1日だった。ブルーホールは自分にとってダイビングの原点なので、ここにはまた来たい。


いったんホテルに戻って休憩し、夕食のために外出してメインストリートを歩いてみた。この日、入ることにしたレストランはこちら。

カウンターの席がブランコになっているところが面白い。注文したのはバラクーダステーキで、ミネラルウォーターと合わせて24ベリーズドル。味はうまい。

丸1日のツアーで疲れたので、夕食後はすぐにホテルに戻り、この日は0時半に就寝。翌日はベリーズシティに戻って、午後の飛行機でメキシコのカンクンへ移動することになる。