ネパール旅行記(ポカラ~ダンプス)

ウルトラライトプレーンでのフライトを終えてホテルに戻り、この日から2泊3日のトレッキングに出発。といっても本格的なトレッキングではなくお気楽なものだったが、それでもネパールの山の中の風景を楽しむことができた。

10年前(2007年)のネパール旅行のときもポカラ~ダンプスのトレッキングを行っているので、ダンプスの村は10年ぶりの再訪になる。


ホテルでガイドの Padam Yogi さんと合流し、8時半にチェックアウトして車でポカラを出発。トレッキングの出発地点になるのはフェディ(Phedi)という村で、30分ほどで到着した。

このあたりが出発地点。

トレッキングの前に、この店で朝食。チベットパンとアンズのジャムがうまい。

食事中にチベット難民を名乗る女性がやってきて、土産物のセールスが始まった。最初は特に買うつもりはなく聞いていたが、きれいなオレンジ色の球形の石を4つ繋いだキーホルダーが気に入ってしまい、ほぼ言い値の500ルピーで衝動買い。今でも自宅のPCの横に飾っている。

では、この階段からトレッキングに出発。

出発直後、振り返って木々の間からフェディの村を眺めた景色。

やがて視界が開けると、谷に沿って流れる川が眺められた。

フェディからダンプスまでは、完全な山の中ではなくときどき人家が現れる道を登っていく。ずっと登りが続くものの、道はわりと歩きやすい。

山羊がいたり犬がいたり、動物を見ながら歩くのも楽しい。

ちょっと開けたところは、こんな風に畑になっている。前を歩いているのがガイド。

しかし段々畑の風景がきれい。日本だと段々畑や棚田は景観保存地区に指定されて観光地になりそうだが、ここではいたって普通の風景。

このあたりで撮った写真をパノラマ風につなげてみた。高低差があるので農作業は大変そう。

牛がいたり山羊がいたり。

牛小屋に掛けられていたのがこれ。ちょっとドキッとしたが、目的は何だろう。魔除けみたいなものかとも思ったが、案外特に意味はないのかもしれない。

ダンプスまでの中間地点にある集落に到着した。ここでしばらく休憩。

ここからさらにダンプスまで登っていく。相変わらず道は歩きやすい。

フェディから1時間半ほどでダンプスの村に到着した。わずか1時間半なのだから本格的なトレッキングには程遠いが、それでも登りがずっと続くのでそれなりに疲れた。ちょっとした達成感。

ダンプスの村を眺めるのは10年ぶり。これだけ時間が経つと記憶も薄れてくるが、それでも村の風景は大きくは変わっていないように思える。

この日に宿泊するロッジへ移動した。こちらが村のはずれにある ANU GUEST HOUSE で、なかなか快適そう。

宿泊した205号室はこんな感じ。ベッドが2つあるが、ガイドと一緒に泊まるわけではなく私一人。ガイドは1階に専用の部屋があるということだった。

しばらく部屋で休憩。

先ほどは「村の風景は大きくは変わっていない」と思ったが、ロッジに WiFi があるところは10年前と変わったと思えた。ただし、WiFi が使えるのは電気が来ている夜の時間帯だけ。昼間は電気は使えないそうで(明るいから必要ないということだと思う)、夕方からはネットに接続できることになる。もっとも、こんな山の中に来てまでネット接続できることを喜んでいいのかはわからないが。

休憩中、ロッジの中庭を眺めてみた。

植木鉢がいくつも並んでいたので、赤い花をアップで撮影。おそらくポインセチア(ネパール名は「ラルパテ」)だと思う。違っていたらすみません。

12時半に昼食。いくつかの料理の中から選ぶことができ、ここではエッグフライドヌードルを頼んでみた。トレッキングの後ということもあり、かなりおいしく感じた。

昼食後、ダンプスの村を散策してみた。今回のトレッキングのガイドは必要以上に世話を焼かず、目的地に着いたらわりと放っておいてくれるので、こちらとしては有難い。

山の尾根の上にある村なので、どちらを見ても眺めはきれい。10年前と変わらず本当にのどかな村で、入り組んだ細い道を歩いていると楽しい。

ここで撮った写真をパノラマ風につなげてみた。

建物に関しては、10年前より少しだけ立派になったような気もしなくはない。

村には学校もあった。名前は「SHREE RISING SUN ACADEMY SCHOOL」。Rising Sun という言葉が日本を連想させて、なんだか嬉しい気持ちになる。

さらに散策。本当に雰囲気のいい村。

長屋風の住居が並んでいるエリアもあった。なんだか昔の日本という風景で、まるで江戸時代に来てしまったような感覚になってしまう。

懐かしさを感じさせる風景の連続。

住人が洗濯している風景も、本当にのどかで微笑ましい。

ダンプスの村は山の尾根の上にあるが、その尾根の端に View Point Cafe という名前の小さなカフェがあった。店の横の階段を上がっていくと展望所があり、客は無料で入れるらしい。ここで休憩することにして、ネパールティを注文した(60ルピー)。

ネパールティは普通のミルクティと違っていろんなスパイスが入っているので、独特の味がする。この味はなかなか日本では再現できないので、ネパール滞在中は飲んでみてほしい。個人的には好きな味。

ネパールティを飲んだ後、展望所へ。おそらく村で一番高い場所らしく、ダンプスの全景が一望できた。ここが尾根の上にある村ということがよくわかると思う。

このビューポイントカフェは、名前の通りに景色がいいのでおすすめ。

さらに村を歩いていると、なんだか急に雲が増えて暗くなってきた。

「これは雨になるかも」と思ってロッジへ戻ろうとしたが、間に合わずに雨が降り出した。幸い、近くに雨宿りできる場所(おそらく他のロッジの屋外食堂)があり、濡れずに済んだが屋根の下から出られなくなった。

激しい雨が降る中、同様に避難してきた犬と一緒に雨宿り。雨は40分ほど降り続けたが、犬は好きなので相手をしていると退屈しなかった。

やがて雨が止み、犬も行ってしまったのでこちらもロッジへ戻った。すると、再び雲に覆われてきて雨模様。

さすがに山の天気は変わりやすい。しばらくして雨が止むと、遠くに雲の切れ間が見える。今度こそ雨は上がったと思う。

周囲が明るくなってきたのを確認してから、再び外出。雨上がりの景色もきれい。

上の写真に写っているお堂みたいな建物は、近くまで行くことができた。ただし、覗きこむだけで中には入れない。

そろそろロッジに戻ろうと思いながら歩いていると、壁に書かれている文字が目に留まった。

CPN とは Communist Party of Nepal の略で、CPN-MAOIST で「ネパール共産党毛沢東主義派」という意味。つまりここはマオイストの支配地域ということ。かつては反政府組織だったが、現在は政権入りして穏健になっている(はず)。

もっとも、反政府組織だったときから外国人観光客は敵視せずネパールの外貨獲得源として歓迎していたそうなので、旅行者としてはそれほど過剰に心配する必要はなかったといえる。よく見ると「ウェルカム」のスペルが間違っていたりするが。

ロッジに戻り、6時に夕食。メニューからベジスープとポテトカレーを選んでみた。山の中のロッジでの食事は、何でもおいしく感じる。

ガイドと翌日の打ち合わせをして、部屋に戻った。水シャワーを覚悟していたが、予想に反してお湯が出たシャワーを浴びた後はやることがない。翌日は早朝に起きて日の出を見たいので、8時半に就寝。